■1月22日(日、318日目)
・東京web---『原発事故、最悪シナリオを封印 菅政権「なかったことに」』
『東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012101001950.html?ref=rank
・日経web---『日米、漂流がれき漂着予測を共有 除去でも連携』
『日米両政府は東日本大震災で海に流出し、漂流している大量のがれきの調査と処理を巡り、本格的な連携に乗り出す。京大と米ハワイ大がそれぞれスーパーコンピューターを駆使して予測した漂流がれきの情報を両国で共有。今後、1~5年後とされる米西海岸やハワイに漂着した際の除去でも、日本側が協力する枠組みを整える。
米政府は日本側に環境への影響に関して懸念を伝えてきており、日本政府は共同で対処する仕組みを整えることで懸念を払拭したい考えだ。
日本政府は既にがれきの漂流する方向や場所のシミュレーションを京大に委託。近く研究者らによる調査団を米国に派遣し、年度内に中間報告をまとめる。米側ではハワイ大が予測を進めており、日米の情報共有で予測の精度を上げる。日本側は今年度補正予算で調査関連の費用を一部手当て済みで、来年度以降も継続して調査を実施する。
米国に漂着したがれき除去への支援を巡っては、日本人のボランティアらが作業を担う場合の移動費用などへの助成を想定する。
環境省によると震災で太平洋に流れ出たがれきは推計約490万トンで、底に沈まないものが約130万トン。船舶や海洋生態系に悪影響を及ぼす可能性があるが、海洋漂流物の扱いには国際的な枠組みが存在しない。』
→東北3県のがれき推計量は、約2,260万トン(岩手県約440万トン、宮城県約1,590万トン、福島県約230万トン)であり、これは阪神・淡路大震災の1.6倍、全国の年間一般廃棄物総量の2分の1に相当する(東京新聞2011.6.25)。底に沈まないがれきが130万トンとは驚きだ。
■1月21日(土、317日目)
正に同感。東京新聞社説より。
・東京web---『SPEEDI 国民は守られなかった』
『SPEEDIの予測データが国内での公表より九日早く、米国に伝えられていた。原発の寿命を延ばしたり縮めたり。拙速に再稼働を認めたり。国民を守る気概が日本政府には欠けていないか。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は、原発などに緊急事態があった時、風向きや地形、放射性物質の発生量などから拡散状況を予測する。
運営は原子力安全技術センター。文部科学省の外郭団体だ。緊急時には経済産業省や原子力安全委員会などへ、速やかに情報が伝わる仕組みである。
被災者の安全を大きく左右するその重要情報が、国民にはすぐ知らされず、問題視されてきた。ところが、米軍にはいち早く提供されていたというから、国民は落胆した。怒った。いったい誰のための政府なのかと。
政府の事故調査・検証委員会の中間報告書によると、経産省原子力安全・保安院は「信頼性が低い」との注釈付きで震災発生翌日にSPEEDIのデータを官邸に上げたという。そのため官邸職員もそれを軽視して、当時の首相に伝えなかった。これが、そもそもの間違いだ。
福島第一原発事故では、放射性物質の放出量が把握できなかったため、本来の能力は発揮できなかったろう。しかし、シミュレーション、かなり正確な想定は可能である。後に公表のデータを見れば、現実に線量が高い地域と重なっているではないか。
福島第一原発に近い福島県浪江町請戸地区の被災者は、すぐに高台へ避難した。しばらくしてから、そこが線量の高い地域であることがわかった。「知っていたら行かなかった」と悔しがる。
必要な情報を速やかに可能な限り収集、分析し、国民の生命財産を守るのが官邸ではないか。
米国・米軍は、判断材料としてのデータを貪欲に集めていたのだろう。当事国の政府が軽視した情報さえも。これは放射能に対する恐れ方の違い、自国民の安全に対する意欲の違いである。
驚くべきことに、福島第一原発のデータを政府の監視システムに送り込む装置の非常用電源が、事故の四カ月前から取り外されたままになっていた。そのデータはSPEEDIに伝わっていなかった。問題はシステムではなく、それを運用する人にある。あなた方は何を守るべきなのか。あらためて政府に問いかけたい。』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012012102000033.html
■1月20日(金、316日目)
・東京web---『福島第一2号機 格納容器内を初撮影』
『東京電力は十九日、福島第一原発2号機の格納容器の貫通部から工業用内視鏡を内部に入れ、その画像を公開した。廃炉に向け、原発の状況を正確に把握するための重要な一歩。事故後に格納容器内を撮影したのは1~3号機で初めて。
映像は放射線の影響でノイズが多く鮮明ではなかったが、写っている範囲では、配管や格納容器の内壁に大きな損傷はないとしている。
格納容器の底から四・五メートルの位置まで内視鏡を下ろしたが、水面は確認されなかった。炉心に注入した水は、これより低い位置で建屋地下に流れ出ていることが確認された。
先端に取りつけられた温度計で内部の温度も測定し、四四・七度で、近くの温度計との誤差は二度程度だった。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「温度計の温度との誤差がさほどなかったと確認できたのは大きな成果」と強調。
ただ、冷却水から立ち上る湯気や、画像を乱すほどの放射線の様子に、松本氏は「格納容器内部はまだ厳しい状態だということも確認できた」と話した。
東京電力が公開した福島第一原発2号機の原子炉格納容器内部の画像は、大量の放射線による斑点や水蒸気のため不鮮明なものが多く、焦点となっている溶け落ちた燃料の状態は不明のまま。今後の事故処理の難しさをうかがわせるものだ。
公開された画像は七枚で、約三十分間の映像から抜き出した。
宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)は「この画像だけでは格納容器や原子炉圧力容器の損傷は見受けられない。圧力容器や格納容器の底部付近は、壊れていたり、溶けた燃料がたまっていたりする可能性があり、そこを見る必要がある」と話す。ただ「格納容器の底に燃料がたまっていれば放射線量が高く、近くから内視鏡を挿入するのは危険で、相当の工夫が必要だ」と指摘した。
東電は「今日の撮影は最初の一歩。燃料にたどり着くには新たな技術開発が必要で時間がかかる」としている。
