岡山県はこのほど、「『岡山県環境影響評価等に関する条例施行規則」を改正し、メガソーラーを環境影響評価(環境アセス)の対象から除外する」と発表しました。「施行規則」の改正のため、議会での議決は不要です。
メガソーラーを環境アセスの対象から除外する理由として県は、①国の環境影響評価法ではメガソーラーは対象になっていない ②国は環境影響評価法施行令を改正し、風力発電を追加した(2011年)が、メガソーラーは対象にしなかった ③岡山県条例では、アセスの対象事業所に工場立地法の事業所を引用しており、そこに電気供給業が含まれるためアセスの対象となるが、国が工場立地法の施行令を改正し(6月)、メガソーラーを規制の対象から除外した ④メガソーラーの操業において排ガス、排水、騒音等による影響は生じない ⑤メガソーラーの早期導入拡大をはかる ことをあげています。
このことによって、次のような問題が浮上してきました。
このほど瀬戸内市が所有する錦海塩田跡地約500㌶(写真:東京ディズニーランドの約10倍:甲子園球場グラウンド部分の約340倍ですって)のうち、約400㌶に太陽光パネルを敷き詰める計画がすすんでいることです。瀬戸内市がプロポーザル方式ですすめていたメガソーラー事業の選定結果がこのほど発表され、明らかになりました。
この場所は、環境省による「日本の重要湿地500」(全国500ヶ所、岡山県内には5ヶ所)に指定されています。これは、ラムサール条約第7回締約国会議の「登録湿地の倍増をめざす決議」を受けて「保全地域の指定に向けた検討をおこなうとともに、保全上の配慮の必要性と普及啓発をすすめる」地域という指定です。
またこの地は、塩性湿地で、新種とみられるミズギワカメムシ類、海岸砂浜に由来する甲虫類、昆虫類が生息し、「このような湿地が残されていることは、学術上重要」(環境省)とされています。アッケシ草の自生、絶滅危惧種の猛禽類チュウヒの繁殖も確認されており、渡り鳥の宿営地としても重要な場所です。
このような場所に、しかも敷地の5分の4を太陽光パネルで覆ってしまったらどうなるでしょう。確かに、操業による排ガス、排水、騒音等の影響は大きくないかもしれません。しかし、太陽光の反射による周辺の温度変化の一方で、パネルの下は光が遮られることによって温度が低下し、湿度が上昇することは明らかです。動植物の生存に大きな影響を及ぼします。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が作成した「大規模太陽光発電システム導入の手引書」には次のように書かれています。「大規模太陽光発電システムの設置には多くの面積が必要となるため、その設置にあたり環境への影響は無視できないが、日本ではまだ設置例も少なく、環境にどういった影響があるかについてはまだ確認されていない部分も多い。そのため、事前に環境に与える影響等を確認しておく必要がある」です。
太陽光発電は、原発とは比べものにならない、環境にも人体にも良い自然エネルギーの利用ですが、野生動植物の生存という既存の環境を壊すことは、人間のエゴと言わなければなりません。環境アセスを省略することは将来大きな禍根を残すことになるのではないでしょうか。
メガソーラーを環境アセスの対象から除外する理由として県は、①国の環境影響評価法ではメガソーラーは対象になっていない ②国は環境影響評価法施行令を改正し、風力発電を追加した(2011年)が、メガソーラーは対象にしなかった ③岡山県条例では、アセスの対象事業所に工場立地法の事業所を引用しており、そこに電気供給業が含まれるためアセスの対象となるが、国が工場立地法の施行令を改正し(6月)、メガソーラーを規制の対象から除外した ④メガソーラーの操業において排ガス、排水、騒音等による影響は生じない ⑤メガソーラーの早期導入拡大をはかる ことをあげています。
このことによって、次のような問題が浮上してきました。
このほど瀬戸内市が所有する錦海塩田跡地約500㌶(写真:東京ディズニーランドの約10倍:甲子園球場グラウンド部分の約340倍ですって)のうち、約400㌶に太陽光パネルを敷き詰める計画がすすんでいることです。瀬戸内市がプロポーザル方式ですすめていたメガソーラー事業の選定結果がこのほど発表され、明らかになりました。
この場所は、環境省による「日本の重要湿地500」(全国500ヶ所、岡山県内には5ヶ所)に指定されています。これは、ラムサール条約第7回締約国会議の「登録湿地の倍増をめざす決議」を受けて「保全地域の指定に向けた検討をおこなうとともに、保全上の配慮の必要性と普及啓発をすすめる」地域という指定です。
またこの地は、塩性湿地で、新種とみられるミズギワカメムシ類、海岸砂浜に由来する甲虫類、昆虫類が生息し、「このような湿地が残されていることは、学術上重要」(環境省)とされています。アッケシ草の自生、絶滅危惧種の猛禽類チュウヒの繁殖も確認されており、渡り鳥の宿営地としても重要な場所です。
このような場所に、しかも敷地の5分の4を太陽光パネルで覆ってしまったらどうなるでしょう。確かに、操業による排ガス、排水、騒音等の影響は大きくないかもしれません。しかし、太陽光の反射による周辺の温度変化の一方で、パネルの下は光が遮られることによって温度が低下し、湿度が上昇することは明らかです。動植物の生存に大きな影響を及ぼします。
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が作成した「大規模太陽光発電システム導入の手引書」には次のように書かれています。「大規模太陽光発電システムの設置には多くの面積が必要となるため、その設置にあたり環境への影響は無視できないが、日本ではまだ設置例も少なく、環境にどういった影響があるかについてはまだ確認されていない部分も多い。そのため、事前に環境に与える影響等を確認しておく必要がある」です。
太陽光発電は、原発とは比べものにならない、環境にも人体にも良い自然エネルギーの利用ですが、野生動植物の生存という既存の環境を壊すことは、人間のエゴと言わなければなりません。環境アセスを省略することは将来大きな禍根を残すことになるのではないでしょうか。