月初の雇用統計を越えて、残るイベントはCPI(消費者物価指数)とか小売売上高とかいくつかあるが、何といっても21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)ということになる。おおむね6週間に1度の感覚で年8回開かれることになっている。開催され声明文が発表されたちょうど3週間目に議事要旨が公開され、4週間目に地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。4週間目というよりも会合の2週間前と表現してもいい。話し合いの基礎資料という位置づけになる。
一般的にはベージュブックより、議事要旨の方が市場の材料にはなりやすい。8日はそのベージュブックが発表された。言うまでもなくその表紙の色からこう呼ばれる。
発表された内容は、新型コロナウイルス感染再拡大で経済成長は7月初旬から8月にかけて「緩やかな」ペースにやや減速したとした。経済拡大ペースは、前回の「力強さを増した」から、今回は「緩やか」に表現が変わっており、景気判断を引き下げたことになる。
ペースにばらつきはあるものの雇用はすべての地区で引き続き増加したとしつつ、全地区が「著しい労働力(人手)不足」を指摘したという部分が目に引いた。日経が書いていたが、今回のリポートでは、「労働力不足」という言葉が29回登場し、6月(15回)、7月(22回)の過去2回のリポートより増えたということだった。こういうのは面白い分析だと思う。一方で、この日、米労働省が発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が前月比74万9000件増え1093万4000件と、5カ月連続で過去最高を更新し、2000年12月の統計開始以降で最高をということだった。
求人は過去最高水準の更新を続け1100万件近くあるにも関わらず、片や8月のデータでは2020年2月比で未だ580万人が職を失った状態で、それが思うように減少しないのはなぜか。ベージュブックは離職率の上昇や早期退職、育児の必要性(働きたくても出られない)、求人交渉の難しさ、失業給付の拡充などにより、採用がより困難になっていると指摘している。「求めるスキルを持つ人が応募してこない」との報告を取り上げていた。「早期退職者の増加もあり、企業は適切なスキルを持った人の雇用に苦労し続けるだろう」とのコメントが目を引いた。こうなると、賃金は上がるし、すでに今回のデータでも昨年比4.3%上昇している。ただし、賃金の低い職種の上昇が目立っている。
本日は関連で9月4日までの1週間のInitial Claims(新規失業保険申請件数)の発表を控える。ダウジョーンズの予想は33万5000件となっているので、前週よりも5000件の減少を読んでいる。
そういえば、ウォールストリートジャーナルが、パウエル議長の再任に関する記事を掲載していて、民主党内が再任について割れているという内容だった。予想通り党内左派、オカシオ・コルテスとかエリザベス・ウォーレンなどの議員は再任反対の意向とのこと。ウォールストリートに優しく規制を緩和気味ということに加え、気候変動対応にあまり熱心ではなさそうというのだが・・・・。このところ話題ではあるが、中央銀行まで気候変動対応というのは言わんとするところはわかるが、そもそも特定の金融政策で目立った効果は難しそうだ。ブレイナードなら熱心にやるというのだろうか。この人は財務省出身で金融規制ならばお手の物という感じだが。
一方、パウエル支持派は、トランプの金融政策への強烈な口出しをうまくいなして独立性を守ったというもの。共和党員でもあり議長に押したのはトランプではあるが、そもそもFRBの理事に推したのはオバマだったはず。こうした観測記事が出始めたということは、来週以降何らかのアナウンスがあるということだろうか。パウエル再任、2期目突入ということのように思うが、どうなるか。ジャクソンホールの講演が、その踏み石だったということで。。もっとも、金市場にとってパウエルでもブレイナードでも、いずれもOKだが。
一般的にはベージュブックより、議事要旨の方が市場の材料にはなりやすい。8日はそのベージュブックが発表された。言うまでもなくその表紙の色からこう呼ばれる。
発表された内容は、新型コロナウイルス感染再拡大で経済成長は7月初旬から8月にかけて「緩やかな」ペースにやや減速したとした。経済拡大ペースは、前回の「力強さを増した」から、今回は「緩やか」に表現が変わっており、景気判断を引き下げたことになる。
ペースにばらつきはあるものの雇用はすべての地区で引き続き増加したとしつつ、全地区が「著しい労働力(人手)不足」を指摘したという部分が目に引いた。日経が書いていたが、今回のリポートでは、「労働力不足」という言葉が29回登場し、6月(15回)、7月(22回)の過去2回のリポートより増えたということだった。こういうのは面白い分析だと思う。一方で、この日、米労働省が発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が前月比74万9000件増え1093万4000件と、5カ月連続で過去最高を更新し、2000年12月の統計開始以降で最高をということだった。
求人は過去最高水準の更新を続け1100万件近くあるにも関わらず、片や8月のデータでは2020年2月比で未だ580万人が職を失った状態で、それが思うように減少しないのはなぜか。ベージュブックは離職率の上昇や早期退職、育児の必要性(働きたくても出られない)、求人交渉の難しさ、失業給付の拡充などにより、採用がより困難になっていると指摘している。「求めるスキルを持つ人が応募してこない」との報告を取り上げていた。「早期退職者の増加もあり、企業は適切なスキルを持った人の雇用に苦労し続けるだろう」とのコメントが目を引いた。こうなると、賃金は上がるし、すでに今回のデータでも昨年比4.3%上昇している。ただし、賃金の低い職種の上昇が目立っている。
本日は関連で9月4日までの1週間のInitial Claims(新規失業保険申請件数)の発表を控える。ダウジョーンズの予想は33万5000件となっているので、前週よりも5000件の減少を読んでいる。
そういえば、ウォールストリートジャーナルが、パウエル議長の再任に関する記事を掲載していて、民主党内が再任について割れているという内容だった。予想通り党内左派、オカシオ・コルテスとかエリザベス・ウォーレンなどの議員は再任反対の意向とのこと。ウォールストリートに優しく規制を緩和気味ということに加え、気候変動対応にあまり熱心ではなさそうというのだが・・・・。このところ話題ではあるが、中央銀行まで気候変動対応というのは言わんとするところはわかるが、そもそも特定の金融政策で目立った効果は難しそうだ。ブレイナードなら熱心にやるというのだろうか。この人は財務省出身で金融規制ならばお手の物という感じだが。
一方、パウエル支持派は、トランプの金融政策への強烈な口出しをうまくいなして独立性を守ったというもの。共和党員でもあり議長に押したのはトランプではあるが、そもそもFRBの理事に推したのはオバマだったはず。こうした観測記事が出始めたということは、来週以降何らかのアナウンスがあるということだろうか。パウエル再任、2期目突入ということのように思うが、どうなるか。ジャクソンホールの講演が、その踏み石だったということで。。もっとも、金市場にとってパウエルでもブレイナードでも、いずれもOKだが。