(東京新聞)』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012090070715.html
→やっと内部にカメラが入った(オリンパス製なのが面白い)。だが水位の確認や配管の損傷などは確認できないレベルのようだ。廃炉作業の第一歩というが本当に長い道のりだ。写真に映る放射線のノイズが生々しい。
・時事通信---『東電に賠償指示の意向=新築マンション汚染問題で―経産相』
『枝野幸男経済産業相は20日、福島県二本松市の新築マンションで高い放射線量が検出された問題で、被害者に対する損害賠償の実施を東京電力に指示する意向を明らかにした。同市の三保恵一市長と省内で会談し、住民の移転費用や関係者の損害に対する補償を市長から要請されたのに応えた。』
→当然だろう。何故東電が関係ない風でいるのか理解できない。
■1月19日(木、315日目)
・毎日jp---『セシウム:まきストーブの灰から4万ベクレル検出 二本松 2012年1月19日 19時41分 更新:1月20日 0時27分』
『環境省は19日、福島県二本松市の民家で使用されたまきストーブの灰から1キロ当たり最大4万3780ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。同省は、除染の重点調査地域のある東北・関東8県の市町村に対し、まきストーブの灰は庭や畑にまかずに一般廃棄物として回収、処理するよう通知した。
まきはクリやケヤキで、東京電力福島第1原発事故前から屋外に置かれており、放射性セシウムは事故由来とみられる。
調査は昨年11月に二本松市の依頼を受けた日本原子力研究開発機構と東電が実施した。
その結果、樹皮が付いたままの燃やす前のまきからは、放射性セシウムが国の指標の29~110倍の1キロ当たり1157~4395ベクレル、まきストーブで燃やした灰から同2万8660~4万3780ベクレル検出された。
また、排煙の放射性セシウム濃度について環境省は「健康への影響は無視できるレベル」としている。
焼却灰の放射性セシウム濃度が同8000ベクレルを超えた場合、市町村は「指定廃棄物」として国の負担による処分を申請できる。【藤野基文】』
http://mainichi.jp/select/today/news/20120120k0000m040050000c.html
→何度も書くが、即座に汚染状況を公表し、汚染地域の物資には一切手をつけるな、移動させるなと強く警告していれば、このような問題を避けられたのではないか。砕石の問題、稲藁の問題、腐葉土の問題にしてもしかり。こういう責任についてマスコミはもっと検証報道をして欲しいものだ。被災者の『涙』の報道も必要かも知れないが『人の不幸は蜜の味』的な観点からの報道も少なくないのではないか。
・毎日jp---『福島第1原発:原子炉格納容器内 初の内視鏡調査』
『東京電力は19日、内視鏡(ファイバースコープ)を使い、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内の調査を始めた。炉心溶融(メルトダウン)が起きた格納容器内の様子や汚染水の量、温度などを調べるのが目的。事故を起こした原子炉で、格納容器内を直接調べるのは初めて。
東電によると、格納容器にケーブルを通す貫通部から工業用の内視鏡を入れ、内部の状態を調べているという。同原発の1~3号機は事故で核燃料が溶融して圧力容器の底から格納容器内に漏れ出しているとみられる。しかし、詳しい状況は今なお不明で、今後の廃炉に向けた作業や安定冷却を続けるための大きな課題となっていた。
東電は実施に向けて、2号機と同じタイプの5号機で訓練を重ねてきた。この作業での被ばく線量は3ミリシーベルトを見込んでいる。【奥山智己】』
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120119k0000e040172000c.html
・共同通信---『高濃度汚染水、千トン発見 福島原発の立て坑などで』
『東京電力は19日、福島第1原発2号機付近の立て坑など2カ所で、放射性物質を含む高濃度の汚染水計1100トンがたまっているのを見つけたと発表した。いずれも海への経路はコンクリートでふさがれており、海に流出する可能性は低いとしている。
東電によると、2カ所から採取した水は、容器の表面で毎時21~45マイクロシーベルトが計測された。立て坑の近くには、昨年4月に高濃度汚染水が流出し、現在もたまっている地下道があり、ここから流入した可能性があるという。
ほかに、別の2カ所の立て坑などでも、低濃度の汚染水が見つかった。』
→第一原発については政府の『収束』宣言が出されているのに、まだまだ不明な事象が発生すること事態、おかしなことだ。原子炉内部の状況も確認されていない。原子炉は『静止』しているだけで、制御可能な状態になっているといえるのだろうか。
■1月18日(水、314日目)
・読売online---『避難判断にSPEEDI使わず…安全委が改定案』
『原子力防災指針の改定を検討している内閣府原子力安全委員会の作業部会は18日、原発事故で住民の避難判断をする際、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」は信頼性が低いため使わず、実測した放射線量などをもとに判断するという見直し案をまとめた。
「スピーディの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難」というのが見解。「予測情報が提供されていれば、より適切な避難経路などを選ぶことができた」とする政府の東京電力福島第一原子力発電所事故調査・検証委員会の中間報告書(昨年12月)の指摘と対立するもので、議論を呼びそうだ。
現行の原子力防災指針では、「スピーディの情報や事故状況などを基に、50ミリ・シーベルト以上の被曝(ひばく)が予測される場合に、避難指示を出す」となっているが、実際の住民の避難指示には活用されず、批判されていた。 』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000416-yom-sci
→後になって公開されたSPEEDIの予測分布図は100%で無いにしろ殆どあっていたのではないか。なんか恣意的にSPEEDIを否定しようとしている印象を受ける。次の記事にあるようにSPEEDIの予測を米軍に提供しているのだ。「スピーディの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難」というのであれば米軍などにはとても提供できるものではないだろう。
