人間賛歌・もっちゃん4649

お墓参り (追憶の日々)


お父さん 主人の父親が亡くなったのは 33年前でした


教職を終え 好きな飛鳥大仏の彫刻にとりくみ 地元の推薦で市会議員となり

池の周りに桜を植え 今では桜の時分になると花見客でにぎわっていますが・・・


30年という年月は すっかり見事な大木に苗木を変えてしまいました


お父さん 年月は流れても 変わっていないものが一つあります

それは お墓参りを毎週日曜日にすると決めた主人の事です


雨が降っていても 線香なしで 花とお水を持ってお参りします

きれいに川砂に掃き目をつけて 墓石をタワシで磨き タオルで拭き上げ

それはそれは真心を込めたお墓参りです


長期の出張の時は 代わりに頼むと 必ず家族に託して出かけていきます


「ああ、す~っとした!」ときれいに掃き清め 線香の立ち上る中でお参りがすんだ後

彼の口から決まって出る言葉は お墓参りですべてのストレスを解消していると

思われる言葉です


彼が病気を背負っていることは こんな形ですべてを先祖に委ね

「良いようにお取り計らい下さい。」と 心を空にして解消しているのでしょう


父が元気な間は お墓参りをする姿は 彼岸とお盆くらいで あとは一度もなかったのです


父が亡くなって6年後に 最悪の危機が彼を襲いました


土蔵の建て替えをすることになり 中庭を広くしたいから10メートルほど

畑に食い込むように建築計画を立てました


花の植え替えが必要となり 雪柳の株をスコップで掘り起こしてもらいました

とたんに彼の顔から 血の気が引いていきました

土気色になり 唇は紫です


びっくりして慌てて 主治医の先生に診てもらいました

採血をした先生の顔が曇ります


繊細な気配りの出来るA型人間の彼は「あっ!これはあかんな。」と悟り

三輪の明神様に走りました


大和には八百万の神様がいます


「生き霊が付いている!
会社の女の人でいつも心配で見守ってくれている執念のものだ。

体力が弱っているから、入院はできない。
二度と帰ってこられない所に旅立つから~」と言われて 除霊してもらいました


火曜日のことでした


採血の結果は金曜日に出るから来るようにと 主治医に言われていたのですが

彼は神のお告げを選びました


主治医の先生から 日曜日の朝10時くらいに電話を頂きました

遅い朝食を主人と二人 台所で摂っている時でした

「奥さんですか?
ご主人の採血の結果が出ているのですが・・・
肝臓癌の末期ですわあ~

造血作用も停止だし・・・」


私は足の感覚もなくなり 真っ白になりながら 必死で

「主人が横にいますので代わりますね」といって 受話器を渡しました


声が漏れて 聞こえているはずです

「先生、癌でっか?」

「いや、ちがうがな!

のんびりしておられんから、紹介状を書いたげるから、明日医大へ行きなさい。」

と いう声が聞こえました


主人の背中の右が腫れて 盛り上がっています

確かに最悪だと 私は悟りました


月曜日に 私も付いていく事にしました

即入院となるはずです


私が運転して彼を乗せていきました

いつもは私の運転を軽蔑して 信用がなく 乗ってくれたことがない彼でしたが

この日は神妙でした


紹介状を示すと 主治医は医大の元医長だった威力で 即ベットを空けるとなります


「先生、入院しないやり方でお願いしますわ」と主人


「どこの会社や~?休めない会社って!

あんた、駅の階段とかきついやろ、のぼんのが・・」


「今 会社の主計の閉めと予算があって、どうしても抜けられないのです」


「そんなこと言うても、しんどいのはあんたやろ?」


「たおれたら救急車で運んでもらってきますから」


そんな遣り取りが続きます

息子は13、10、7歳でした


先日の三輪の明神様のご託宣を 信じているのだと私は思ったので

「三人の息子たちに父親の弱いところを見せたくないので

こう言っているのだと思います。

自業自得ですし、本人の気の済むようにしてやって下さい。」と私も頼みました


癌の末期だと 主治医の電話で聞いているので 気のすむようにと思ったのです


「火曜日の輸血だけは受けに来て あとは飲み薬で!」と 決まりました


飲み薬はもらっても すべて入り口のごみ箱に投げ込み 捨ててきました


徐々に体調が良くなっているのが 自覚できるようです

除霊のおかげと彼は信じています


不思議に火曜日の血球数の検査で どんどん値が正常に近づいているのです


担当医もひとまず安心


一月過ぎると「赤の薬は何個飲んでたか?」と聞かれ

「さあ、3つでしたか、4つでしたか、忘れましたわ。

なんでですか?」と 聞くと

「副作用が胃に出てくる頃なんで、その対策で薬を増やす必要があるのでな」という答え


まさに薬づけの構図です


赤血球の数はぐんぐん増えています


正常値に近づくのに半年かかりましたが ちょうど80年当初でしたから

確たる証拠はありませんが 輸血からC型肝炎に主人はなってしまいました


9年前に はっきりと告げられました

泣きっ面に蜂

踏んだり蹴ったり


命を見守る毎日を 長年続け 健気に心を倒さずにがんばっている人に

なおも追い討ちをかけるのですか~?


