厚生労働省が主催となり、補助犬の同伴マニュアル作りの検討会が行われました。
今回で、2回目で、厚生労働大臣指定法人とユーザーの会の代表が委員となって、意見を交わしました。『全日本聴導犬ユーザーの会』岸本会長も同席し、聴導犬ユーザーの中でも「ろう者」の立場ででコミュニケーション障がいによる聴導犬同伴の困難さを訴えました。
残念なのは、同伴マニュアルが検討会前に、すでに「医療関係の場」用と決まっていたことです。すでに、超党派議員の会で、テーマは決まっていたそうです。
「医療という衛生面が一番問われる」場所から、ドアを開けてもらえれば、他の場所についても、同伴しやすいのではないか、というものでした。
ここで、『全日本聴導犬ユーザーの会』の岸本会長からのメッセージを紹介しましょう。
「
「医療」も「生活」も同じ程度に大事です。
マニュアル創りの他にも、改善すべきことがあるはずです。
『全日本聴導犬ユーザーの会』会長 岸本宗也
身体障害者補助犬のための検討委員会を開いてくださいますこと、本当にありがとうございます。
『全日本聴導犬ユーザーの会』の会長として、御礼を申し上げます。
厚生労働省より、医療の場での同伴拒否についてアンケートをいただきました。
『全日本聴導犬ユーザーの会』の会員たちにも、同伴拒否例を聞きましたが、医療現場での同伴拒否例はほとんどなく、それよりも生活するための同伴拒否が数多く上がりました。
あるユーザーでは、飲食店で1日に6ヵ所もの同伴拒否がありました。以前、神戸でイベントを行った際には、やはり1日で5ヶ所の同伴拒否があったこともあります。様々な犬種を用いる聴導犬だからか、なおさら、同伴についての理解を得られないのが現状です。
聴導犬が「同伴できない」ということは、行動が妨げられるということです。生きていくための選択が阻まれるということです。「医療」と「生活」どちらも生きていく上で、同じ程度に大事なのです。ぜひ、マニュアル作りのために、再度、スタート時点からの見直しをいただきたいと考えております。
また、マニュアル作りの重要性、緊急性も理解しております。しかし、ユーザーにとっては育成団体がしっかりと運営できないと、困るのです。アフターケアの点や、訓練の指導を受ける点など、ユーザーにとっては育成団体が頼りです。聴導犬、介助犬の育成団体は、盲導犬協会と異なり、まだまだ運営費が足りない状況です。私が理事をしている(福)日本聴導犬協会を見ても、国からの補助金もなく、スタッフは低い賃金で昼夜を問わずに仕事をしているのが聴導犬の育成団体です。
ぜひ、マニュアル作りの検討会だけでなく、育成団体を生かし、多くの優秀な身体障害者補助犬が生み出されるような育成団体向けの支援への検討もお願いたします」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます