宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団のリハーサル見学会のためにモーツァルトについて調べてみました。同じ時代にどんなことがあったんだろうと、そういうことです。何となく古い人って感覚だけで、うまく歴史の風景とかみ合わないんですよね。
1756年生まれですから、生きていらっしゃったら、250歳をちょっと過ぎたところで、4回目の還暦ってところですか。さんじゅでも4回目かな。亡くなってから50年目にザルツブルクでモーツァルト音楽祭が開かれ、今のザルツブルク音楽祭につながっているので、200年くらいやっているんですね、あの音楽祭は。すごいなあ。もっとも、日本でも100年以上のおまつりはあるし、伊勢神宮の式年遷宮なんて1000年単位ですから。
それで、モーツァルトの頃の日本はっていうと、寛政の改革の頃です。地球規模で影響を与えたと言われ、北半球を凶作にしてフランス革命のきっかけになったとも言われる浅間山の大噴火とそれに続く東北の飢饉の、ちょうどそのあたりです。噴火で巻き上げられた火山灰が日差しを遮って寒くなったわけです。
アメリカでは独立宣言から独立戦争、フランスはフランス革命。
フランス革命から2年後だったかな、処刑されたルイ16世の王妃マリー・アントワネットに6歳のアマデウスが求婚したエピソードが残っているわけです。
イギリスでは、ワットの蒸気機関が発明され、水力発電もこの時代に生まれました。産業革命がいよいよ曙光を放ち始めたわけです。
そんな風に考えると、王家とかいう時代から近代へ移ろうとする時代だったことがよくわかりますね。諸侯が音楽家に曲を注文して自分たちのために演奏する、あるいは、パトロンとして庶民に聞かせる。そんな時代がいよいよ終わろうとしている感じです。時代の変わり目にこういう天才が現れるものなのでしょう。あるいは、天才が現れたゆえに時代が変わるのか。いずれにしても、時代の空気が天才を天才たらしめた感じはあります。
新しい楽器が生まれたり、次々に改良されたり。ピアノもそうです。チェンバロからフォルテピアノへと進む時間にアマデウスは好奇心満載のきらきらした目を輝かせてその響きから曲を描いていたでしょうね。
そんなことを考えていました。

あ、これじゃなかった。これはきてぃ・みゅーじっくるーむさんのピアノ。

これです、これ。練習中の稲生亜沙子さんです。今のピアノに比べると、ハンマーのストロークが半分くらいしかなかったので、あのアマデウスの軽妙さはそこから生まれたという人もあります。
アマデウスが、シンセサイザー知っていたらどんな曲を作っただろう。

ね、滝沢卓さん。あ、ちょっと似てるな。風の音楽家と勝手に呼んでいます。
中断していましたモーツァルト伝、近日中に再開します。イラスト入りで絵本仕立てにするつもりです。お楽しみに。