亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金乱高下の11月、北米勢ETFはホールド

2024年12月06日 19時35分26秒 | 金市場

12月5日のNY金は3営業日ぶりに反落した。週初から2660ドル台を中心とした狭い範囲のレンジ取引が続いていたが、5日は午前の中頃から午後にかけて売りが先行する流れに転じ、心理的節目の2650ドルを下回り終了した。NYコメックスの通常取引は前日比27.80ドル安の2648.40ドルで終了した。2650ドル割れでは押し目買いが見られたものの反発力は鈍かった。

 

一方、本日はアジアの寄り付きこそ前日NY時間外の終値(2655.00ドル)を上回る2667.90ドルでスタートしたものの、日本時間の午前10時前に下げ足を速め、一時2635.60ドルまで売られた。中国勢の動きを感じさせる時間帯ではある。

ところが売りが一巡すると戻りも早く、アジア時間の午後には2660ドル台を回復、以後現在ロンドンの午前だが2660ドル台をそのまま横ばいで推移している。

 

本日6日発表の11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数の伸びが注目されている。大型ハリケーンや航空機大手ボーイングのストライキの影響で1万2000人増と大きく減速した10月から改善する見込みで、市場予想は21万4000人増(ダウ・ジョーンズ)となっている。好調さが際立つ米経済にあって、労働市場の減速に対する米連邦準備理事会(FRB)の警戒感もここに来て緩んでいる。パウエルFRB議長も先週、さらなる利下げに慎重になる余裕が生まれていると、利下げテンポの見直しを示唆する発言をした。

5日は11月29日終了週の米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の22万4000件となった。市場予想は21万5000件だった。悪化ではあるが、サンクスギビングの祭日を含む週につき、誤差も生じやすいことを念頭に置く必要がある。

 

金市場の話題としては、11月の現物を裏付けにする金ETF(上場投信)のデータが明らかになった。

11月は残高は減少となり5月以来6カ月連続で続いて来た残高増(ネット資金流入)が途切れることになった。米大統領選にてトランプ候補の圧勝が決まり、広く指摘されていた政治混乱が回避されたことを受け、先物市場にてファンドの大量手じまい売り(11月前半2週間で150トン)に見舞われたNY金。金ETFの残高も減少していた。

ただし減少量は世界全体で28.6トンと限られた。興味深いのは売りの中心はヨーロッパで、26.3トンと大半を占める一方で北米は0.8トンの増加となっていた。北米の動向を示す最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールドシェア」の推移からは、11月前半に減少した後に後半は増加に転じていた経緯がある。

 

つまり乱高下に見舞われた11月だが北米勢はETFを売り越していなかった。

ただし、そのSPDR(スパイダー)だが、12月に入り足元で減少が続いている。 さて本日の米雇用統計どうなるか。

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