パリで開かれていた国連機構変動枠組み条約の第21回締約会議(COP21)は、12月12日、「パリ協定」を全会一致で採択した。18年前の京都議定書以来の新しい枠組みであり、全196カ国・地域が温室効果ガスの削減に参加し、石炭や石油などの化石燃料に依存しない社会を目指すことになった。出席メンバー全員が、無事協定がまとまったと、出喜色満面で会議場を後にする様子が報道されたが、まるで地球温暖化が解消されたかのような無邪気な喜び方であった。
世界全体の目標として平均温度を産業革命以前に戻すとして、気温上昇を2度未満に抑えるに加えて、1.5度未満に向けて努力するとした。また、今世紀後半に人為的な排出と吸収を均衡させると目標を明確にしたが、これらは努力目標でしかない。
地球温暖化対策は喫緊の課題であるが、京都議定書の目標が達成されていないことからも、今回の目標も、“努力したけれどだめでした”の言い訳が今から聞こえてくる。しかし、前回参加していなかった米国や中国が参加した点や、地球温暖化に対する科学的根拠がより明確になった点から、各国が真剣に取り組む筈との期待も多少はある。
そもそも地球温暖化はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル-Intergovernmental Panel on Climate Change)の報告に基づいている。これは、世界の科学者が発表する論文や観測・予測データから、政府の推薦などで選ばれた専門家がまとめたものであり、信頼性は高いと言わざるを得ない。しかし、地球規模の話になると、現代科学をもってしても不明な点が多く、特に将来の予測は計算機シミュレーションによって為されるが、気候を支配するパラメータが多く、前提となる条件が異なれば違った結果になる曖昧さは残る。
地球温暖化の要因には、温室効果ガスの他に太陽の活動変化などがあるが、過去地球上に何回か訪れた氷河期の原因もはっきり特定されておらず、他に大きな要因があるかも知れない。現在は第4間氷期に当たるようであるが、これから温暖化に向かうのか、寒冷化に向かうのかに関しても諸説ある。
さて、地球温暖化対策として、15年後の2030年をターゲットに温室効果ガスの削減目標を設定しようとするなか、その2030年には地球に「ミニ氷河期」がやってくると、英国の研究チームが発表したそうだ。この研究チームは、英ノーサンブリア大で応用数学や天文学を専攻するバレンティーナ・ザーコバ教授の研究チームで、今月、国立天文会議で発表したものだ。
太陽の活動は一定ではなく周期的に変動していることはよく知られている。この変動を太陽黒点発生に関する新たな知見に基づき計算したところ、黒点が今後、大きく減少して15年後には、太陽の活動が現在の60%減と大幅に低下してミニ氷河期が到来することが分かったという。こんな衝撃的な研究結果が欧米で大論争を巻き起こしているそうだが、日本での報道ではほとんど聞こえてこない。IPCC第4次評価報告書では、近年の地球温暖化に対する影響に関しては、太陽の活動変化要因は、人為的な要因に比べて10分の1以下とされるので、報道の価値が無いと判断したのであろう。
さて、地球規模の気候変化に温室効果ガスが影響している点に関し、完全に正しいと断定できないが、少なくとも一番確からしいと言う点において、その対策を怠ってはならない。今更いくら努力しても遅いとの説もあるくらいだ。(犬賀 大好-193)
世界全体の目標として平均温度を産業革命以前に戻すとして、気温上昇を2度未満に抑えるに加えて、1.5度未満に向けて努力するとした。また、今世紀後半に人為的な排出と吸収を均衡させると目標を明確にしたが、これらは努力目標でしかない。
地球温暖化対策は喫緊の課題であるが、京都議定書の目標が達成されていないことからも、今回の目標も、“努力したけれどだめでした”の言い訳が今から聞こえてくる。しかし、前回参加していなかった米国や中国が参加した点や、地球温暖化に対する科学的根拠がより明確になった点から、各国が真剣に取り組む筈との期待も多少はある。
そもそも地球温暖化はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル-Intergovernmental Panel on Climate Change)の報告に基づいている。これは、世界の科学者が発表する論文や観測・予測データから、政府の推薦などで選ばれた専門家がまとめたものであり、信頼性は高いと言わざるを得ない。しかし、地球規模の話になると、現代科学をもってしても不明な点が多く、特に将来の予測は計算機シミュレーションによって為されるが、気候を支配するパラメータが多く、前提となる条件が異なれば違った結果になる曖昧さは残る。
地球温暖化の要因には、温室効果ガスの他に太陽の活動変化などがあるが、過去地球上に何回か訪れた氷河期の原因もはっきり特定されておらず、他に大きな要因があるかも知れない。現在は第4間氷期に当たるようであるが、これから温暖化に向かうのか、寒冷化に向かうのかに関しても諸説ある。
さて、地球温暖化対策として、15年後の2030年をターゲットに温室効果ガスの削減目標を設定しようとするなか、その2030年には地球に「ミニ氷河期」がやってくると、英国の研究チームが発表したそうだ。この研究チームは、英ノーサンブリア大で応用数学や天文学を専攻するバレンティーナ・ザーコバ教授の研究チームで、今月、国立天文会議で発表したものだ。
太陽の活動は一定ではなく周期的に変動していることはよく知られている。この変動を太陽黒点発生に関する新たな知見に基づき計算したところ、黒点が今後、大きく減少して15年後には、太陽の活動が現在の60%減と大幅に低下してミニ氷河期が到来することが分かったという。こんな衝撃的な研究結果が欧米で大論争を巻き起こしているそうだが、日本での報道ではほとんど聞こえてこない。IPCC第4次評価報告書では、近年の地球温暖化に対する影響に関しては、太陽の活動変化要因は、人為的な要因に比べて10分の1以下とされるので、報道の価値が無いと判断したのであろう。
さて、地球規模の気候変化に温室効果ガスが影響している点に関し、完全に正しいと断定できないが、少なくとも一番確からしいと言う点において、その対策を怠ってはならない。今更いくら努力しても遅いとの説もあるくらいだ。(犬賀 大好-193)
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