ミセスローゼンの上人坂日記

春愁といふは悲しみにはあらず


絶品ポーチドエッグ。

昨夜、読売シンフォニーの演奏で、リヒャルトシュトラウスのメタモルフォーゼンを聴いた。舞台には23人の弦楽奏者のみ。彼らは合奏するのではなく、一人一人が独奏する。それが集まって一つの曲になる。第二次大戦終戦間際ドイツが敗れる直前、シュトラウスが81歳の時に作曲された。
祖国の崩壊を間近に、シュトラウスは必死に未来を見ているように私には聞こえる。希望に満ちた音楽とはいえない。葬送の曲である。が、悔やみながらも未来に顔を向けなければ、という意思が感じられる。明日の3月11日の震災日の前夜にいかにもふさわしい選曲と思えた。ドイツの過去、日本の過去、世界の歴史は変えられない。忘れることなどできないが、現在私達が何をしているか、どこを目指しているか、それを見れば、過去に何を学んだか一目でわかる。関係ないが、いつき組の組員はみな思想もばらばら、作風もまちまちだけど、志は一つ、よい伝統を守り未来に伝えていこうという組長を、それぞれが独立して支えているところがいい。何だかそれを思い出した、これを聴いてて。
読売シンフォニーの23人のソロイストは素晴らしい音だった。指揮者はあまりにせっせと手を出さず、一人一人の張り詰めた音が広がるように、励ますくらいにしたらいいのかなあと、素人ながら感じた。Vオケで弾いて欲しい曲がまた増えた。

コメント一覧

朗善
Re:Unknown
仰る通りです。未来を見るしか道はありません。ニックは今日、震災孤児の方々の未来に役立てる資金を集めるチャリティーコンサートに出演して、最後の歌ふるさとを、今日本語で歌っている頃でしょう。ウサギ美味し、というギャグも覚えました!
理酔
シュトラウスさんは過去と彼の活きる現代を鑑み、未来を渇望したのかもしれませんね。
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