鬼怒

いやあ、今日のニュース。鬼怒川の氾濫には驚きましたね。あんなになるなんて……
特別警報なんて言われても、避難して下さいって言われても、今まで冠水したり流されそうになった経験のある人でなきゃ、どこに避難したらいいのか、何を持って逃げればいいのかさえ分からないのが実際じゃないでしょうか。
――こちらで特別警報が出た時も、市役所の広報車が拡声器で何か言ってる。くらいの感覚で、どこかに避難しなきゃ。なんて思いもしなかったもの。あんなになるなんて、誰が想像できます？

で、今回のニュースで気になったのは「鬼怒」という地名。何で気になったのかは、自分でも分かりませんが、何だか気になりませんか？
元々は衣川、絹川という名前だったそうだけど――それくらい穏やかな川だったということでしょうか……
明治になってから、新政府が勝手に鬼怒という当て字を付けちゃったそうです。
ということで、今回の災害の元凶は、すべて薩長の連中にある。という身も蓋もない逆恨みはしないでね……と鹿児島生まれのおじさんは思ったのでした。
まあ、自然の力の前では人間は無力。諸行無常、と昔の偉いお坊さんの言う通りですね。

テレビで救出する様子を見ていたのですが、屋根に犬を連れたお年寄りが……
あの犬はとうなるんだ？　と、気になって気になって……自衛隊がヘリに動物は載せられません。と言ったって、それはそれでしょうが無い、ことなんだけど、犬だけ残していったら、全国から非難轟々、なんて惨事を予想してしまいました。
――ちゃんと犬も人間と一緒に助けてもらっていたので、ホッとしました。
でも、まだ行方不明の方もいらっしゃるわけで……そうなると、犬なんかほっとけ。というご意見もあろうかと思いますが……個人的には犬が無事でよかった。と思っております。
人の犬なんだから、構うな。とお叱りを受けそうですが、あの屋根の上にボツンと犬だけが取り残されている様を想像すると……眠れそうにありません。