石川県の某製菓メーカーより製菓機に取り付けられている専用刷毛の再生(毛の植え替え)依頼がありました。
上部のパイプから送り込まれる卵液が刷毛に浸透し、刷毛の下を流れる製品に自動的に卵液が塗られていくしくみのようです。
使用により少しづつ毛が磨耗し、卵液を塗布しずらく成ってきたので、毛の交換を出来ないかということでした。
製菓メーカーの専務によると、「アルミケースの中に毛が入っていて両端の4本のねじで固定されているだけだと思う。卵液はアルミケースに植え込まれた毛の根元から浸透し、製品に塗布される。」との事でした。まずは現物を送ってもらって、試作に取り掛かることにしました。
使用毛材は従来品より丈夫で毛切れしにくい素材を使用することに決定。次に毛の固定方法の確立。ただアルミケースに入れねじで固定するだけで抜け毛は大丈夫か?多分一本抜け出したら雪崩の如く抜け 毛が始まり収拾が付かなくなるであろう。そこで、根元をエポキシ樹脂で固めることにしました。しかし、ここで問題なのが根元を固めてしまったので卵液が根元から浸透できなくなってしまったことです。試行錯誤の末、この問題点も難なくクリアー。
< before> <after>
完成した製菓刷毛を送り返し、生産ラインで使用してもらったところ、抜け毛、切れ毛、含みにおいて及第点を頂き、現在使用中の刷毛の再生を順次行っていくこととなりました。
初めてのトライでしたが、巧くいって満足でした。
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