・読売online---『放射性物質拡散予測、住民より先に米軍に提供』
『放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」で得られた東京電力福島第一原子力発電所事故での予測情報を、政府が事故直後の昨年3月14日に米軍に提供していたことがわかった。
福島県内の住民など一般に予測情報が公表されたのは、9日後の昨年3月23日だった。平野文部科学相が17日の閣議後記者会見で、明らかにした。
平野文科相によると、米軍が東日本大震災の被災者支援活動などを展開していたため、外務省から情報提供の要請があった。
これを受け、予測データを外務省を通じて米軍に提供した。平野文科相は「国民の皆さんに提供していなかったというご指摘については、真摯(しんし)に受け止めないといけない」と話した。 』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000398-yom-soci
■1月17日(火、313日目)
■1月16日(月、312日目)
・読売online---『汚染コンクリ、100社以上に出荷の疑い』
『福島県二本松市の新築マンションに放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていた問題で、原料になった同じ砕石が、県内の生コン会社2社を通じ、建設会社など100社以上にコンクリートとして出荷された疑いのあることが、経済産業省の聞き取り調査で分かった。
同省が出荷先の特定を進めている。
砕石は、富岡町の採掘会社が浪江町の阿武隈事業所の採石場で採ったもので、採掘会社の社長(50)は16日朝、郡山市内の事業所で記者会見し、生コン会社以外にも、建設会社など17社に出荷していたことを明らかにした。一部は、県内の農場やゴルフ場などで土木工事に使用されているという。昨年4月11日に計画的避難区域の設定が政府から発表された後も砕石の出荷を続けたことについて、社長は「放射能に関する知識がなく、正直『何で住んじゃいけないの』という程度の感覚だった」と釈明した。 』
→なんか採石業者に責任があるような報道が続いているが、責任を取るべきは、多分事故直後に汚染状況、その影響など解っていながら、何らその対策を公表しなかった東電、政府にあることは間違いない。福島産の米に放射能が検出されたときもそうだが、生産者に非があるような報道がなされている。事故直後に汚染状況とその危険性を公表していれば、稲藁の問題も、腐葉土の問題も、そしてこのような問題も相当回避できたのではないか。それからこういう報道がなされるとき、何故東電の責任者(下のものでもいいが)が同席して先ず、自分たちの責任を謝罪しないのか、その責任をマスコミが追求しないのか疑問が残る。
15日の夜のNHKスペシャルで放射能の影響の追跡報道をしていたが、群馬県の山間部にある湖や、福島から銚子沖に掛けての太平洋沿岸部で放射能濃度が原発の近くと同じくらいのホットスポットの存在が報告されている。汚染状況は我々が思う以上に深刻のようだ。政府も東電も汚染状況の調査と抜本的な除線処理対策を示すべきではないか。
■1月15日(日、311日目)
■1月14日(土、310日目)
・NHKNEWSweb---『民間の調査委 菅前首相ヒアリング』
『民間の有識者で作る、東京電力福島第一原子力発電所の調査委員会が、事故当時の政府の対応を検証するため、14日、菅前総理大臣からヒアリングを行いました。原発事故を巡っては、政府や国会の調査委員会も検証を進めていますが、菅前総理大臣がヒアリングを受けるのは今回が初めてです。
ヒアリングを行ったのは、科学技術振興機構前理事長の北澤宏一氏や、元検事総長の但木敬一氏など有識者6人が委員を務める、民間事故調=「福島原発事故独立検証委員会」です。ヒアリングは14日午後、都内で非公開で行われ、官邸内部の当時の状況などについて、ワーキンググループの弁護士や研究者らが、菅前総理大臣に直接ただしたということです。関係者によりますと、菅前総理大臣は「政治を含めいろんなレベルで、原発の“安全神話”にとらわれていたことは否定できないと思う。民間事故調をはじめ、さまざまな角度から調査してもらうのは意義のあることだ」などと述べたということです。原発事故を巡っては、政府や国会の調査委員会も検証を進めていますが、菅前総理大臣がヒアリングを受けるのは今回が初めてです。民間事故調は、このほか、枝野経済産業大臣、海江田元経済産業大臣、細野原発事故担当大臣ら、事故対応の中心を担った政治家や政府関係者からもヒアリングを実施しているということで、報告書は来月末に公表する方針です。政府の事故調査・検証委員会は、先月、中間報告を公表しましたが、政府の危機管理の本格的な検証は、ことし夏に公表される予定の最終報告まで先送りされており、民間事故調の報告書の内容が注目されます。民間事故調の委員長を務める北澤宏一氏は、「これまでのヒアリングで、政治家たちが組織上の問題や制度上の問題を感じながら危機対応に当たってきた様子が分かってきた。また同じようなことが繰り返されないよう、検証を進めたい」と話しています。
政府の事故調査・検証委員会の中間報告では、当時の閣僚からのヒアリングが進んでいないことから、事故直後の政府の判断や指示については詳しく検証されておらず、課題として残されています。民間事故調が重点を置いているのは、この点についての検証で、総理大臣官邸が関係機関や東京電力との間でどのように情報共有を行っていたのかを中心に、当時の閣僚らからヒアリングを行ってきたということです。報告書には、菅前総理大臣みずからが、震災の翌朝、ヘリコプターで福島第一原発に視察に向かった際の状況や、放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」のデータの公表が遅れた経緯、政府がどのような情報や判断に基づいて記者会見などで情報発信していたかについても盛り込まれる見通しです。』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120114/k10015270361000.html
■1月13日(金、309日目)
・東京web---『場所探し、暗礁に 千葉県のセシウム含む焼却灰保管』
『放射性セシウムを含むごみの焼却灰問題を受け、千葉県が乗り出した一時保管場所探しが、暗礁に乗り上げている。県は我孫子、印西両市にまたがる手賀沼終末処理場を関係自治体に打診したが、両市が反発。他の関係自治体も両市の立場を気遣い、県の提案を強力に後押しするわけにもいかないでいる。代替案もなく「この案で調整を続けていくしかない」(県担当課)というが、打開のめどは立たない。 (横山大輔)
