モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ルリビタキの舞う雪林で(妻女山里山通信)

2010-02-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 山仕事をしていると、必ずどこからともなく現れ付かず離れずまとわりつく青い鳥がいます。作業中は保護用にポリカーボネートのグラスをして眼鏡をしないので細部の模様が分からず、幸せの青い鳥かなと勝手に思っていたのですが、どうにも気になってしょうがないわけです。そんなある日木を切っていると、またその青い鳥が現れました。

 これはチャンスと車に戻って眼鏡とカメラを手に戻るといません。仕方なくまた作業をし始めると、暫くしてどこからともなく現れました。眼鏡をかけると、濃い青い羽に白い腹部、脇は鮮やかなオレンジ色であることが分かりました。図鑑であたりをつけておいたので、これはルリビタキの雄かなと思いながら、鳥に視線を合わせず、そっとカメラを手にして液晶ファインダーを見て撮影。手持ちのカメラは望遠が不得手なので掲載のカットがせいいっぱいですが、なんとか撮影できました。

 こちらに流し目をくれながら大きく胸を膨らませているカットがありますが、これは求愛行動ですね。雄の小鳥に求愛されても困るんですが…。どういうことなんでしょうね。周りに雌がいる様子もなかったし、繁殖期でもないはずですが。不思議です。それとも威嚇か? 接近すると、ある程度の距離を保って逃げていきます。といって樹上に逃げるわけでもなく、地上近くの切り株や倒木の枝に留まり、横目でこちらを見ています。早く木を切れと言われているようです。

 ルリビタキは、夏は亞高山で暮らしています。この辺りだと菅平でしょうか。根子岳や四阿山辺りにいるのかもしれません。冬になると里に下りてくるようです。鳴き声を文字にするのは難しいのですが、「ピッピッ」と鳴いたり、「グッグッ」と鳴いたりしますが、「ルリビタキだよ~ん」と鳴くともいわれています。本当でしょうか。都会の公園などでは餌付けをしている人もいるようですが、なにもしなくてもこんな風に寄ってきてくれるのは、嬉しいものです。ところで、『青い鳥』というと、やはりザ・タイガースのこの曲でしょうか…。

 山仕事をしていると寄ってくるのは、木を切ると虫が出てくることがあるからでしょう。なかなか賢い鳥です。でも視線を感じると逃げてしまうので、見ないようにします。それとなく見ると、ルリビタキも横目でこちらを見て様子を窺っています。こちらが移動すると、作業していた辺りの木を盛んに調べています。時には虫を見つけてついばんでいることもあります。人なつこいわけではないのですが、現れるとなんとなく和みます。それにしても寒い毎日で、神経痛に悩まされています。春は名のみの風の寒さや。『早春賦』の歌を思い出しました。

「雪林に 追えば届かぬ 青い鳥」 林風

●ルリビタキ(瑠璃鶲、Tarsiger cyanurus)スズメ目ツグミ科。昆虫類、節足動物、果実などを食べる雑食性。単独で行動し、繁殖期には縄張りを持ちます。6~8月に針葉樹林の地表に、枯葉や苔、地衣類などでお椀状の巣を作り、1回に4、5個の卵を産みます。雌は羽が緑褐色。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。

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