さて今週末のNY金は、年初来高値を更新して1306.90ドルと昨年の11月以来9ヵ月ぶりの高値まで見たものの、その後は益出し売りに値を消す形で、結局、前日比0.80ドル安の1291.60ドルで終了。1300ドル突破で、ストップロスのショート・カバーなどを巻き込む形で1306ドル台まで駆け上がったものの、援軍来たらずモメンタム一巡の後に徐々に値を消すことになった。
ちょうどホワイトハウスが、今政権で新設していた首席戦略官スティーブン・バノンの解任を発表したタイミングだった。何かと以前から問題視されていた最側近の解任で、目先の人事の混乱も一段落ということで、続落で始まっていた株式市場はこのニュースを好感し、反発し、一時は前日比でプラス圏まで買い戻されていた(最終的に続落)。トランプ政権の政治リスクの高まりで買われていた金は、逆に売られることになった。
本日、早朝には15日時点でのNY金先物の投資主体別ポジションが発表されたが、6月6日から7月10日に掛けて積まれて最高490トンまで膨らんでいたショート(空売り)は、280トンまで減っていたので、今回の7月10日を目先の底にした上昇で、200トン超が買い戻されたことになる。ここに“踏み上げ”が起きると書いた、その“弾”も尽きて後は新規資金の流入(フレッシュ・ロングの構築)なくば、1300ドル台維持は難しいということに。
そういった意味で、結果的に日足で“行って来い”状態となった18日のNY金は、バノン解任を格好の材料に目先の目標達成ということで、益出し売りが出たということだろう。
来週は米韓合同軍事演習にジャクソン・ホールでのシンポジウムがある。