既定路線となった米国の利上げ。マーケットは“待ち” のスタンスに移行している。
その上で関心は声明文の文言、FOMCメンバー全員による経済見通し、さらにイエレン議長の記者会見に集約される。結果が判明して一段落したうえで、おそらく補足的に3週間後の議事録要旨まで関心が続くだろう。懲りずに何度も書くが今回のFOMCは従来にない討論会となる可能性がある。その意味で歴史に記憶されるFOMCになるのだろう。すでにイエレン議長の個別メンバーとの折衝(意見のすり合わせ)が行われているものと思われる。
焦点はインフレ見通し。物価の上がり難い環境が果たして一過性なのか構造変化によるものなのかという、学術論議のような様相を帯びるのだろう。
今夜のNY時間の注目指標は11月の小売売上高だった。12月の結果のほうがより重要であるのは言うまでもないが、11月はやや弱い数字になる可能性があり、それがどれほどのものかという傾向を知る材料となる。結果は自動車やガソリンなどを除いたコア小売売上高は10月のプラス0.2%に対しプラス0.6%となった。インフレという点ではPPI(生産者物価指数、卸売物価指数)の発表も注目されたが、前月比でプラス0.3%となり、これは4ヵ月ぶりのプラスとなる。
結果を受けて貴金属全般に売られている。どっちにしてもFOMCを残すのみ。