本記事は自ホームページの旧記事(2003年頃作成)をブログ用にリメイクしたものであるが、新たに後日談を書き加えている。
風雅舎の存在は1993年、BISES ビズ誌(当時の誌名は、私の部屋ビス)で知った。
当時の私は園芸づいて三年目くらい。自らのスタイルや方向性を模索している真っ最中で、
そういう時に出会ったBISES ビズ誌のインパクトは強烈だった。
それを機にRHSJ(英国王立園芸協会日本支部)に入会、英語を読めないのに洋書を取り寄せて勉強したり、
種子の海外通販にチャレンジしたりと、私のGライフの中では、最もワクワクo(^-^)oした時期だったと言える。
ところが、いざ向こうの植物を植えるとうまく育たん。
英国と日本では、気候はもちろん園芸を取り巻く文化や思想も大きく違うことに気付き、
挫折を感じ始めた時期でもあった。
それでもワーッと花の咲く「いんぐり庭」は素晴らしい。そのスタイルを基調としつつも、
日本いや秋田の気候や風土に合った庭を作ってみたい。
出来たら、(`◇´)これが私の庭だーっ!と言えるようなものを作り上げたい。
風雅舎がビス誌で連載していた「花の庭を作ってみよう」の記事は、
そういった私に多くのヒントを与えてくれる数少ない情報源だった。
早いものであれから十年もの歳月が経った。
今回(2003年6月28,29日)、兵庫県の庭どころ花どころを当時のガーデン友、
安西さんやMさん夫妻と一緒に廻る機会を得たが、そのトリ、6月29日の午後に立ち寄ったのが風雅舎だった。
「花の庭を作ってみよう」 風雅舎入口のビロウドモウズイカ
加地一雅 郁代・著、婦人生活社・刊
ここでは入口にビロモウの犠杖兵が立っていた。
この珍妙な帰化植物は北国特有のものだと思っていたのだが、今回の旅行では、西国でも頻回に見かけた。
スモークツリーは入園者の頭にかぶさるようにピンクの煙を放出していた。
植花夢や伊予田邸にも立派なものがあったが、こちらで代表させて頂く。
庭園に入ると、最初に出迎えたのは、ハルシャギク。
ワイルドな草姿が心地よい。
メインガーデンにはユーフォルビアの大株が。
これは Euphorbia characias でいいのかな。バックのモデルはMさんの旦那。
シダレヤナギの下には小さな池があり、見慣れぬ水草が植わっていた。
ナイフのような形をした葉はミズカンナだ。
ミズカンナの繁み シラサギスゲ
ミズカンナ Thalia dealbata は米国原産。所属するクズウコン科は熱帯に分布の中心があり、
日本には自生していない。同科のカラテア Calathea は観葉植物として有名。
シラサギスゲ(シューティングスター)Rhynchospora colorata は中米原産。
カヤツリグサ科としては珍しく虫媒花と聞く。
芝生の縁に少し湿った一画があり、そこには白い鳥をイメージする草花があしらわれていた。
ハンゲショウ Saururus chinensis 。こちらは鶴か白鳥をイメージ。日本原産で、ドクダミ科。
この一画は「ブリリアント・ガーデン」と呼ぶのだそうだ。
どこかで聞いたことのあるような名前だが、それはさておき、白を基調としたシックなコーナーだ。
ベンチの陰にちょっと面白い植物を見つけた。
メリアンツス・マヨール Melianthus major (ミツバナ科)。
イングリづいたばかりの頃、洋書で見て、面白い植物だなと思った。
花はさておき葉の形や質感が気になる。南アフリカ原産で寒さに弱いらしく、秋田では無理だろうと諦めていた。
通販等でも見かけたことは無い。今回、ここで初めて遭遇した。
メリアンツス・マヨール。葉に触るとピーナッツのような香りがした。
ワイルドオーツの大株。 細道の入口に立つビロモウ犠杖兵
ワイルドオーツ Chasmanthium latifolium(流通名:宿根コバンソウ)は私もすぐ自庭に導入した
(2020年時点でまだ残っている)。
