9/29(水) 22:38配信
『田辺三菱製薬がカナダで開発中の植物由来の新型コロナウイルスワクチンについて、来年3月にも国内での承認申請を目指していることが29日、分かった。10月から国内で臨床試験(治験)を始める予定。
カナダの子会社メディカゴが、タバコ属の植物からワクチンを作る技術開発を進めている。現在、カナダや米国、英国などで約3万人を対象にした大規模な最終段階の治験を実施している。重度の副反応は確認されていないという。
すでにカナダ政府との間でワクチン供給の契約を結んでいる。日本国内でも治験を通して安全性や有効性を確認し、政府と承認申請に向けた協議を進める。
日本国内の製薬企業ではこのほか、第一三共やKMバイオロジクス(熊本市)などがワクチン開発を進め、早期の実用化を目指している。』
メディカゴが開発しているワクチンは、VLP(ウイルス様粒子)ワクチンであり、ウイルスと同様の外部構造を持ち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待されることに加え、遺伝子情報を持たないため体内でウイルスの増殖がなく、安全性にも優れる有望なワクチン技術として注目されています。また、植物を使用したVLP製造技術により、短期間で大量生産が期待されます。ウイルスのゲノムを含まない外殻たんぱく質のみを、微生物や昆虫細胞、植物で作り、単離、精製したワクチン。投与後、抗原たんぱく質が細胞外から取り込まれ、ペプチドに分解されて、主に液性免疫を誘導すると考えられている。これまで世界では、B型肝炎ワクチンやヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸[けい]がんワクチン)など、複数のVLPワクチンが承認されており、日本を含めて相当数の投与実績があります。