先日テレビで、筋ジストロフィーの書家石井誠さんの
ことを放映していました。
数年前、新聞の記事で知った石井さんは、大きな筆を
持って、紙の上を車いすで移動しながら書いて
いました。
筋ジストロフィーは、進行性の筋肉の病で、最近の
石井さんの映像をみると、呼吸器をつけ、病気の
進行の速さが目に見えてうかがえるようでした。
いのちをかけて、「生きる」というテーマに全身で
挑んでいる石井さんの姿に、石井さんの「書」に、
深く心を揺さぶられました。
1枚書くと横になり、その1枚に全てを込めて
書いているのです。
私など、少しでも筆と一体になりたいと書きまくる
のですが、石井さんの書く姿を見た時、そんな
書き方でいいのかと、厳しく問われた気がしました。
彼に残された時間は、そんなに多くはないと思います。
「死」と隣り合わせの中で、いのち・生きるという
ことを書き続ける石井さん。
いつか、彼の作品を見てみたいと思いました。
手島右卿賞を取った彼の作品は、映像の中に
あっても「いのち」がこだましているように
感じました。
いのち一杯生き切る
石井さんの「書」は、いのちを伝える「書」です。