今日も天候が悪く、外での作業は止めた。
カブ旅の準備も殆ど終えて、後は何時出発しても良いと言う所まできた。
最初にカブに乗ったのは高校を卒業して、函館ドックの電気設計に配属されてから間もない時だった。
給与は1万3千8百円だった。
間もなくスーパーカブのポンコツを購入した。
何と1万9千円だった。
1ヶ月分の給与より高かった。
バイクに興味を持ったのは高校時代だった。
仲間がバイクの免許を取ることになった。
そこに数人が一緒に取ることになった。
当時は試験を受けるバイクは持ち込みだった。
仲間がスーパーカブの55ccのバイクを借りる事が出来るのも試験を受けようと言う気にさせた。
当時の試験コースは砂利道だった。
ウインカーは左手を挙げてどちらに曲がるか指示しなくてはならない。
多くのバイクは左手でクラッチレバーを握って、シフトをしなくてはならない。
左手は忙しい。
スーパーカブはシフトはオートマチックだった。
シフトレバーもない。
これは最高の試験用バイクだ。
受けた全員が実技に合格した。
所が学科試験があるのを知らないで、通知が来て初めて分かり、急遽勉強したが、全員落ちてしまった。
これは2回目で無事合格し免許を取ってもバイクは無い。
考えたのがアルバイト。
現在の函館中央病院の一角に矢島果物店があった。
病院に御見舞いに来る人が、果物を良く買っていた。
この店にはバイクが3台有った。
主人がバイク好きだった。
アルバイトは学校が終わった後の、夜のバイトが主だった。
スナックやバーに果物を配達に回った。
店で一番良い形の果物を配達する。
店では随分高く売られるが、毎日必ず売れていた。
バイクは貸与された。
いまは無いがIMBと言うバイクだった。
伊藤モーターバイスクルだった。
125ccの新車の実用車だった。
高校生で有りながら、高校へもバイクで通学した。
高校生でバイクで通う人に対して校内での規則も無かった。
ヘルメットも要らず学生帽子で良かった。
高校の先生も乗っている人は僅かだった。
若い体育の先生がホンダドリームのアップマフラーのバイクを買った。
メチャメチャ格好が良かった。
私も自分では格好良かったと思っている。
バイクでツーリングにも行った。
札幌に行く道は全て砂利道だった。
ダンプカーや長距離トラックに抜かれると、埃で黒い学生服はグレーになって行く。
それでも長距離ツーリングは超新鮮な出来事だった。
社会人になって最初はカブに乗ったが、やがて車に移行していった。
退職して自転車で日本一周した。
そして旅で世話になったお返しに、無料で泊まれる旅人宿「自遊旅」をオープンした。
自転車やバイクで来る他人が多い。
中でもバイクは圧倒的にカブが多かった。
自転車旅をずっと継続しているが、カブでの旅もずっと憧れで心に残っていた。
カブは欲しかったが中古は圧倒的に少ない。
新車を買えるだけの資金はない。
そんな思いで月日が流れてきたが、今年になって向に住んでいるNさんの息子さんが奥尻から函館に戻ってきた。
Nさんの家には車庫があった。
もう亡くなったNさんの旦那さんが使っていた。
そこに息子さんがバイクを持ち込んで整備していた。
話をして打ち解けた。
スーパーカブが欲しい事を言っておいた。
それだから数ヶ月して、車庫にはカブが入っていた。
聞いたら農家の倉庫にずっと寝ていた38年前のカブだった。
息子さんは整備をしていたので、修理は得意だ。
エンジンも動き、バッテリー、タイヤ、マフラーを新品に入れ替えた。
たまたま10万円の新型コロナウイルスの給付金があり、5万円で購入が出来て念願のカブが手に入った。
2018年11月に75才の誕生日を迎えた。
後期高齢者の仲間入りだ。
76才は昔の平均寿命年齢だ。
このまま過ごして悔いは無いのかと考え、ブログに分割日本一周をして旅人生を終えると言う事を書いた。
計画は西から、四国一周、九州一周、東北一周、そして最後に北海道一周だった。
四国は昨年1ヶ月で回った。
次は2021年の九州一周だったが、山陰は抜けてしまう。
そこで今年に山陰を入れた。
8月の大曲花火大会の後に、そのまま山陰に行こうとしたが、新型コロナウイルスの影響で、花火は中止となりコロナも収まらない。
ここに来て少し収まりの気配もあるし、山陰は発症も少ないし函館も少ない。
そこで最後の仕事「二股口台場バスツアー」をやって、翌日(天気次第)小樽から舞鶴までGOTOキャンペーンを使って行くことを決めた。
片道7000円は補助が出る。
往復1万4千円は貧乏旅人には大きい。
こんなチャンスはもう無いだろう。
年と共に気力も体力も落ちる。
普通にしていた旅が、これからは冒険旅になってくる。
喜寿で77才になる。
ラッキーセブンが2つも並ぶ。
今日は寒かった。
20度を切った様だ。
薪ストーブを炊く。
耐熱塗料から最初は煙が出る。
やはり暖かいな。