NY金は休みモードの狭いレンジの取引が続いているが、19日はレンジの上値を切り上げ、2週間ぶりの高値で1484.40ドルで終了。2週間ぶりの高値であるとともに、この水準は11月6日以来1カ月半ぶりの高値でもある。それだけNY金のこう着状態が続いてきたことを意味するが、この間に米国株式市場が過去最高値の更新を続け、実際に19日もダウ、ナスダック、S&P500の主要3指標ともに終値で高値を更新して取引を終了。リスクオン環境の中で、安全資産と目される金への関心は後退し売られるのがかつてのパターンではあるが、実質3カ月に及ぶ保合い(もちあい)の展開が続いている。
米国株式高騰の背景に7月以降3回にわたる米連邦準備理事会(FRB)の利下げがあるのは言うまでもない。この7月に景気拡大が過去最長の11年目に入っている米国だが、にもかかわらず「予防的」と称しての連続利下げ。緩やかな景気拡大(つまり落ち着いたインフレの下での)金融緩和は、株式市場にとって非常に居心地のいい環境を生み出している。いわゆるゴルディロックス(適温経済)と表現されるもの。
連続利下げに加えFRBによる大量の資金供給も株高を加速させている。9月下旬(9月17日)ににわかに起きた米短期金融市場での資金不足問題とそれに対応したFRBによる資金供給がそれ。米国債などを担保に金融機関やヘッジファンドなどが短期資金を融通し合う短期金融市場(レポ取引)で資金需要がひっ迫し、翌日物の金利(レート)が跳ね上がってFRBを慌てさせたのがきっかけ。資金の出し手(貸出)と取り手(借入)のバランスが崩れた結果、本来であればFOMCが決めている政策金利(FFレート、現在1.50~1.75%)近辺に落ち着くレートが10%に跳ね上がった。放置するとクレジットクランチ(信用収縮)につながりかねず、金融市場は大混乱必至の事態。FRB傘下に12行ある連邦準備銀行の筆頭銀行NY連銀が事態の収束に対応、連日の資金供給がここまで続いてきた。
FRBのデータを調べたところ、ピーク時に4兆5000億ドル近くあった資産規模は、2017年秋以降の資金回収で今年の8月28日時点では3兆7599億ドルまで減少していたが、直近
(12月18日)では4兆1370億ドルまで増加している。つまり9月以降ここまでの資金供給額は3771憶ドル(約41兆円)にも上っている。FRBは2017年10月以降約2年かけて約7000憶ドル資産を減らした(資金回収)が、わずか3カ月でその半分以上を再放出していることを表す。FRBは償還1年未満のものを買い付けているゆえに量的緩和策に当たらないとしているが、資金の取り手にはヘッジファンドも含まれるゆえに怒涛の資金供給が株高を加速させているのは間違いなかろう。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。いまや突出した株高がリスク要因として意識され始めている。金保有者は手放さずホールド状態にあり、それが価格のこう着状態(下げない金)の背景になっている。
米国株式高騰の背景に7月以降3回にわたる米連邦準備理事会(FRB)の利下げがあるのは言うまでもない。この7月に景気拡大が過去最長の11年目に入っている米国だが、にもかかわらず「予防的」と称しての連続利下げ。緩やかな景気拡大(つまり落ち着いたインフレの下での)金融緩和は、株式市場にとって非常に居心地のいい環境を生み出している。いわゆるゴルディロックス(適温経済)と表現されるもの。
連続利下げに加えFRBによる大量の資金供給も株高を加速させている。9月下旬(9月17日)ににわかに起きた米短期金融市場での資金不足問題とそれに対応したFRBによる資金供給がそれ。米国債などを担保に金融機関やヘッジファンドなどが短期資金を融通し合う短期金融市場(レポ取引)で資金需要がひっ迫し、翌日物の金利(レート)が跳ね上がってFRBを慌てさせたのがきっかけ。資金の出し手(貸出)と取り手(借入)のバランスが崩れた結果、本来であればFOMCが決めている政策金利(FFレート、現在1.50~1.75%)近辺に落ち着くレートが10%に跳ね上がった。放置するとクレジットクランチ(信用収縮)につながりかねず、金融市場は大混乱必至の事態。FRB傘下に12行ある連邦準備銀行の筆頭銀行NY連銀が事態の収束に対応、連日の資金供給がここまで続いてきた。
FRBのデータを調べたところ、ピーク時に4兆5000億ドル近くあった資産規模は、2017年秋以降の資金回収で今年の8月28日時点では3兆7599億ドルまで減少していたが、直近
(12月18日)では4兆1370億ドルまで増加している。つまり9月以降ここまでの資金供給額は3771憶ドル(約41兆円)にも上っている。FRBは2017年10月以降約2年かけて約7000憶ドル資産を減らした(資金回収)が、わずか3カ月でその半分以上を再放出していることを表す。FRBは償還1年未満のものを買い付けているゆえに量的緩和策に当たらないとしているが、資金の取り手にはヘッジファンドも含まれるゆえに怒涛の資金供給が株高を加速させているのは間違いなかろう。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。いまや突出した株高がリスク要因として意識され始めている。金保有者は手放さずホールド状態にあり、それが価格のこう着状態(下げない金)の背景になっている。