週明けの金市場は、1306.90ドルの高値まで見たものの、その後に売り崩され、いわゆる“行って来い”状態になった相場に対する自律反発的な動きとなった。「米韓軍の合同演習による地政学リスクの高まりを映し買われた」というのは、否定はしないが、一度は1300ドルを超えた相場ゆえに、1300ドル以下を買い進むファンドがいたという自律反発といったところか。買い上がったものの1300ドルは超えられず、上値は重い。
パラジウムが引け値で939ドルと2001年2月以来の高値となり、いよいよプラチナとの価格差を詰めている。いまから数年前くらいから、海外勢の中に、いずれパラジウムはプラチナを抜くという声があり、排ガス浄化にパラジウムを使うガソリン車の方が、プラチナのディーゼル車より圧倒的に数が多いことから、そういうこともあろう程度で、正直あまり関心を払っていなかった。それより当時は金の上昇トレンドが明確で、高値の更新を続けていたタイミングでもあったからだ。したがって、近い将来その逆転が起きれば、当時の指摘が実現したということになる。
21日の市場で目を引いたのは、このところ上昇が続いていた銅価格が、2014年11月以来の高値水準に至ったこと。5月末からここまで15%の上昇となっている。銅需要の半分は中国が占めており、中国経済の堅調さを映す動きともいえるが、投機マネーの流入を指摘する見方もある。パラジウムの上昇がこの銅の動きと整合性があるのかもしれない。