先に、勤め先の書店で児童書の担当をしていると皆さんにお便りを書きましたが、店長の指示を無視して、いろいろ自分の好きな本を注文してましたらば、ある日突然担当を外されてしまいました。(いや、多分ほんとの理由は他にあるんでしょうが…) 職場で絵本の読み聞かせやってみたくて、図書館で読み聞かせの講習を受け始めていたところだったので、ちょっとショックだったです。やっぱりお仕事は甘くないですね。新しく担当になった人の仕事を、未練タラタラの目で見つつ、どこが悪かったのかしらと模索する日々です。
今はレジ担当で、仕事中ほとんどレジに立ってます。まあ、お客さんと本の話をしたりすることは嫌いではないのですが、やはりどこか物足りなくて、ヒマでボーっとしてるときなんかは、ため息を深々とついたりしています。
担当を外れることを言い渡された日の帰り道、バイクで走りながら、涙が出てしょうがありませんでした。パートのおばちゃんは仕事に夢見てはいけないのかなぁ…。絵本の読み聞かせをやれば、きっと人が集まって活気づいてくる。そしたら本も売れるし…。自分なりに考えてたんですが、甘かったです。
そんな夜には、とてもシンボリックな夢を見てしまうもの。それは妊娠していた子供を流産してしまう夢でした。突然破水して水がとまらなくなり、子供が流れ出てしまう。目を覚ましても、私の中を通り抜けていった小さなかたまりの感触が、生々しく残っていたほどでした。しかもその子供は人間の子供ではなく、白い鳥のヒナだったのです。とても冷たくて、小さくて…、目を閉じて、死んでいました。
考えてもしょうがないことですね。どんな仕事にも壁や試練はつきもの。要はそこをどう工夫して楽しく切り抜けるかです。何かに挑戦して、少しずつでも自分が成長していくのを感じるのは楽しいですから。今はだからレジでできることを一生懸命にやるだけです。少しでもいい気持ちで買い物をしてもらえるように、お客様にはいい言葉と笑顔で接していこうと思います。
でも、いつかまた、児童書の担当やってみたい。生きることは壁ばっかりだけど、あきらめずにまた、何度も何度も夢みていこうと思います。夢みてさえいれば、また新しいヒナが、私のおなかに宿るから…。
(2002年11月ちこり26号、編集後記)