岡山県議会議員 森脇ひさき

2023年の岡山県議選で5期目当選させていただきました。
「命と暮らし、環境が最優先」の県政へがんばります。

効果のない高架化事業は中止を

2014-06-19 | 県政に関する活動
 倉敷駅付近連続立体交差事業について、県がJR西日本に委託してコスト削減策を検討した結果、最大約61億円(立体交差事業費の約1割)のコスト削減が可能であることが明らかとなりました。しかし、コストを減らそうとすれば事業が縮小され、事業効果はさらに小さくなることも判明しました。

 倉敷市議会で日本共産党の末田議員が作成したパネル(2005年に県・倉敷市が作成したパンフレットに、今年4月に県議会土木委員会に報告された資料の内容を書き込んだもの)を使って質問しました。





 上が平面図、下が縦断図です。伯備線については3つの案が出されていますので、工事費縮減額が最大となる検討案(連続立体交差する範囲が(仮称)駅北2号線まで)について示しました。また、水島臨海鉄道については、今後の検討に委ねられるとのことですが、今回は山陽本線と並走していることからこれにならっています。
 縦断図(下)、青色の線で示してあるのが縮減案から想定される縦断です。駅北2号線から現計画と同様の勾配で記入してあります。

 倉敷市はこれまで、連続立体交差の最大の効果は「9箇所の踏切除却や都市計画道路6路線を含めた24の路線の道路との立体交差を一挙に行うことで、南北中心市街地を一体化できる。その結果、都市交通の円滑化及び回遊性の向上が図られ、都市防災機能も格段に高まる」と言っていました。ところが、このたびの検討の結果、「仮に工事費縮減額が最大となる検討案を採用した場合、9箇所の踏切撤去は一挙に行うことは出来ない。撤去できる踏切は3箇所に留まり、2箇所は踏切として残る。さらに4箇所の踏切地点は通行困難となる」ことが明らかになったのです。土木部長もこのことを認めました。
 
 以前の投稿にも書きましたが、昨年、県が算出した事業の費用対効果は「0.85」(「1」を超えれば効果あり)でした。そこでコストを縮減して便益をあげようと検討したのですが、結果は上記の通り。コスト縮減には事業の縮小がともなうためです。
 事業規模を縮小しない場合のコスト縮減策として、線路の配線の集約化や施工方法の変更について検討されましたが、前者は10億円程度の縮減であり、後者は縮減額が試算されませんでした(コストが増大する可能性もあり)。

 結局、そのまま施工しようとすれば、費用対効果「0.85」でムダ遣いとの批判はまぬがれません。最大のコスト縮減を期待して事業規模を縮小すれば、踏切除去どころか通行すらできなくなってしまうのです。
 質問では「この検討だけでも1200万円使っています。検討のためにさらにムダ遣いし、いたずらに長引かせることは倉敷駅周辺の街づくりにとってもマイナス。ただちに中止を決断するよう」求めましたが、知事は「あらゆる方策について多角的に検討する。県の対応方針について申し上げる段階ではない」との答弁でした。

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