県と両市のほか、柏、松戸、流山の関係五市は、昨年十二月二十二日と一月五日に、副市長クラスが集まり協議を実施。だが、我孫子、印西両市は提案を受け入れられないとの姿勢を鮮明にした。両市以外の三市は「早く決めたいが、我孫子と印西の立場を考えると発言しにくい」と頭を抱えている。
「総論賛成、各論反対になってしまっている」。ある関係者は両市の反発に戸惑いも見せる。そもそも県の提案は、東葛地域で通常の埋め立て基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル)を超えるごみ焼却灰が発生したことを受け、五市などが八月末に「市の手に負えない」と県に解決策を要望したことに始まった。
県が同処理場を選んだのは、放射性物質を含む汚泥がここでも発生しており、この保管を含めても敷地内に余裕があるからだった。
だが、提案が表面化した十二月、我孫子市議会は「すべての焼却灰の保管場所とすることは断固、拒否する」と全会一致で決議した。同市の焼却灰のセシウム値は現在、基準を下回っており、通常の埋め立てもできている。にもかかわらず、他の自治体からの灰を全部受け入れるのは納得がいかないというわけだ。
問題が長期化しそうなことを受け、柏市は再度、市内に保管場所の候補地がないか検討を始めた。五日には南部クリーンセンターが灰の保管場所がなくなったことから稼働を停止している。
市担当者は「前にも候補地は検討したが見つからなかった。とはいえ、できる努力はしたい」と焦りを隠さない。五日の協議では、再度、協議の場をつくることでは一致した。ただ、次回会合の日程は決められなかった。』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012011390103909.html
■1月12日(木、308日目)
・47news---『原発監視、ソフトの不具合が原因 昨年末の表示トラブル』
『全国の原発の運転データを監視する緊急時対策支援システム(ERSS)で昨年末、正常な情報が表示できなくなったトラブルで、システムを管理する原子力安全基盤機構は11日、データ処理のソフトウエアの不具合が原因と発表した。
機構は09年8月からシステムを連続して使っていたが、このソフトは連続使用するとデータ処理に必要なメモリーの領域が徐々に減るようになっていた。各地からデータは届いていたが、メモリー不足となって情報が表示できなくなったという』
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011101001743.html
→メモリリークなんてプログラム開発の基本の基本。一体どんなテストをやっているのか。多いに疑問が残る。公表されてないだけで、これまでにも同じ現象が出ていたのではないか。
・47news---『地下道に汚染水300トン 東電、調査で確認』
『東京電力は12日、福島第1原発3号機近くの電源ケーブルを引き込むための地下道で、放射性物質の濃度が比較的高い汚染水約300トンが新たに見つかったと発表した。1号機付近の地下道でも水たまりが見つかったが地下水に近い濃度で、量などを調べている。
東電は津波による海水や雨水、地下水がたまったとみているが、3号機付近の水たまりには放射性セシウムが1立方センチ当たり49~69ベクレル含まれていた。東電は「(建屋地下にたまった)高濃度汚染水が混ざった可能性もあり、流入経路を調べる」としている。
第1原発では昨年12月18日、高濃度汚染水をためている集中廃棄物処理施設に隣接する地下道で汚染水約220トンが見つかった。これを受け、東電は1~6号機周辺のほかの地下道にも水たまりがないか確認を進めているが、今月11日にも二つの地下道で水がたまっているのが見つかっている。』
http://www.47news.jp/47topics/e/224499.php
→原発事故は収束したはずなのに新たに300トンもの高濃度の汚染水が見つかるとは……。何が収束したのか!
■1月11日(水、307日目)
震災から10ヶ月、新年を迎えてから原発関連のニュースは少ない。ただ復興作業も遅々として進まない。
河北新報web---『南三陸町が高台移転用地を取得 楽天元副社長が購入寄付』
『東日本大震災で被災した宮城県南三陸町戸倉地区の高台移転用地として町が取得を目指したものの、町議会で議案が否決された同町戸倉のゴルフ場開発跡地106ヘクタールを、楽天元副社長の本城慎之介氏(39)が購入し、町に寄付していたことが10日、分かった。
土地登記によると2011年12月に、所有する東京の投資会社から本城氏が土地を購入、26日に南三陸町に寄付された。同月下旬に都内で佐藤仁町長と面会した本城氏が土地を寄付する意向を示し、町が受け入れた。
町では同跡地を高台移転の住宅用地のほか、土地利用計画案に学校や公民館など被災公共施設の建設用地を盛り込むなど戸倉地区の中心市街地再生の核になると見込んでおり、寄付により復興計画の加速が期待される。
本城氏はインターネット仮想商店街「楽天市場」の創設に関わった。震災後はボランティアで南三陸町を訪れたほか、11年8月に開かれた「子ども夢花火」の資金確保のため、打ち上げる花火を楽天市場の仮想店舗で購入してもらうアイデアなどを提案した。
河北新報社の取材に対し本城氏は「多くの知り合いができた南三陸町は特別な場所。一日も早く日常を取り戻してもらうには何かできないかと考え寄付した。復興のため町民で議論して有効に使ってほしい」と話した。
同跡地は町が11年8月、投資会社から9300万円で取得する議案を町議会に提出したが、用途などの説明が不十分だとして議会が反発、議案を撤回した。再提出された議案も10月の町議会で「契約の経緯があいまいだ」などとして否決された。』
→素晴らしいことだ。何もできない我々は頭が下がる思いだ。個人の善意に頼るしかない復興状況に大いに疑問を感じる。それこそ国が該当する地域を買い上げて
被災地に無償提供できないものなのか。様々な法律にがんじがらめにされているとはいえ、国や自治体首長の英断に期待したいものだ。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120111t15014.htm
■1月10日(火、306日目)
・東京web---『原発事故、最悪シナリオを封印 菅政権「なかったことに」』
