AISINのポケットコイル(セミダブル)を解体しました。
拡大すると TOYOTA という文字が見える。結構古いマットだ。何故ならば、「TOYOTA」ブランドを冠することができたのは、2005年までで、その後は「TOYOTAベッド」という表現はしていないと聞いている。少なくとも十年余使われたベッドと推測できる。現在は「ASLEEP」というブランド名が使われている。
表層を外すとウレタン層が現れる。ウレタン層を外すとフェルト層があり、続いてコイル層が現れる。
さすが、「TOYOTA」を冠していただけあって、使われている素材は全般に良い素材が使われている。たとえば、目に見える部分だけでなく、こうして解体をしなければわからないウレタンやフェルト部分はその代表だと思われる。シー■ーベッドやフラン▼ベッドなど日本国内で販売されている多くのベッドマットに使われているのが、ボロ生地などの廃品回収で集め、リサイクルされた反毛フェルトである。だが、このTOYOTAマットのフェルトは反毛かもしれないが(単一工場から出た同じ種類の糸くずと思われる)、リサイクル品ではなさそうだ。ウレタンの密度も良い。
シーリーベッドのフェルト TOYOTAベッドのフェルト
だが、残念なことにコイルは、焼き入れはされていないようだ。焼き入れがされていない(あるいは不十分)故、十年余でへたりが生じてしまったようだ。
何故、焼き入れがされてない(不十分)と言えるのか?
①コイルを引っ張ると伸びてしまう。・・・ 左から、不織布に覆われたコイルです。中央は袋から出した状態です。右のコイルは上下を手で伸ばした結果です。焼き入れがキチンとされていれば、手で伸ばしても元の形になる筈です。日本ベッドのシルキーマットのコイルはキチンと焼き入れがされているので、手で伸ばしても元に戻る。
②焼き入れのされているコイルは円筒状ですが、焼き入れのされていないコイルは「エンタシス」のように中央が膨らんでしまいます。コイルを形成する時は円筒状に作られるが、コイルができた瞬間「巻」の力が除かれると、コイルは戻ろうとする。その結果中央部が膨らむことになる。
コイルは並列である。写真を見てもわかるように、個々のコイルの中央部は左右前後のコイルと接しているようだが、最上部は隙間ができている。エンタシス状であるから上から見ると隙間だらけに見える訳だ。
使われていたフェルトは、極めて固い。これは良い方に解釈すれば、ポケットコイル本来の「点で支える」という特長と、ボンネルタイプの特長である「面で支える」、二つの特長を追及したようにも思える。なお、コイル数は651個(セミダブル)である。シングルに換算すると540個程度となる。
これだけの検証で結論を出すことは無理があるが、へたりの軽微な期間、つまり(使う方の体格にもよるが)少なくとも7~8年から10年程度は、寝心地の良いマットだったと言えるだろう。(あくまで爺の私的感想・推測)
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