1989年にベルリンの壁が開放されて東西ドイツが統一され、社会主義が資本主義に敗れ、冷戦の終了となり、民主主義の拡大が期待された。
社会主義あるいは共産主義の敗北の原因は色々議論されているが、人間の自由な発想に基づく自由な経済活動の成功が一番ではないかと思う。この点で、資本主義と自由主義や民主主義は一体であり、不可分と思われた。
しかし最近、資本主義経済は一党独裁体制とは矛盾せず、グローバル社会で勝ち抜くためには、臨機応変に即応できる独裁体制の方が好ましいとの国際的な風潮が強くなった。
冷戦が終了した直後、中国も近く共産主義体制が終了すると多くの人が予想していた。しかし、中国では今や世界第2の経済大国となり、独自路線で社会主義現代化強国を目指している。中国式統治の一番の特徴は徹底した言論統制による1党独裁体制である。
中国は、2011年に国家インターネット情報弁公室を設置し、インターネット情報のコンテンツ管理を強化し始めた。そこで定める管理規定は、情報サービスを提供する事業者に対して、法律や国家の関連規定で禁止する情報の散布を禁止し、違法行為があった場合は閉鎖命令等、責任を追及することが出来るとしている。
自由や民主と言った価値観より、国家の安定を優先させ統制を強める中国式統治が今やベトナム、カンボジア等、多くの国で模倣され始めている。
また、6月21日に米朝首脳会談が予定されるシンガポールも同様であり、その政治体制は権威主義的政治体制と言われているようだ。経済的繁栄を最優先し、一般国民の自由をある程度制約することを厭わない政策が、政治体制の根幹をなしているのだ。そのため、一般市民への徹底した管理が行われ、地下鉄内での飲食、ゴミ・ガムの路上でのポイ捨て、水の汲み置き等の些細な罪であっても、高額な罰金を課されることがあるそうだ。
この程度の不自由さは我慢も出来るであろうし、我慢すべきかも知れない。しかし、メディア等の報道への規制は厳しく、世界報道自由度ランキングでは、世界180ヶ国中154位(2016年)となっているそうだ。
さて、北朝鮮の金正恩が理想とするのはシンガポール国家だそうだ。シンガポールは核兵器やミサイルを有せずして、経済的に発展している。政治的な実権は首相にあり、現在のリー・シェンロン首相は国父とされるリー・クアンユー元首相の長男である。この点でも、シンガポールは北朝鮮の金正恩を魅了しているだろう。
現在、世界はインターネットの普及により、情報が氾濫し、果てはフェイクニュース、個人情報の拡散等、負の面も広がっている。IT技術の発展は経済のグローバル化に貢献しているが、一方では個人が勝手に様々な情報を発信し、混乱を招いているのも確かであろう。
情報を制限しつつ経済的に発展する中国式統治法が、国内の混乱を嫌う各国の為政者を引き付ける訳だ。人間の自由な発想が妨げられると、経済面でも停滞することを歴史が教えているが、グローバル化された現在、情報は外国から瞬時に入って来るため、国内の情報を制限したところで、何ら妨げにならないのかも知れない。
民主主義は、多数の人間の意見を集約すると言う面倒で時間を要する手続きが必要である。この点で、時代の変化に対する対応が遅れるかも知れないが、多くの意見を取り入れる過程で、多くの人が意見を述べる機会が出来、国民をひとつにまとめる利点が大きい。短期的には独裁者には負けるかも知れないが、長期的には多くの智恵を集めた最善の道で、勝利を収める筈である。2018.05.23(犬賀 大好-444)
社会主義あるいは共産主義の敗北の原因は色々議論されているが、人間の自由な発想に基づく自由な経済活動の成功が一番ではないかと思う。この点で、資本主義と自由主義や民主主義は一体であり、不可分と思われた。
しかし最近、資本主義経済は一党独裁体制とは矛盾せず、グローバル社会で勝ち抜くためには、臨機応変に即応できる独裁体制の方が好ましいとの国際的な風潮が強くなった。
冷戦が終了した直後、中国も近く共産主義体制が終了すると多くの人が予想していた。しかし、中国では今や世界第2の経済大国となり、独自路線で社会主義現代化強国を目指している。中国式統治の一番の特徴は徹底した言論統制による1党独裁体制である。
中国は、2011年に国家インターネット情報弁公室を設置し、インターネット情報のコンテンツ管理を強化し始めた。そこで定める管理規定は、情報サービスを提供する事業者に対して、法律や国家の関連規定で禁止する情報の散布を禁止し、違法行為があった場合は閉鎖命令等、責任を追及することが出来るとしている。
自由や民主と言った価値観より、国家の安定を優先させ統制を強める中国式統治が今やベトナム、カンボジア等、多くの国で模倣され始めている。
また、6月21日に米朝首脳会談が予定されるシンガポールも同様であり、その政治体制は権威主義的政治体制と言われているようだ。経済的繁栄を最優先し、一般国民の自由をある程度制約することを厭わない政策が、政治体制の根幹をなしているのだ。そのため、一般市民への徹底した管理が行われ、地下鉄内での飲食、ゴミ・ガムの路上でのポイ捨て、水の汲み置き等の些細な罪であっても、高額な罰金を課されることがあるそうだ。
この程度の不自由さは我慢も出来るであろうし、我慢すべきかも知れない。しかし、メディア等の報道への規制は厳しく、世界報道自由度ランキングでは、世界180ヶ国中154位(2016年)となっているそうだ。
さて、北朝鮮の金正恩が理想とするのはシンガポール国家だそうだ。シンガポールは核兵器やミサイルを有せずして、経済的に発展している。政治的な実権は首相にあり、現在のリー・シェンロン首相は国父とされるリー・クアンユー元首相の長男である。この点でも、シンガポールは北朝鮮の金正恩を魅了しているだろう。
現在、世界はインターネットの普及により、情報が氾濫し、果てはフェイクニュース、個人情報の拡散等、負の面も広がっている。IT技術の発展は経済のグローバル化に貢献しているが、一方では個人が勝手に様々な情報を発信し、混乱を招いているのも確かであろう。
情報を制限しつつ経済的に発展する中国式統治法が、国内の混乱を嫌う各国の為政者を引き付ける訳だ。人間の自由な発想が妨げられると、経済面でも停滞することを歴史が教えているが、グローバル化された現在、情報は外国から瞬時に入って来るため、国内の情報を制限したところで、何ら妨げにならないのかも知れない。
民主主義は、多数の人間の意見を集約すると言う面倒で時間を要する手続きが必要である。この点で、時代の変化に対する対応が遅れるかも知れないが、多くの意見を取り入れる過程で、多くの人が意見を述べる機会が出来、国民をひとつにまとめる利点が大きい。短期的には独裁者には負けるかも知れないが、長期的には多くの智恵を集めた最善の道で、勝利を収める筈である。2018.05.23(犬賀 大好-444)
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