『東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
民間の立場で事故を調べている福島原発事故独立検証委員会(委員長・北沢宏一前科学技術振興機構理事長)も、菅氏や当時の首相補佐官だった細野豪志原発事故担当相らの聞き取りを進め経緯を究明。』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012101001950.html?ref=rank
・日経web---『日米、漂流がれき漂着予測を共有 除去でも連携』
『日米両政府は東日本大震災で海に流出し、漂流している大量のがれきの調査と処理を巡り、本格的な連携に乗り出す。京大と米ハワイ大がそれぞれスーパーコンピューターを駆使して予測した漂流がれきの情報を両国で共有。今後、1~5年後とされる米西海岸やハワイに漂着した際の除去でも、日本側が協力する枠組みを整える。
米政府は日本側に環境への影響に関して懸念を伝えてきており、日本政府は共同で対処する仕組みを整えることで懸念を払拭したい考えだ。
日本政府は既にがれきの漂流する方向や場所のシミュレーションを京大に委託。近く研究者らによる調査団を米国に派遣し、年度内に中間報告をまとめる。米側ではハワイ大が予測を進めており、日米の情報共有で予測の精度を上げる。日本側は今年度補正予算で調査関連の費用を一部手当て済みで、来年度以降も継続して調査を実施する。
米国に漂着したがれき除去への支援を巡っては、日本人のボランティアらが作業を担う場合の移動費用などへの助成を想定する。
環境省によると震災で太平洋に流れ出たがれきは推計約490万トンで、底に沈まないものが約130万トン。船舶や海洋生態系に悪影響を及ぼす可能性があるが、海洋漂流物の扱いには国際的な枠組みが存在しない。』
→東北3県のがれき推計量は、約2,260万トン(岩手県約440万トン、宮城県約1,590万トン、福島県約230万トン)であり、これは阪神・淡路大震災の1.6倍、全国の年間一般廃棄物総量の2分の1に相当する(東京新聞2011.6.25)。底に沈まないがれきが130万トンとは驚きだ。
■1月21日(土、317日目)
正に同感。東京新聞社説より。
・東京web---『SPEEDI 国民は守られなかった』
『SPEEDIの予測データが国内での公表より九日早く、米国に伝えられていた。原発の寿命を延ばしたり縮めたり。拙速に再稼働を認めたり。国民を守る気概が日本政府には欠けていないか。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は、原発などに緊急事態があった時、風向きや地形、放射性物質の発生量などから拡散状況を予測する。
運営は原子力安全技術センター。文部科学省の外郭団体だ。緊急時には経済産業省や原子力安全委員会などへ、速やかに情報が伝わる仕組みである。
被災者の安全を大きく左右するその重要情報が、国民にはすぐ知らされず、問題視されてきた。ところが、米軍にはいち早く提供されていたというから、国民は落胆した。怒った。いったい誰のための政府なのかと。
政府の事故調査・検証委員会の中間報告書によると、経産省原子力安全・保安院は「信頼性が低い」との注釈付きで震災発生翌日にSPEEDIのデータを官邸に上げたという。そのため官邸職員もそれを軽視して、当時の首相に伝えなかった。これが、そもそもの間違いだ。
福島第一原発事故では、放射性物質の放出量が把握できなかったため、本来の能力は発揮できなかったろう。しかし、シミュレーション、かなり正確な想定は可能である。後に公表のデータを見れば、現実に線量が高い地域と重なっているではないか。
福島第一原発に近い福島県浪江町請戸地区の被災者は、すぐに高台へ避難した。しばらくしてから、そこが線量の高い地域であることがわかった。「知っていたら行かなかった」と悔しがる。
必要な情報を速やかに可能な限り収集、分析し、国民の生命財産を守るのが官邸ではないか。
米国・米軍は、判断材料としてのデータを貪欲に集めていたのだろう。当事国の政府が軽視した情報さえも。これは放射能に対する恐れ方の違い、自国民の安全に対する意欲の違いである。
驚くべきことに、福島第一原発のデータを政府の監視システムに送り込む装置の非常用電源が、事故の四カ月前から取り外されたままになっていた。そのデータはSPEEDIに伝わっていなかった。問題はシステムではなく、それを運用する人にある。あなた方は何を守るべきなのか。あらためて政府に問いかけたい。』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012012102000033.html
■1月20日(金、316日目)
・東京web---『福島第一2号機 格納容器内を初撮影』
『東京電力は十九日、福島第一原発2号機の格納容器の貫通部から工業用内視鏡を内部に入れ、その画像を公開した。廃炉に向け、原発の状況を正確に把握するための重要な一歩。事故後に格納容器内を撮影したのは1~3号機で初めて。
映像は放射線の影響でノイズが多く鮮明ではなかったが、写っている範囲では、配管や格納容器の内壁に大きな損傷はないとしている。
格納容器の底から四・五メートルの位置まで内視鏡を下ろしたが、水面は確認されなかった。炉心に注入した水は、これより低い位置で建屋地下に流れ出ていることが確認された。
先端に取りつけられた温度計で内部の温度も測定し、四四・七度で、近くの温度計との誤差は二度程度だった。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「温度計の温度との誤差がさほどなかったと確認できたのは大きな成果」と強調。
ただ、冷却水から立ち上る湯気や、画像を乱すほどの放射線の様子に、松本氏は「格納容器内部はまだ厳しい状態だということも確認できた」と話した。
東京電力が公開した福島第一原発2号機の原子炉格納容器内部の画像は、大量の放射線による斑点や水蒸気のため不鮮明なものが多く、焦点となっている溶け落ちた燃料の状態は不明のまま。今後の事故処理の難しさをうかがわせるものだ。
公開された画像は七枚で、約三十分間の映像から抜き出した。
宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)は「この画像だけでは格納容器や原子炉圧力容器の損傷は見受けられない。圧力容器や格納容器の底部付近は、壊れていたり、溶けた燃料がたまっていたりする可能性があり、そこを見る必要がある」と話す。ただ「格納容器の底に燃料がたまっていれば放射線量が高く、近くから内視鏡を挿入するのは危険で、相当の工夫が必要だ」と指摘した。
