●ある友人が最近の買物体験談を聞かせてくれた。
普段はネットで買っているお気に入りのサプリメントを切らしてしまったことに気づいた。「しまった」と思いつつも、今ネットで注文しても一日か二日かかる。たしか、少し離れた場所にあるドラッグストアでそのサプリを見かけたことがあるので、歩いて買いに行くことにした。
だが、行ってみたら、その店でも品切れしていた。
ここまで歩いて来たのに・・・、疲れが二倍に感じた。
●「ありがちな話だね」と私。だが彼は憤まんやるかたないようで、こう息巻いた。
「ネットで品切れしていたら代用品を見つけるか入荷を待てばよいけど、わざわざお店まで買物に出向いて品切れしていたら時間的、体力的ダメージは大きいじゃないですか。でしょ、だからこれから買物は『ネットファースト』にすると決めました」と友人。
●彼に言われなくても私はすでにそうしている。そもそも通勤ほど無駄なものはないと昔から思っている僕にとって、徒労ほどむなしいものはない。その分の時間やれることはある。
買い物は最たるものである。
PC関係や家電と言えば以前であれば迷わずビックカメラかドンキ、の売場で相談しながら注文していたはず。
しかし今の私は迷わずAmazonだ。取りつけ工事も頼みたかったので結局ビックカメラオンラインにしたが、リアル店舗に出向くという発想は一度も思い浮かばなかった。
●これがDX(デジタルトランスフォーメーション)だ。
ひとたびデジタルやオンラインの魅力を知った人は、リアルに戻ることはない。
というより時代が変わったことに便利さの恩恵と、価格の適正化、「現金を触らない」。
企業も個人もデジタルにシフトせよ、という潮流はコロナ禍において加速した。
なるべく出向くこと、動くことはやめてオンラインで解決したいと思う人が増えるはずだ。
おまけに高齢化が進むこの国、交通費も無駄にできない安い年金社会の到来にコロナはきっかけとして
・出張はなくなる。
・通勤の近距離化
・仕事のオンライン・AI化
・怪我の減少
・価格競争の適正化
・大型本社機能の分散化・小型化
・郵便物の劇的減少
・印刷物の減少
・肥満の増加
・接待の減少
・休日の増加
・長期バカンス制導入・それに伴う工事などの集中化
●これは一過性のトレンドではない。オンラインセミナーの魅力を知ってしまった主催者や参加者は、リアルに戻ることがあったとしても限定的だ。テレワークで好決算をだした会社は、コロナ収束後もテレワークを続けるだろう。
会議も長引くことがない、感染もらう会議も減る、無駄なビジネスランチやゴマすり飲み会も減る。
●「ネットファースト」と言っていた友人もほんの数年前までは絶対ネット通販なんて信用できないと言っていた。個人情報を知らない相手に教えたり、クレジットカードをネットで使うなんてあり得ないとまで言っていた。
その彼がたった数年で「リアル店舗なんてあり得ない」に宗資ヨえをする。それがDXの本質だ。
●「うちの業界はデジタル化・オンライン化はしない」と思っている業界ほど変化は早く訪れる。
そうしないともう若者はその業界には来ない。古い企業・産業になる。
トム・ピーターズのこんな言葉を思い出そう。
『自分で自分を時代遅れにしなければ、誰かにそうされるだけだ』
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