血友病の治療で エイズ患者が増えたのも この時期の輸血からでした


それからは年に3回肝臓の検査があり C型肝炎との闘いが加わったのでした


1年半前に 珍しく主人から電話がかかり

「肝炎が消えたぞ~~!うれしい知らせをお前に聞かせてやろうと思って~!!」

と 弾む声を聞かせてもらえました


彼の気力の勝ち!!


いいえ 彼が30年間毎週続けているお墓参りのおかげだと

彼の横で見ていた私には思われるのですが・・・


きっとそうですよね!
お父さん。


阿蘇のカルデラの雲海です






PS

置手紙のことづて欄が不具合中ですので、

コメントの設定を開始したいと思います。


皆様のお声を楽しみにお待ちしています(*^_^*)





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コメント一覧

もっちゃん
思い出話にたくさん花が
http://blog.goo.ne.jp/mottyann4649
goさん、おはようございます!^^

保守的で頑固な性格の私ですから、眉唾な話は信用できないのですが、奈良に嫁いでの38年の体験は不思議なこと尽くめでした。

ブログを更新する追憶の日々は、前向きで生きたい私なのに 限りなく次々とこんなことが確かにあったと 懐かしく新鮮に蘇ってきて、嬉しい時間を過ごせてます。

全てが今につながる道中でしたから、平穏な気持ちで喜びを語れることは幸せだという結論になっています。

ほんとに信じられない話だと思われそうですが、古い大和の八百万の神はトイレにもお札を貼って崇めている暮らしでした。

不思議な世界の中にどっぷりと浸かっていたのでした。

goさんと出会えたのも数少ない貴重な良き理解者を 不思議な巡りあわせで引き合わせていただけたのだと思います。

今でこそ白状しますが、母の弟が大阪に住んでいましたが、goさんのプロフィールの雰囲気にそっくりで、いつも叔父を思い浮かべていました。

母を大事に思う優しい弟で、最高の姉弟愛を
見せてもらっていました。

娘の名前も忘れてしまった時でも。宅急便が
届くと、箱を撫でてとても愛おしそうに弟からの贈り物だと喜ぶ母でした。


クリスマスの夜の満月は、昨日の友のブログで知ったのですが、38年ぶりの清澄なお月さまだったそうです。

偶然外の明るさに気付いてサッシを開けて、前山から昇ってきたお月様を 私はしばし母とお月見をしていたなあと懐かしさに見入っていたのでした。

昨日のお喋りの内容をここで紹介しました。


今日はお餅つきを妹さん宅でなさるのですね~(^^)v

きっと思い出話にたくさん花が咲くことでしょう!

私は美容院の予約日で、お喋りを愉しんでまいりますね(^^♪

良い一日をお過ごしくださいませ~(@^^)/~~~

ありがとう!!


go51525
こんばんは
http://blog.goo.ne.jp/go51525ken
今夜は妹の家で食事会でした~

松山の妹と娘がやってきて、4人での食事!月に1~2度、お寿司を食べに行ったり焼肉に行ったり、私の家で料理を振る舞ったり、妹の家で御呼ばれしたりしています。

明日は朝から妹の所で餅つきをします。昨年も私が帰ってきてから一緒に餅つき!
私は普通のお餅よりも、うるち米の入った、此方ではお福と呼ばれているお餅が大好き!
奈良ではあまり見かけませんでしたが、此方では私の子供の頃から食べていました。
母が元気な時には送ってくれていましたよ~

毎週のお墓詣り、中々出来ることではありません!
私は奈良に居た頃には年に1回しかお墓参りはできませでしたが、こちらに帰って来てからは月に一度はお参りしています。

10月には土が減っているようなので、80㎏の
真砂土を入れました。
大切にしていたお墓なので私が引き継がなくてはとおもっていますよ~車で10分くらいな所ですから、散歩がてらに行けますしね~

私は弟を肝臓がんで亡くしています。
弟の時のみ医者から言われた余命は当たりましたが、父や母の時は、もっちゃんのご主人と同じように奇跡?が起こり、90歳を超えて長生きをしました。

こう言う話は信じない人が多いと思いますが私自身数多くの奇跡的な体験をしてきましたのですんなりと受け入れられますよ~!
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