東電は「今日の撮影は最初の一歩。燃料にたどり着くには新たな技術開発が必要で時間がかかる」としている。
(東京新聞)』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012012090070715.html
→やっと内部にカメラが入った(オリンパス製なのが面白い)。だが水位の確認や配管の損傷などは確認できないレベルのようだ。廃炉作業の第一歩というが本当に長い道のりだ。写真に映る放射線のノイズが生々しい。
・時事通信---『東電に賠償指示の意向=新築マンション汚染問題で―経産相』
『枝野幸男経済産業相は20日、福島県二本松市の新築マンションで高い放射線量が検出された問題で、被害者に対する損害賠償の実施を東京電力に指示する意向を明らかにした。同市の三保恵一市長と省内で会談し、住民の移転費用や関係者の損害に対する補償を市長から要請されたのに応えた。』
→当然だろう。何故東電が関係ない風でいるのか理解できない。
■1月19日(木、315日目)
・毎日jp---『セシウム:まきストーブの灰から4万ベクレル検出 二本松 2012年1月19日 19時41分 更新:1月20日 0時27分』
『環境省は19日、福島県二本松市の民家で使用されたまきストーブの灰から1キロ当たり最大4万3780ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。同省は、除染の重点調査地域のある東北・関東8県の市町村に対し、まきストーブの灰は庭や畑にまかずに一般廃棄物として回収、処理するよう通知した。
まきはクリやケヤキで、東京電力福島第1原発事故前から屋外に置かれており、放射性セシウムは事故由来とみられる。
調査は昨年11月に二本松市の依頼を受けた日本原子力研究開発機構と東電が実施した。
その結果、樹皮が付いたままの燃やす前のまきからは、放射性セシウムが国の指標の29~110倍の1キロ当たり1157~4395ベクレル、まきストーブで燃やした灰から同2万8660~4万3780ベクレル検出された。
また、排煙の放射性セシウム濃度について環境省は「健康への影響は無視できるレベル」としている。
焼却灰の放射性セシウム濃度が同8000ベクレルを超えた場合、市町村は「指定廃棄物」として国の負担による処分を申請できる。【藤野基文】』
http://mainichi.jp/select/today/news/20120120k0000m040050000c.html
→何度も書くが、即座に汚染状況を公表し、汚染地域の物資には一切手をつけるな、移動させるなと強く警告していれば、このような問題を避けられたのではないか。砕石の問題、稲藁の問題、腐葉土の問題にしてもしかり。こういう責任についてマスコミはもっと検証報道をして欲しいものだ。被災者の『涙』の報道も必要かも知れないが『人の不幸は蜜の味』的な観点からの報道も少なくないのではないか。
・毎日jp---『福島第1原発:原子炉格納容器内 初の内視鏡調査』
『東京電力は19日、内視鏡(ファイバースコープ)を使い、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内の調査を始めた。炉心溶融(メルトダウン)が起きた格納容器内の様子や汚染水の量、温度などを調べるのが目的。事故を起こした原子炉で、格納容器内を直接調べるのは初めて。
東電によると、格納容器にケーブルを通す貫通部から工業用の内視鏡を入れ、内部の状態を調べているという。同原発の1~3号機は事故で核燃料が溶融して圧力容器の底から格納容器内に漏れ出しているとみられる。しかし、詳しい状況は今なお不明で、今後の廃炉に向けた作業や安定冷却を続けるための大きな課題となっていた。
東電は実施に向けて、2号機と同じタイプの5号機で訓練を重ねてきた。この作業での被ばく線量は3ミリシーベルトを見込んでいる。【奥山智己】』
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120119k0000e040172000c.html
・共同通信---『高濃度汚染水、千トン発見 福島原発の立て坑などで』
『東京電力は19日、福島第1原発2号機付近の立て坑など2カ所で、放射性物質を含む高濃度の汚染水計1100トンがたまっているのを見つけたと発表した。いずれも海への経路はコンクリートでふさがれており、海に流出する可能性は低いとしている。
東電によると、2カ所から採取した水は、容器の表面で毎時21~45マイクロシーベルトが計測された。立て坑の近くには、昨年4月に高濃度汚染水が流出し、現在もたまっている地下道があり、ここから流入した可能性があるという。
ほかに、別の2カ所の立て坑などでも、低濃度の汚染水が見つかった。』
→第一原発については政府の『収束』宣言が出されているのに、まだまだ不明な事象が発生すること事態、おかしなことだ。原子炉内部の状況も確認されていない。原子炉は『静止』しているだけで、制御可能な状態になっているといえるのだろうか。
■1月18日(水、314日目)
・読売online---『避難判断にSPEEDI使わず…安全委が改定案』
『原子力防災指針の改定を検討している内閣府原子力安全委員会の作業部会は18日、原発事故で住民の避難判断をする際、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」は信頼性が低いため使わず、実測した放射線量などをもとに判断するという見直し案をまとめた。
「スピーディの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難」というのが見解。「予測情報が提供されていれば、より適切な避難経路などを選ぶことができた」とする政府の東京電力福島第一原子力発電所事故調査・検証委員会の中間報告書(昨年12月)の指摘と対立するもので、議論を呼びそうだ。
現行の原子力防災指針では、「スピーディの情報や事故状況などを基に、50ミリ・シーベルト以上の被曝(ひばく)が予測される場合に、避難指示を出す」となっているが、実際の住民の避難指示には活用されず、批判されていた。 』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000416-yom-sci
