風に吹かれ落ちていく
金色の栴檀の実よ
われはおまえたちすべてを愛す
ゆえに地に落とす
絶望に引き裂かれた声をあげ
いつまでも泣いているのではない
己の中にひとつ星のごとき
核ありと気付いたものは
たちあがりゆく道を目指せ
何をすればよいか
どこにゆけばよいか
すべてはおまえが知っている
千万の栴檀の実の
全てが芽生えることはできぬ
芽生えても伸びることはできぬ
しかし絶望を越えて
熱いおのれを叫ぶ者には
己自身の中から行く道が伸びるだろう
それこそが創造というものである
風に吹かれ落ちていく
金色の栴檀の実よ
われはおまえたちすべてを愛す
ゆえに地に落とす
愚か者の暗夜をくぐりぬけ
月満ちた胎児のごとく
光に向かいのぼれ
そうすればあらゆる美が
すでにおまえの中にあったことに
おまえは気づくだろう
絶望を目指し絶望を破れ
栴檀の実よ
あらゆる艱難をくぐり抜けてゆくために
今こそ生まれ出でよ