亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

トランプパフォーマンスという地政学リスク

2019年10月28日 22時42分49秒 | 国際情勢
先週末金曜日(25日)のNY時間の午前11時頃、USTR(米通商代表部)は、ライトハイザーUSTR代表およびムニューシン財務長官が中国の劉鶴副首相と電話協議をした結果、米中が「第1段階」の一部事項(複数の分野)で仕上げ作業に近づいていると発表。トランプ大統領も「中国は合意を強く望んでいる」とした。両国は11月中旬にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の機会をとらえ首脳会談を予定しているとされる。その前に北京にて閣僚級会合が行われるとみられている。具体的にどのような進展があったかは不明だが、楽観論が再び高まることになった。その結果、今週のFOMCにて25bp(0.25%)の利下げを織り込みにかかり1520ドル台まで買い上げられていた金は、“行って来い”状態に。前日比0.60ドル高の1501.30ドルで終わったが週足は2週連続の上昇ということに。日足は上髭の長い売り線となり、怪しい展開で先週は終了。

週明けは、IS(イスラム国)のトップ、バグダディが米軍の軍事作戦で死亡との発表。中継なのか録画なのか不明だが、作戦の動画を見たと見られる合衆国大統領は、まるで映画のシーンのようだったと言ったとか。無人機など使った軍事作戦はある種ゲームと似た点が指摘されて久しいが、そこは軍事作戦、人の生き死にがかかわってくる。

それにしても対中国にしてもシリア国境にしても、外交が前面に出てホワイトハウスは成果を誇示する流れ。大統領選の投票日まで、間もなく1年を切るが、いよいよ選挙バイアスが本格的に政策方針として顔をのぞかせ始めた。しかし、合衆国大統領としての自らの発言内容が、どう受け止められるのか客観視できないのか、舌禍を招く機会が増えそうだ。トランプパフォーマンスという地政学リスク。

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