→後になって公開されたSPEEDIの予測分布図は100%で無いにしろ殆どあっていたのではないか。なんか恣意的にSPEEDIを否定しようとしている印象を受ける。次の記事にあるようにSPEEDIの予測を米軍に提供しているのだ。「スピーディの予測は不確実性が大きく、緊急時の活用は困難」というのであれば米軍などにはとても提供できるものではないだろう。
・読売online---『放射性物質拡散予測、住民より先に米軍に提供』
『放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」で得られた東京電力福島第一原子力発電所事故での予測情報を、政府が事故直後の昨年3月14日に米軍に提供していたことがわかった。
福島県内の住民など一般に予測情報が公表されたのは、9日後の昨年3月23日だった。平野文部科学相が17日の閣議後記者会見で、明らかにした。
平野文科相によると、米軍が東日本大震災の被災者支援活動などを展開していたため、外務省から情報提供の要請があった。
これを受け、予測データを外務省を通じて米軍に提供した。平野文科相は「国民の皆さんに提供していなかったというご指摘については、真摯(しんし)に受け止めないといけない」と話した。 』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000398-yom-soci
■1月17日(火、313日目)
■1月16日(月、312日目)
・読売online---『汚染コンクリ、100社以上に出荷の疑い』
『福島県二本松市の新築マンションに放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていた問題で、原料になった同じ砕石が、県内の生コン会社2社を通じ、建設会社など100社以上にコンクリートとして出荷された疑いのあることが、経済産業省の聞き取り調査で分かった。
同省が出荷先の特定を進めている。
砕石は、富岡町の採掘会社が浪江町の阿武隈事業所の採石場で採ったもので、採掘会社の社長(50)は16日朝、郡山市内の事業所で記者会見し、生コン会社以外にも、建設会社など17社に出荷していたことを明らかにした。一部は、県内の農場やゴルフ場などで土木工事に使用されているという。昨年4月11日に計画的避難区域の設定が政府から発表された後も砕石の出荷を続けたことについて、社長は「放射能に関する知識がなく、正直『何で住んじゃいけないの』という程度の感覚だった」と釈明した。 』
→なんか採石業者に責任があるような報道が続いているが、責任を取るべきは、多分事故直後に汚染状況、その影響など解っていながら、何らその対策を公表しなかった東電、政府にあることは間違いない。福島産の米に放射能が検出されたときもそうだが、生産者に非があるような報道がなされている。事故直後に汚染状況とその危険性を公表していれば、稲藁の問題も、腐葉土の問題も、そしてこのような問題も相当回避できたのではないか。それからこういう報道がなされるとき、何故東電の責任者(下のものでもいいが)が同席して先ず、自分たちの責任を謝罪しないのか、その責任をマスコミが追求しないのか疑問が残る。
15日の夜のNHKスペシャルで放射能の影響の追跡報道をしていたが、群馬県の山間部にある湖や、福島から銚子沖に掛けての太平洋沿岸部で放射能濃度が原発の近くと同じくらいのホットスポットの存在が報告されている。汚染状況は我々が思う以上に深刻のようだ。政府も東電も汚染状況の調査と抜本的な除線処理対策を示すべきではないか。
■1月15日(日、311日目)
■1月14日(土、310日目)
・NHKNEWSweb---『民間の調査委 菅前首相ヒアリング』
『民間の有識者で作る、東京電力福島第一原子力発電所の調査委員会が、事故当時の政府の対応を検証するため、14日、菅前総理大臣からヒアリングを行いました。原発事故を巡っては、政府や国会の調査委員会も検証を進めていますが、菅前総理大臣がヒアリングを受けるのは今回が初めてです。
ヒアリングを行ったのは、科学技術振興機構前理事長の北澤宏一氏や、元検事総長の但木敬一氏など有識者6人が委員を務める、民間事故調=「福島原発事故独立検証委員会」です。ヒアリングは14日午後、都内で非公開で行われ、官邸内部の当時の状況などについて、ワーキンググループの弁護士や研究者らが、菅前総理大臣に直接ただしたということです。関係者によりますと、菅前総理大臣は「政治を含めいろんなレベルで、原発の“安全神話”にとらわれていたことは否定できないと思う。民間事故調をはじめ、さまざまな角度から調査してもらうのは意義のあることだ」などと述べたということです。原発事故を巡っては、政府や国会の調査委員会も検証を進めていますが、菅前総理大臣がヒアリングを受けるのは今回が初めてです。民間事故調は、このほか、枝野経済産業大臣、海江田元経済産業大臣、細野原発事故担当大臣ら、事故対応の中心を担った政治家や政府関係者からもヒアリングを実施しているということで、報告書は来月末に公表する方針です。政府の事故調査・検証委員会は、先月、中間報告を公表しましたが、政府の危機管理の本格的な検証は、ことし夏に公表される予定の最終報告まで先送りされており、民間事故調の報告書の内容が注目されます。民間事故調の委員長を務める北澤宏一氏は、「これまでのヒアリングで、政治家たちが組織上の問題や制度上の問題を感じながら危機対応に当たってきた様子が分かってきた。また同じようなことが繰り返されないよう、検証を進めたい」と話しています。
政府の事故調査・検証委員会の中間報告では、当時の閣僚からのヒアリングが進んでいないことから、事故直後の政府の判断や指示については詳しく検証されておらず、課題として残されています。民間事故調が重点を置いているのは、この点についての検証で、総理大臣官邸が関係機関や東京電力との間でどのように情報共有を行っていたのかを中心に、当時の閣僚らからヒアリングを行ってきたということです。報告書には、菅前総理大臣みずからが、震災の翌朝、ヘリコプターで福島第一原発に視察に向かった際の状況や、放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」のデータの公表が遅れた経緯、政府がどのような情報や判断に基づいて記者会見などで情報発信していたかについても盛り込まれる見通しです。』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120114/k10015270361000.html
■1月13日(金、309日目)
・東京web---『場所探し、暗礁に 千葉県のセシウム含む焼却灰保管』
