人間賛歌・もっちゃん4649

母の愛に

やはり深刻な別れの時が近いのかもしれません。

ためしに夕飯を持っていって、今までのように「美味しいからゆっくりとどうぞ~♪」と置いてみました。
「お風呂に入ってきますからね~」

今日は入浴介助があったので、母はたっぷりとゆっくりと時間をかけて夕飯を楽しめます。
時々覗いてソ~っとみるのですが、椅子にかけている後姿は見えます。

9時前になり、「そろそろ休みましょうか~」と行って見ると、全く手付かずのままになっていました。

夜中にお腹がすいたら食べられるように、小さなクリームパンを机に載せて麦茶とともに置いてきたのです。

朝6時に目を覚まして母は静かに椅子に掛けてパンをかじっているところでした。

昨日は朝昼と無理にねじ込むような形で私が食べさせてあげたので、食事を抜いたのは夕食だけでしたが、いよいよ食べることを忘れてきたのかと思いました。

お化粧の好きな母が洗面を忘れ、大事なものは何一つ思い出せなくなり、食べることもどうでも良くなっていくのだなあと母の姿からあれこれと思っていました。

「スイカを食べますか~?」と10時のおやつにいうと、頷いて起き上がろうとします。

持っていったときはまた休んでいました。

庭の緑が母の寝顔に映えて、顔色が青白く見えたときにはドキッとしてしまいました。

唇や掌には赤みがありますから安心できましたが、昨日から本当に神経質になってしまいました。

いよいよ最後の介護の段階を迎えたように感じます。

でも、大きなお通じが二つポータブルにあったので、このときばかりはうれしさで母に、
「よかったね~立派なお通じができて~!」と声をかけて肩をたたいてあげたのですよ~

こんなことが喜びのタネになるとは思いもしていませんでしたからね~
吾ながら驚きですが~

スプーンですくって口に運ぶと、大きな口を開けて食べもぐもぐと噛んでいます。

母も乳児の時に母親のお乳を無心に飲ませてもらい、離乳期では今と同じように食べさせてもらって大きくなったのだね~と見せてもらった感じがしました。

そして私たち4人を同じように慈しみ育て上げてくれたのです。
こんな思いを感じられただけでも深いご恩返しが出来ていると思われました。

まだまだ山よりも高く海よりも深い親の愛の万分の一にも届いていませんから、しっかり尽くしきりたいものだと心を燃やしています

もう充分に恩返しは果たせているよとお許しが出たとき、私の勤めは終わるのです

それまでは前を向いてしっかりと口に運んであげて、体をさすり汗疹をふせぎ、床擦れにならないように気をつけて、母の愛に応えたいと心から願っています。

体は疲れるけど気持ちは勇んでいますから、しっかりと勤めに精進いたしますね~

あなたもお元気でね~

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