7月24日は真昼岳で花見をして来た。
このお山、高さは1059mと低山だが、気候や地形の影響もあり、山頂部や稜線には樹木が少なく、高山的な景観が広がる。
花も多く、中には他の山ではなかなか見られない珍しい種類もある。
真夏の時期にはかつて赤倉沢ルートから訪れ、南峰にある秘密の花園に魅了された(こちら参照)が、
今回は峰越ルートから稜線を伝って歩いてみた。こちらも噂には聞いていたが、花が多かった。
なおこの日、早朝の真昼岳はやませ雲に包まれており、霧の中の山歩きから始まった。
途中で霧が晴れ、景色が見えるようになったが、今度は (´π`;)暑くて暑くてしょうがない。
花の写真は主に行きに撮り、風景は帰りに撮ったものばかりだが、織り交ぜて話を進めようと思う。
下山後、昼過ぎに下界から見た見た真昼連峰。
今回の非合法マップ
峰越林道は非舗装の悪路。早朝なので対向車の無いのがさいわいだった。
県境の登山口には平日なのに既に数台のクルマが。
峰越ルート登山口、7月24日、早朝の様子。
今回、驚いたのは、歩き出したらすぐ、いきなりステーキ、いやいきなり高山植物が咲いていた点だ。
最初のピーク・北ノ又岳に続く稜線は草原になっており、標高は900mを少し出た程度。
それなのにいきなりタカネナデシコやハクサンフウロ、タテヤマウツボグサ、タカネアオヤギソウなど
いずれも他の山では高山植物とされる草花が咲いていた。
北ノ又岳を望む(下山時、撮影)。
タカネナデシコ
ハクサンフウロ タテヤマウツボグサ。近隣の他の山に較べると花色が薄い。
他にはツリガネニンジン、ノギラン、タカネアオヤギソウなど。
北ノ又岳の登りに取りつくと、背の高い草の草原に変わった。
ここはヤマブキショウマやオニシモツケ、クロバナヒキオコシ、ヨツバヒヨドリ、
エゾアジサイ、コバイケイソウなどが多かった。
六月に来た時(こちら)はシラネアオイやサンカヨウが多かった場所だ。
ヤマブキショウマ、オニシモツケなど エゾアジサイ
エゾアジサイは山林に咲く花とのイメージだが、真昼岳では明るい草原や稜線にも進出していた。
クロバナヒキオコシ この急斜面を詰めると北ノ又岳山頂。
北ノ又岳山頂から先の稜線は樹林帯と花の多い草地が交互に現れる。
北ノ又岳山頂から少し先の稜線から音動岳、真昼岳の重なりを望む。真昼岳はまだ遠いなという感じ。
草地に咲く花は北ノ又岳への登りで見たものと基本的に同じだが、
心持ちクガイソウが多くなったような気分。
クガイソウの小群生
クガイソウとオオバギボウシ ミヤマトウキ(イワテトウキ)
他に分類が苦手なセリ科も増えて来た。
こちらは逃げてばかりいられないので、下山後、気合を入れて名前を調べてみた。
イブキゼリモドキ
クルマユリ シラネアオイ(実)
音動岳
音動岳の登りに差し掛かると、花の種類が少し変わって来る。
西側の急斜面にはお花畑が発達しているが、道も無いし、傾斜もきつくて近寄ることが出来ない。
音動岳西斜面のお花畑
イワオウギ
イワオウギはマメ科の高山植物で、北東北では少なく、ここと和賀山塊、焼石の南本内岳くらいか。
イブキトラノオはタデ科の高山植物で、やはり少なく、
ここと薬師平、太平山、白神岳くらいでしか見たことがない。
真昼岳は秋田駒や鳥海山で見られない高山植物が豊富のようだ。
イブキトラノオの残り花 トウゲブキ
このお花畑は後に出て来る南峰のお花畑と共通種が多かった。
ピンクはタカネナデシコ、黄色はマルバキンレイカ、白はノリウツギやミヤマトウキと推測した。
マルバキンレイカ キバナカワラマツバ
音動岳の南の稜線も花が多かった。ただし種類は北ノ又岳の前後と基本的に同じで地味な色合いだが、
トリアシショウマやヨツバヒヨドリ、キオンがより密生していた。
トリアシショウマ。バックは真昼岳。
ヨツバヒヨドリにキオンが混じる。
ツリガネニンジンやアキカラマツが混じる。 このラン科はオオヤマサギソウだろうか。
東側ガレ場のお花畑。トリアシショウマ、オニシモツケ、クガイソウ、オオバギボウシなどが優勢。
他にタテヤマウツボグサ、イワオウギ、ドクウツギなども混じり、とても種類が多かった。
樹林のあるところでは花の終わったオサバグサの葉っぱがまだ健在だった。
オサバグサの葉っぱ タマガワホトトギス
「後編」へ続く。
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