亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

益出し売りに“行って来い”状態のNY金。バノン解任は売りの“言いわけ”

2017年08月19日 23時18分19秒 | 金市場

さて今週末のNY金は、年初来高値を更新して1306.90ドルと昨年の11月以来9ヵ月ぶりの高値まで見たものの、その後は益出し売りに値を消す形で、結局、前日比0.80ドル安の1291.60ドルで終了。1300ドル突破で、ストップロスのショート・カバーなどを巻き込む形で1306ドル台まで駆け上がったものの、援軍来たらずモメンタム一巡の後に徐々に値を消すことになった。

ちょうどホワイトハウスが、今政権で新設していた首席戦略官スティーブン・バノンの解任を発表したタイミングだった。何かと以前から問題視されていた最側近の解任で、目先の人事の混乱も一段落ということで、続落で始まっていた株式市場はこのニュースを好感し、反発し、一時は前日比でプラス圏まで買い戻されていた(最終的に続落)。トランプ政権の政治リスクの高まりで買われていた金は、逆に売られることになった。

本日、早朝には15日時点でのNY金先物の投資主体別ポジションが発表されたが、6月6日から7月10日に掛けて積まれて最高490トンまで膨らんでいたショート(空売り)は、280トンまで減っていたので、今回の7月10日を目先の底にした上昇で、200トン超が買い戻されたことになる。ここに“踏み上げ”が起きると書いた、その“弾”も尽きて後は新規資金の流入(フレッシュ・ロングの構築)なくば、1300ドル台維持は難しいということに。

そういった意味で、結果的に日足で“行って来い”状態となった18日のNY金は、バノン解任を格好の材料に目先の目標達成ということで、益出し売りが出たということだろう。

来週は米韓合同軍事演習にジャクソン・ホールでのシンポジウムがある。

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