家にあったので手に取ってみた。そんな感じでたまに小説を読みたくなる。うちの両親が持ってくる小説は、いつも肩肘張らない、書店に平積みされているものをお薦め順に、というようなセレクトなので気軽に手に取れる。
出版不況の中で社内外の政争に翻弄される編集長が主人公。もとは新聞業界にいたわたしも身近なところだし、大泉洋を当て書きしたという人物も、ウイットの効いた会話が楽しい。
こういう切った張ったの世界から逃げてしまったのかな、自分はもう、などと意識しながら読んだ。汚くて不毛で、でも人の上に立ったり影響力を持ったりするには必要な社内のやりとり。
次にチャンスがあったら逃げずに向き合いたい気持ちもある、のかな。立ち回りは上手くないし馬鹿にしているところもあるけど、組織というものは嫌いじゃないし必要不可欠なものだと思ってもいる。
そんなことを考えました。知らなかったけど3月下旬からこの小説が映画になっているらしい。観に行けるタイミングはなさそうだけど、キャスティングは気になる。