うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

マルエーフェリーの災難

2009年11月13日 23時29分12秒 | えぞ日記(北海道編)・・その他
↑今回横転事故を起こしたフェリーの僚船「あけぼの」

今日の早朝、東京から志布志へ向かい熊野灘を航行していた、マルエーフェリーの「ありあけ」が大波(三角波?)を受けて荷崩れを起こして右舷に大きく傾き、乗客乗員全員が救助される事故が起きました。

マルエーフェリーといえば、つい先日に市橋容疑者が大阪南港で確保された件で、警察に通報して手柄をたてた会社です。
今週は不意にこのフェリー会社がクローズアップされましたが、まさかその直後にこんな災難に遭うとは・・。

マルエーフェリーは、数年前までは大島運輸という社名でした。奄美大島の大島が社名に入っているように、奄美を中心に、沖縄や本土とを結ぶフェリー会社です。

私も、二ヶ月前に車を沖縄から鹿児島に航送した際にこの会社のフェリーを利用しましたし、以前には乗船したこともあります。

今回事故を起こした「ありあけ」は、船好きには有名な船で、東京から沖縄までを四日もかけて結ぶ日本最長航路の船です。
これに始発から終着まで乗るのは、よほどの飛行機嫌いか船好きかという代物です。
実際、今日救出された乗客は僅か七名でした。
閑散期に乗ると、沖縄到着までの間に乗客同士が家族のような仲になるそうです。

そんな「ありあけ」ですが、バランスを崩した後も陸に向かって航行し続けた(流された?)結果、三重県御浜町の沖で座礁し、ほぼ完全に横倒しになっています。
ニュースの映像では、煙突から煙が出ていましたから、まだエンジンが動いていたと思われますが、容赦無く波が煙突に被っていました。

意外に船が横転する事例は珍しくなく、何年か前にも北米に向かっていた自動車運搬船が突然バランスを崩して横倒しになり、数ヶ月間タンクへの注水を続けてやっと正常な状態に戻ったような例もありましたし、他にもアメリカで豪華客船が急に傾き、乗客がパニックになった例などもあります。
特に「ありあけ」は貨物重視で重心の高い船型ですから、荷崩れの影響が大きくなったのでしょう。

積み荷が偏った状態から船を正常な状態に戻すのは至難の技でしょうが、貴重な日本最長航路の船が、なんとか再び航海に出られるよう祈るばかりです。

実験三昧

2009年11月13日 01時17分52秒 | えぞ日記(北海道編)・・その他
今週はやたら実験三昧な日々を送っていて、非常に多忙です。

先週から、ついに我が研究が始動したのですが、その研究の前任者の方が十二月で北大を離れてしまうので、それまでに結果を出さねばならないため、急ピッチで実験を行うことになったのです。

さらに、今週は学生実験の予備実験も加わり、先週までの暇な状態から一転してハードな日々を送っているわけです。

北大では原則的に大学院修士一年生が学生実験のティーチングアシスタントをするので、事前に予備実験を行って手順を確認するのですが、私はまだ北大に入ったばかりなのでアシスタントはしません。しかし、研究作業に必要な技術(遺伝子組換え、蛋白質発現、各種解析作業等)を経験するため、私も予備実験に参加しているのです。

大体、分子生物学の学生実験と言えば、PCRと電気泳動の組み合わせで、せいぜい三日くらいのものですが、北大の学生実験(今回は三年次向け)はかなり充実しており、一週間以上かけて遺伝子組換えから、蛋白質を大腸菌に発現させて回収するところまで自らの手で行います。他所の大学なら、下手したらこれだけで卒業論文が書けてしまうような内容です。
それだけに、実験の手順は複雑で、理解するのも大変なのです。(実験テキストが五十頁以上あります)

琉球大学での学部時代は、ひたすらパソコンに向かい続ける研究で、いつかはこのような実験を体験してみたいと思っていたので、とても嬉しいのですが、やはり正直キツい面もあります。

ただ、この実験三昧のおかけで、日に日に実験室が身近になり、機材の操作法も徐々に身についてきていますから、確実に将来の自分の為にはなっていますね。

今後、ドライとウェットの両刀使いになるために、引き続き頑張ろうと思います。