亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ISMで冷や水を浴び、雇用統計待ち

2016年09月02日 19時42分49秒 | 金融市場の話題
金市場の心理的な節目の1300ドルの攻防を回避させたのはISM製造業景況指数だった。いまや米国経済の主力は製造業ではなくサービス業など非製造業部門。それでも裾野の広さもあり製造業の存在は無視できない。在庫がらみで4-6月期のGDPを抑えたのも製造業。利上げ観測が高まり、ドル高になると影響が及ぶのもこの部門。

伝えられたように8月のISM製造業景況指数は、前月から3.2ポイント低下し49.4と予想外の悪化を示すことになった。市場予想は拡大を読む52.0となっていた。50割れは、今年の2月以来半年ぶりのこと。個別の細目も弱く、生産が49.6(前月55.4)、新規受注が49.1(同56.1)、雇用が48.3(同49.4)、在庫が49.0(同49.5)と主要項目が軒並み50割れとなった。この中でも新規受注の落ち込みが目立ち昨年12月以来の水準に大幅低下となった。

この結果は、石橋を叩いて渡るイエレン議長には利上げの障害になるもの。しかし、周りは労働市場の良さを高らかに掲げ、今回もよければできるうちに上げて“政策手段を確保”してきましょうよ・・・と詰め寄る。議長としても利上げはしておきたいのは、やまやま。しかし、今回の結果がいいことを条件に、12月に引き上げということのように思われる。

しかし、昨日書いたように、これより2時間後に発表されるものが、果たして意に沿うものとなるかは、わかりませんよ。



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