来年3月にエギナを演じるというザハロワのロンドン公演でのキトリに関するM特派員からの寄稿です。写真もスポットライトが印象的ですね。
ボリショイ ロンドン公演(at London Coliseum)
11 Aug 2007 夜公演
「Don Quihote」アレクセイ・ファジェーチェフ改訂版
キトリ:スヴェトラーナ・ザハロワ
バジル:デニス・マトヴィエンコ
ストリート・ダンサー:アナスターシア・ヤッツェンコ
エスパーダ:アルチョム・シピレフスキー
ザハロワのキトリは日本でもよく観ることができるので、それほど新鮮味がなかったが、やっぱり彼女がステージに立つと宝石のように輝き、他のバレリーナとは一際異なるオーラがある。舞台を優しく華やかな雰囲気にしてくれる。
今回の公演ではドンキを務めるどのペアーも競い合うように他のペアーと差をつけようとしていて、まるで競技ダンスを見ているよう。演出を細かく変えている。
ザハロワは明るく眩しいほどの笑顔を自然とキトリ役で出せるようになったと思う。細くて長身なので一幕での跳ね回る踊りでは、以前はキレが無く動きがしなやか過ぎると思ったが、ボリショイの中で優秀な若手ダンサーが育ってきているので、彼女もかなり自分の不得意部分を克服したと思う。この日は早いテンポのバネを要される踊りもキビキビと弾けて踊っていた。
カスタネットやタンバリンもマトヴィエンコと共に用いていた。2幕目の酒場の場面でもキトリがタンバリンを持ってきている演出は珍しいと思った。そのまま飛び込みもしていたが、ザハロワはあまり飛び込む距離を出さないので、どよめきは起こらなかった。この幕でザハロワが着ているのは黒に黄色の配色で、珍しい豪華な衣装。
マトヴィエンコも全幕ともかなりアドリブを入れ、ひときわ長く派手なピルエットを何度も見せてくれた。ただ、ジャンプではこちらも、ワシリーエフ君のように観客からどよめきが起こらない。一幕の一本リフトはさすが、一度でグラつくことなく2回ともキメて、一際長く静止させていた。
移動しながらのリフトでも、ザハロワを持ち上げてから両手を離し、かなり高く放り投げていた。
自殺を演ずる場面では、仰向けではなくうつ伏せに倒れ、バジルを揺さぶるキトリによって初めて仰向けになるという、あまり見ない演出。また、これはザハロワの意向だと思うのだが(別のパートナーも彼女と組む時は同じようにするので)、胸を触るのは無しで、キトリにとられた左手に、右手も合わせるという演技。
グランパも見ごたえがえった。若いペアーとはまた違った落ち着きがあった。
グラン・フェッテでは、「シングル&シングル&シングル&ダブル」の連続でザハロワは踊った。また、マトヴィエンコの床に穴をあけそうなほどの超高速回転でも観衆は盛り上がった。
オーケストラとの息もあっていて、全幕ともどのポーズでも音が外れなかったのはさすがベテラン組み。
忘れてならないのは毎晩グランパの1stヴァリエーションを務めるクリサノワと2ndVaのニクリナ(コバヒーゼと交互の出番)。その正確なダンスで、毎回大きな拍手をもらっていた。小さな役にも優れたダンサーを揃えられるボリショイ。
また、ジプシー役のマルハシャンツには毎回脱帽・・・ 他に類を見ない希少ダンサー。
イギリスのメディアの取り上げ方のせいか、この日は客席の2階と3階に空きがかなりあった。ボリショイのクイーンとも言えるザハロワの日に空きが出るようになってしまったか・・・と、非常に残念!
I do not know how you make to take so beautiful photos, but every time, they are made a success, and Sveta shines!
ボリショイじゃ信じられないですよね、管理人様。
超びっくりです。
Thanks for your comment. This picture is taken at London by Japanese reader of this blog.
ひめさん
ですよね。どうしちゃったんでしょうね。