うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

とんでもない本を手に入れてしまった・・!

2011年02月02日 00時18分03秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
長らく更新が滞ってしまい、まことに申し訳ないです。
私は心身ともにいたって元気ですが、ついついYouTubeやら某巨大掲示板やらの魔力にやられて更新する時間がなくなってしまいました。
さすがにサボり過ぎかと思いますので、今日から通常運行に戻るつもりです。
(夏休みと冬休みの帰省の話が全く手つかずなので、今後しばらくは時系列が前後する更新状況になりそう・・。)

さてさて、とりあえず本格復旧第一段として、今回は先日私が手に入れた、とある本について書くことにします。

この1月末から、北大附属図書館の北分館では本館との重複本を中心に数千冊の図書の無料贈与を行っています。私も、期間の初日に早速北図書館に赴き、科学雑誌「ニュートン」の創刊号や近未来予測に関する号を頂いてきました。そして初日だけでは全ての贈与図書を確認することはできなかったので、今週月曜日にも再度北図書館に行って洋書の本棚を物色していたら、凄い本を見つけてしまいました。あまりに凄い本だったので、本当に譲渡してもらえるのか心配しましたが、通常通り申請したら難なく手に入れることができました。

で、その本がこちら↓

ぱっと見、古いアルバムのような印象の本です。
しかし、この本の背を見てみると・・、


何やら洋書っぽい題名とともに、「1881」という数字が書かれています。
そう、なんとこの本、今から130年前の1881年(明治14年)にドイツで発行された本なのです。


こちらがこの本の標題紙です。
「ZEITSCHRIFT DES VEREINES DEUTSCHER INGENIEURE.」、日本語で言えば、「ドイツ工業会誌」みたいなものだと思います。中身は工学系の論文誌となっています。
この本が出た当時のドイツは西洋の科学技術の中心地であり、この論文誌も当時はかなりメジャーだったことでしょう。
1881年のドイツといえば、皇帝ヴィルヘルム1世の下でビスマルク首相が大活躍していた帝国時代真っ盛りの頃です。そんな時代の本が、130年後の日本の一都市の学生の手元にあるとは、とても感慨深いです。



1881年当時の北大は、まだ札幌農学校の時代ですが、書票や図書印は「北海道帝国大学」となっています。
図書印によれば1924年6月24日に北海道帝国大学附属図書館で図書登録されたようですが、既存の農学校(又は東北帝国大学農科大学)時代からの蔵書を改めて登録したのか、実際にこの年に北大に来た本なのかは分かりません。


手掛かりになりそうな栞らしき物も本に挟まっていましたが、ドイツ語かつ字体が凝っているため、事情はよく分かりません。
(郵便関係のことが書かれているように見えます)


途中のページには、何やら鉛筆の落書きが書かれていて、末尾には1882年と記されています。仮にこれが当時の落書きだとすると、これを書いた人は、よもや130年後の日本で落書きが読まれる(そしてブログにアップされる)とは夢にも思わなかったことでしょうね。






論文集の中身を読んでみると、ワープロもパソコンもない時代なのに、整然とした文章と綺麗な挿絵が並んでいて驚きます。
橋梁の構造や蒸気機関車の技術などは特に挿絵が凝っているので、眺めるだけでも面白いです。

いやはや、こんな本を無料で譲渡してくれるとは、本当に歴史ある大学なんだなぁと実感した今日この頃です。
これは家宝レベルだと思います。




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2 コメント

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Unknown (まつおだよ)
2011-02-02 15:59:40
1881年なのにすごいな!!大学のふとっぱらさもすごい
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ホント太っ腹・・ (もとすけ)
2011-02-03 00:05:03
130年前の代物なのに、綺麗に保存されていたことも驚きですわ。
我が「月刊エアライン」など、僅か13年前のものでさえセロハンテープで補強だらけなのに。

調べてみたら、この本、市場では結構な価値があるらしい。
これだけ良い状態のものを無料で貰えたのは、本当にラッキーでした。
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