岡山県議会議員 森脇ひさき

2023年の岡山県議選で5期目当選させていただきました。
「命と暮らし、環境が最優先」の県政へがんばります。

沖縄での勉強会 1. オスプレイ問題で「建白書」の意味

2014-07-12 | 憲法・平和を守るとりくみ
2013年、沖縄県内全市町村長による建白書がもつ意味について、琉球大学・名誉教授の比屋根照夫先生が講演しました。

そもそも建白書というのは、明治10年代、自由民権運動のなかで、藩幕政府に対して民選議会の設立を求めて提出された文書でした。これは近代では、国民主義・立憲主義の原点と言えるもので、明治憲法体制とは異にする国家構想ーー人民主義・立憲政治論を基礎とする国家ビジョンを提起するものだった、つまり建白の精神とは、権力の意思に抗う精神だと先生は指摘しました。
沖縄県の13年建白書は、まさにそういう精神にもとづいており、現在の日本政府がめざす安保体制の国家構想に対して、沖縄県民のなかに脈々とある自由民権思想を反映したものだと述べました。

そのうえで先生は、なぜ沖縄でこのような思想が生きているのか…唯一地上戦が起こった地であり、米軍基地に苦しまされ続けている地である、沖縄県の歴史を振り返りました。



沖縄戦では、20余万人が亡くなりました。広島・長崎では、原爆で一瞬に20万余人の命が奪われました。人類始まって以来のことであり、衝撃的事件でもあり、世界の人々はこれを忘れることなく、核廃絶・平和への原点とされています。
沖縄戦では、3ヶ月余にわたり、一人ひとりが次々に殺されていった。敵に殺されただけでなく、日本兵によっても殺され、集団自決に追い込まれ、・・・この世の地獄と化しました。これらはも忘れ去られるべきではないと、先生は強調されました。
戦後は、アメリカ占領軍による基地のための「銃剣とブルドーザーによる」土地略奪、土地収用令、プライス勧告・・・これに対する反論=沖縄軍用基地問題 四原則貫徹実践本部による「プライス勧告とその反論」は、戦後の建白第1号と言えると評価しました。
たたかいと並行して、幼女暴行殺人事件、ジェット機墜落事件、が発生。また、ベトナム戦争に際し、沖縄の米軍基地が最重要基地とされました。沖縄の復帰をめぐっては、琉球政府として「復帰措置に関する建議書」を作成。これを第2の建白と評価しました。
そこでは、県民生活のあらゆる分野にわたって政策提起をおこなうとともに、「基地の島としてではなく、基地のない平和な島としての復帰を」、自衛隊を含め、「戦争につながる一切のものを否定」すること、「沖縄県民は・・・県民おの福祉を最優先に考える基本原則に立って、地方自治の確率、反戦平和の理念をつらぬく、基本的人権の確立、県民本位の経済開発等を骨組とする新生沖縄を」と訴えていたことを紹介されました。
この想いは70年経過した今日でも実現されていません。それどころか、負担の軽減と称し、新基地をごり押しする、危険なオスプレイをも押し付ける、こんな不条理は許せないという県民の怒りは頂点に達し、沖縄復帰時の理念を実現するというその後も続く県民のの想いともあいまって、13年の建白書につながっていると述べました。

これぞ憲法にもとづくオール沖縄の県民運動と感動しました。




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