日本では8月もお盆が過ぎて後半に入ると、夏の勢いにもピークアウト感が漂い、盛りは過ぎたなぁという感情が沸き起こる。小中高生は宿題が気になり始め、出遅れを自覚している受験生は秋に向け焦りを感じ始める頃合いでもある。そもそも、今年の7月後半からここまで関東以北では、夏らしいギラギラ太陽も白い雲も見られなかったので、物理的にはピークアウト感もあまりないが、カレンダーイヤーで捉える習性が見についている身にとって、夏(盛り)が終わるなぁとしみじみ思ってしまう。
・・・・とまぁ、こう書きだしたのは、予想以上の長きにわたりbullish な展開を続けてきたNY株も、4-6月期の決算発表も終わり、そろそろ弾切れ(買い材料)で曲がり角なのかと思うから。9月には、今やケネン(懸念)、ケネンの大合唱になりつつある米債務上限の引き上げ期限も迫るが、ごくごく少額から始めるゆえに影響なしと織り込み済みとなっているFRBのバランスシート縮小の決定、そして着手は、やはり発表された際の市場の反応は読みづらい。当のイエレン議長もかなり神経を使っているのは、ここまでの発言内容から明らかといえる。
先週発表された7月のFOMC議事録要旨から、9月のFOMCでは地政学リスクや政治要因からよほど市場が動揺しない限り、バランスシートの縮小つまり資金回収に着手することを発表するのは間違いなかろうが、やはり今週24-26日のジャクソンホールでのシンポジウムでは、政策転換への何らかの布石は打つと思われる。ドラギECB総裁も今回は出席する予定なので、来年早々のテーパリング(資産買入れの段階的縮小)着手が予想される中で、事前に双方の中銀のトップは(事務方レベルにしても)、意見交換を済ませて会議に臨むのではないかと思われる。
FRBのバランスシートの縮小(ばら撒いたドル資金の回収)は、やはりカネ余り環境の巻き戻しに向けた転換点という意味で、まずは株式市場は無反応というわけには行かないと思われる。いずれにしても、“転換点”を示唆する会議になりそうだ。