頭の中にある理論や、胸に受けた感動を、言葉で的確に表現できたら、とてもうれしいものですね。例えば、すばらしい音楽を聴いた時、胸の中ではもう心が小躍りしていて、感動でうれしくてたまらないのに、それをどう表現していいかわからないのは、とてももどかしいものです。そんな時には、やはりそれなりの語彙や表現のテクニックを持っていると、感動を人に伝えやすくなります。
「もうね、すごかったのよ。どう言っていいかわからないくらい」では、今一つ伝わらないかもしれませんが、「やさしいピッコロのメロディが、風に舞う木の葉みたいに心の中を踊っていくの」と書くと、ちょっと気取ってるけど、聞いた人には幾分イメージが伝わりやすいと思います。
(1999年11月ちこり17号、ノベルレッスン)
※ノベルレッスンはちこり初期にかのじょがやっていた創作教室のようなもの。