ワイルドオーツの繁みを過ぎると、陰ぐりの世界(ウッドランド)に入って行く。
青黒い葉のセージ。上の黒っぽい葉はフォレストパンジー。
下草は主に羊歯や日本の野草などが使われていた。
薄暗い林の中に、スポットライトが当たったように明るい葉の植物を見つけた。
キンミズヒキ属 Agrimonia の黄金葉品種かな(あとで私も導入)。
ウッドランドの中でもひと休み出来る。 黄金葉のキンミズヒキ
コンテナもさり気なく。
青葉のHostaと燻し銀のHeuchera
風雅舎のガーデンは植花夢のように広大ではなかった。
外から見ると、あれっ (´π`;)と思うくらいコンパクトなのだ。
しかしいざ中に入ると、これがけっこう広く感じる。庭を広く見せる工夫や遊びが随所にあった。
当初、私は(`◇´)ドバーッと花の洪水的ボーダーガーデンをイメージしていたのだが、それは間違いだった。
「花の庭を作ってみよう」から既に十年、経っている。ここには成熟した大人のガーデンがあった。
植花夢と同様、ここも園芸ショップが併設されている。
ガーデン入口から売店内を望む。
トケイソウの花
と言うより、こちらはショップの方がガーデンよりも広かった。
植花夢や山本地区ショップ同様、秋田では売ってない珍しい種類がいっぱい。
ねえ(*^o^*)買って!の誘惑を振り払うのにどれほど難儀したことか。
上右の紫葉の植物(低木?)はうっかり名前をメモしそびれてしまった。
小さな白い実がついていた(シラタマミズキ・シベリアンパールだろうか)。
木で囲った池は初めて見た。
泡正しくも極めて充実した二日間だったが、残念だったことがふたつ。
ひとつはこれだけ数多の園芸店やナーセリーを廻ったのに、何一つポット苗を買うことが出来なかった点だ。
その理由は私自身、四国での幽閉?がまだ一ヶ月続くから。
仮に買ったとしても、どうやって秋田に送るのか。
送っても、植える場所は無いし、ひと月もビニポットのまま、家人がメンテできるものやら。
まあ私の烏賊心を刺激した植物の多くは安西さんやM夫妻が買ってくれたようなので、しかる後に・・・(´π`;)☆\バキ
もうひとつは風雅舎ではオーナーの加地さんに会えなかったこと。この日は不在だった。
後日談(1)
その年の10月、岩手のガーデン友達から、加地さんが岩手にいらっしゃって、講演を行うとの連絡が入った。
講演会場は盛岡市だったので、私も家内を連れて拝聴させて頂く。その後の懇親会にも参加させて頂き、
初めて面会が叶った。
講演の翌日、(2003年)10月19日、土樋ガーデン見学に同行させて頂く。
土樋ガーデンは何度も見ているが、
素人のお庭としては日本一、美しいお庭だ!。詳細は ⇒ こちら。
後日談(2)
それから14年。なんということかーっ。(つдi) 2018年1月、加地さんの訃報を知った。
関連のurlはこちら。
謹んでご冥福をお祈りするとともにいま一度、感謝申し上げたい。
以上。
土樋ガーデンが大好きで、ネットで見るだけでチャンスがあれば見たいですね。
白い庭は美しく、素晴らしい庭ですね。
以前、オープンやセミオープンにしていた時、
マナー違反のお客?さんが少数居られ、難渋されたそうです。
そのため、しばらくクローズドと聞いておりますが・・・。
私も花好きなのですが、今はベランダガーデンです
水や土の管理が難しいけれど、楽しんでやっています
ありがとうございました
またいつもリアクションありがとうございます。
私もガーデニングに嵌ったのは1990年代から2010年くらいまでの約25年間でした。
今は山登りが忙しく、必要最低限のメンテナンス(生き残った花たちのお世話)だけです。
が思い出話はときどきさせて頂きますので、よろしくお願い致します。
大きな揺れでしたが地震の被害はありませんでしたか。ピエロ
こちら(秋田)は震度4程度で何も被害はありませんが、
長い揺れでしたね。
被災された皆様にお見舞い申し上げます。