『放射性セシウムを含むごみの焼却灰問題を受け、千葉県が乗り出した一時保管場所探しが、暗礁に乗り上げている。県は我孫子、印西両市にまたがる手賀沼終末処理場を関係自治体に打診したが、両市が反発。他の関係自治体も両市の立場を気遣い、県の提案を強力に後押しするわけにもいかないでいる。代替案もなく「この案で調整を続けていくしかない」(県担当課)というが、打開のめどは立たない。 (横山大輔)
県と両市のほか、柏、松戸、流山の関係五市は、昨年十二月二十二日と一月五日に、副市長クラスが集まり協議を実施。だが、我孫子、印西両市は提案を受け入れられないとの姿勢を鮮明にした。両市以外の三市は「早く決めたいが、我孫子と印西の立場を考えると発言しにくい」と頭を抱えている。
「総論賛成、各論反対になってしまっている」。ある関係者は両市の反発に戸惑いも見せる。そもそも県の提案は、東葛地域で通常の埋め立て基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル)を超えるごみ焼却灰が発生したことを受け、五市などが八月末に「市の手に負えない」と県に解決策を要望したことに始まった。
県が同処理場を選んだのは、放射性物質を含む汚泥がここでも発生しており、この保管を含めても敷地内に余裕があるからだった。
だが、提案が表面化した十二月、我孫子市議会は「すべての焼却灰の保管場所とすることは断固、拒否する」と全会一致で決議した。同市の焼却灰のセシウム値は現在、基準を下回っており、通常の埋め立てもできている。にもかかわらず、他の自治体からの灰を全部受け入れるのは納得がいかないというわけだ。
問題が長期化しそうなことを受け、柏市は再度、市内に保管場所の候補地がないか検討を始めた。五日には南部クリーンセンターが灰の保管場所がなくなったことから稼働を停止している。
市担当者は「前にも候補地は検討したが見つからなかった。とはいえ、できる努力はしたい」と焦りを隠さない。五日の協議では、再度、協議の場をつくることでは一致した。ただ、次回会合の日程は決められなかった。』
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012011390103909.html
■1月12日(木、308日目)
・47news---『原発監視、ソフトの不具合が原因 昨年末の表示トラブル』
『全国の原発の運転データを監視する緊急時対策支援システム(ERSS)で昨年末、正常な情報が表示できなくなったトラブルで、システムを管理する原子力安全基盤機構は11日、データ処理のソフトウエアの不具合が原因と発表した。
機構は09年8月からシステムを連続して使っていたが、このソフトは連続使用するとデータ処理に必要なメモリーの領域が徐々に減るようになっていた。各地からデータは届いていたが、メモリー不足となって情報が表示できなくなったという』
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011101001743.html
→メモリリークなんてプログラム開発の基本の基本。一体どんなテストをやっているのか。多いに疑問が残る。公表されてないだけで、これまでにも同じ現象が出ていたのではないか。
・47news---『地下道に汚染水300トン 東電、調査で確認』
『東京電力は12日、福島第1原発3号機近くの電源ケーブルを引き込むための地下道で、放射性物質の濃度が比較的高い汚染水約300トンが新たに見つかったと発表した。1号機付近の地下道でも水たまりが見つかったが地下水に近い濃度で、量などを調べている。
東電は津波による海水や雨水、地下水がたまったとみているが、3号機付近の水たまりには放射性セシウムが1立方センチ当たり49~69ベクレル含まれていた。東電は「(建屋地下にたまった)高濃度汚染水が混ざった可能性もあり、流入経路を調べる」としている。
第1原発では昨年12月18日、高濃度汚染水をためている集中廃棄物処理施設に隣接する地下道で汚染水約220トンが見つかった。これを受け、東電は1~6号機周辺のほかの地下道にも水たまりがないか確認を進めているが、今月11日にも二つの地下道で水がたまっているのが見つかっている。』
http://www.47news.jp/47topics/e/224499.php
→原発事故は収束したはずなのに新たに300トンもの高濃度の汚染水が見つかるとは……。何が収束したのか!
■1月11日(水、307日目)
震災から10ヶ月、新年を迎えてから原発関連のニュースは少ない。ただ復興作業も遅々として進まない。
河北新報web---『南三陸町が高台移転用地を取得 楽天元副社長が購入寄付』
『東日本大震災で被災した宮城県南三陸町戸倉地区の高台移転用地として町が取得を目指したものの、町議会で議案が否決された同町戸倉のゴルフ場開発跡地106ヘクタールを、楽天元副社長の本城慎之介氏(39)が購入し、町に寄付していたことが10日、分かった。
土地登記によると2011年12月に、所有する東京の投資会社から本城氏が土地を購入、26日に南三陸町に寄付された。同月下旬に都内で佐藤仁町長と面会した本城氏が土地を寄付する意向を示し、町が受け入れた。
町では同跡地を高台移転の住宅用地のほか、土地利用計画案に学校や公民館など被災公共施設の建設用地を盛り込むなど戸倉地区の中心市街地再生の核になると見込んでおり、寄付により復興計画の加速が期待される。
本城氏はインターネット仮想商店街「楽天市場」の創設に関わった。震災後はボランティアで南三陸町を訪れたほか、11年8月に開かれた「子ども夢花火」の資金確保のため、打ち上げる花火を楽天市場の仮想店舗で購入してもらうアイデアなどを提案した。
河北新報社の取材に対し本城氏は「多くの知り合いができた南三陸町は特別な場所。一日も早く日常を取り戻してもらうには何かできないかと考え寄付した。復興のため町民で議論して有効に使ってほしい」と話した。
同跡地は町が11年8月、投資会社から9300万円で取得する議案を町議会に提出したが、用途などの説明が不十分だとして議会が反発、議案を撤回した。再提出された議案も10月の町議会で「契約の経緯があいまいだ」などとして否決された。』
→素晴らしいことだ。何もできない我々は頭が下がる思いだ。個人の善意に頼るしかない復興状況に大いに疑問を感じる。それこそ国が該当する地域を買い上げて
被災地に無償提供できないものなのか。様々な法律にがんじがらめにされているとはいえ、国や自治体首長の英断に期待したいものだ。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120111t15014.htm
■1月10日(火、306日目)