次世代自動車の本命である電気自動車のコア技術は電池にあり、その電池性能は電気自動車のパフォーマンスに直接関わる。現在、電池のエネルギー密度や安全性、寿命およびコストにおいては著しい進歩を遂げているようだが、まだ充電時間が長く、価格が高いという欠点が残り、電気自動車が主役になるためには更なる電池の技術進化が必要である。
現在、電気自動車の電池にはリチウム二次電池が最有力とみられる。経産省の外郭組織であるNEDOの2013年作成の”二次電池技術開発ロードマップ 2013”によれば、2012年当時電気自動車の走行距離は120~200Kmと記されていた。
ところが、現在市販されているリチウムイオン電池採用の新型ニッサンリーフにおいては、フル充電からの走行距離が400kmとなっているので、ここ数年間の急激な性能向上が伺える。
今年の夏は猛暑となるそうだ。夏は冷房を掛けながら走るが、お盆の帰省ラッシュで渋滞に巻き込まれると走行距離400kmと言っても、そんなには走ることが出来ないだろう。更なる性能向上が必須である。
なお、電池は使うほど性能が劣化する。初代リーフの発売から7年経っており、日産は65万円かかる新品交換を再生電池の活用で30万円で済ます新サービスを5月から始めると先日26日に発表した。デジカメや携帯電話に使用されるリチウムイオン電池も劣化が激しく、2~4年で交換する必要性を感じていたので、リーフの場合意外に長持ちすると感ずるが、それでも高価であるだけに早急な改善が望まれる。
先のロードマップには充電時間に関する記述は見当たらないが、リーフでは急速充電時間は40分となっている。夜間自宅で充電出来る環境下では問題ないが、旅行の途中での充電となると大問題だ。今年2月の大雪の日、豪雪による車の渋滞に伴うガス欠車が話題になったが、電気自動車の場合はどうなるか懸念される。今後充電時間の短縮も重要課題だ。
車両価格は大量生産するようになれば量産効果により急激に下がる。充電設備も車が増え需要が増せば当然増える。また、これらは政策により促進することも出来るが、走行距離の増大、充電時間の短縮等の技術的な問題であり政策だけでは如何ともし難い。
電池技術の進歩はかつての予想を上回るスピードで進展しているとはいえ、ガソリン車を超えるためには、様々な課題が残る。一方既存のリチウムイオン電池(LIB)の安全面・技術面・価格面での限界も見えてきたようだ。”必要は発明の母である”、現在主流のLIBの数倍~10倍超の容量を持つポストLIBの有力候補も続々名乗りを挙げている。
早稲田大学理工学術院応用物理化学研究室は、リチウム蓄電池材料としての新しいシリコン負極材料を開発したそうだ。従来の電極は充放電による膨張・収縮により壊れやすい欠点があったが、シリコン負極材料の採用により大幅な回数の充放電が可能となったそうだ。これによりLIBの容量・出力の大幅な向上が期待できるとのことだ。
トヨタ自動車と東京工業大学の研究グループは電解液を使わない全固体電池の性能を向上させることに成功したとのことだ。リチウムイオンの伝導率を従来の2倍に高めて、充電・放電時間を3分の1以下に短縮できるそうだ。これが実現されれば、充電時間40分は十数分に短縮されそうであるが、ガソリン車に比べてまだ長い。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と京都大学、産業技術総合研究所などの研究グループは、金属リチウム二次電池をはじめとする新コンセプトの二次電池であるリザーバ型蓄電池の研究成果を発表した。現行のリチウムイオン電池の約5倍となるエネルギー密度が達成可能で、2030年ごろの実用化を目指しているそうだ。
以上の他にも性能向上のための工夫は、日本ばかりでなく、世界中で様々に行われていると思うが、その目標達成の目途が立ってきたのであろうか、次世代自動車は電気自動車であると世界の企業は一斉に走り始めている。2018.03.31(犬賀 大好-429)
現在、電気自動車の電池にはリチウム二次電池が最有力とみられる。経産省の外郭組織であるNEDOの2013年作成の”二次電池技術開発ロードマップ 2013”によれば、2012年当時電気自動車の走行距離は120~200Kmと記されていた。
ところが、現在市販されているリチウムイオン電池採用の新型ニッサンリーフにおいては、フル充電からの走行距離が400kmとなっているので、ここ数年間の急激な性能向上が伺える。
今年の夏は猛暑となるそうだ。夏は冷房を掛けながら走るが、お盆の帰省ラッシュで渋滞に巻き込まれると走行距離400kmと言っても、そんなには走ることが出来ないだろう。更なる性能向上が必須である。
なお、電池は使うほど性能が劣化する。初代リーフの発売から7年経っており、日産は65万円かかる新品交換を再生電池の活用で30万円で済ます新サービスを5月から始めると先日26日に発表した。デジカメや携帯電話に使用されるリチウムイオン電池も劣化が激しく、2~4年で交換する必要性を感じていたので、リーフの場合意外に長持ちすると感ずるが、それでも高価であるだけに早急な改善が望まれる。
先のロードマップには充電時間に関する記述は見当たらないが、リーフでは急速充電時間は40分となっている。夜間自宅で充電出来る環境下では問題ないが、旅行の途中での充電となると大問題だ。今年2月の大雪の日、豪雪による車の渋滞に伴うガス欠車が話題になったが、電気自動車の場合はどうなるか懸念される。今後充電時間の短縮も重要課題だ。
車両価格は大量生産するようになれば量産効果により急激に下がる。充電設備も車が増え需要が増せば当然増える。また、これらは政策により促進することも出来るが、走行距離の増大、充電時間の短縮等の技術的な問題であり政策だけでは如何ともし難い。
電池技術の進歩はかつての予想を上回るスピードで進展しているとはいえ、ガソリン車を超えるためには、様々な課題が残る。一方既存のリチウムイオン電池(LIB)の安全面・技術面・価格面での限界も見えてきたようだ。”必要は発明の母である”、現在主流のLIBの数倍~10倍超の容量を持つポストLIBの有力候補も続々名乗りを挙げている。
早稲田大学理工学術院応用物理化学研究室は、リチウム蓄電池材料としての新しいシリコン負極材料を開発したそうだ。従来の電極は充放電による膨張・収縮により壊れやすい欠点があったが、シリコン負極材料の採用により大幅な回数の充放電が可能となったそうだ。これによりLIBの容量・出力の大幅な向上が期待できるとのことだ。
トヨタ自動車と東京工業大学の研究グループは電解液を使わない全固体電池の性能を向上させることに成功したとのことだ。リチウムイオンの伝導率を従来の2倍に高めて、充電・放電時間を3分の1以下に短縮できるそうだ。これが実現されれば、充電時間40分は十数分に短縮されそうであるが、ガソリン車に比べてまだ長い。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と京都大学、産業技術総合研究所などの研究グループは、金属リチウム二次電池をはじめとする新コンセプトの二次電池であるリザーバ型蓄電池の研究成果を発表した。現行のリチウムイオン電池の約5倍となるエネルギー密度が達成可能で、2030年ごろの実用化を目指しているそうだ。
以上の他にも性能向上のための工夫は、日本ばかりでなく、世界中で様々に行われていると思うが、その目標達成の目途が立ってきたのであろうか、次世代自動車は電気自動車であると世界の企業は一斉に走り始めている。2018.03.31(犬賀 大好-429)
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