わたくし、99年からメーカーにて資材調達の仕事を10年ほどやっておりました。
主に原材料を調達する仕事です。海外からの輸入も多く、半分くらいは輸入品を担当しました。
仕事の要点は、「より良いものを世界一安く、欲しい時に手に入れる」ということです。賢く「買う」仕事です。
業界としては、半導体と液晶の素材産業になります。特殊なガラスとかシリコン単結晶の分野です。
入社当初から、業界全体にものすごい価格競争が起きていて、値下げの圧力が強烈にありました。
販売価格が値下げされると、製造原価も下げなければならず、仕入原価も下げる、の繰り返しです。
製造原価の60%が仕入原価です。その他は、30%が人件費だったと記憶しています。
わたしは、仕入原価を担当していたのですが、毎年20%から30%の値下げをしなければならない状況になっていました。
物によっては50%の値下げもありました。
値下げ要求を仕入先に行うのですが、相手もだんだん強硬な態度になっていきます。
ものすごく抵抗されますし、恨まれますし、憎まれます。でも、
交渉相手によっては、倒産寸前にまで追い込むような値下げを要求していきました。
また、値下げができないなら取引をやめることもどんどん増えていきました。
倒産する企業もどんどん増えていきました。
毎日がピリピリした雰囲気で、全く休憩もなく、昼食も取れないほどで、ひたすら精神をすり減らす戦いです。
1年や2年なら、まだ耐えられるのですが、
5年以上も続くと、本当に、精神がやられます。
この仕事は終わりなき消耗戦だったのです。自分も相手も、消耗させ続ける戦いです。
結局、どちらかが死ぬまで戦います。
そして、いくら戦っても勝ちがありません。勝っても、リストラされたり、給料を減らされたり、ボーナスカットも、もちろん日常です。
どれだけ努力しても、成果がないのです。成功しても、給料は下がるのです。
そして、毎年、この繰り返しです。
結果的に、会社として、業界全体として、生産量は増えても、値下げがあるので、販売額は減ります。
毎年、この繰り返しです。
なぜ、このような堕ちる無限ループになったのでしょうか?
わたしも、会社の関係者も、技術革新に追いつけないから、とか、生産性が上がらないから、と考えていました。(努力が足りないという人もいました)
でも、最近、マクロ経済の本を読み続けていて、やっと確信が持てたのです。25冊ほど読みました。(読んだ本の著者、浜田宏一、岩田規久男、若田部昌澄、勝間和代、田中秀臣、飯田泰之、高橋洋一、安達誠司、ポール・クルーグマン、ジョセフ・スティグリッツ)
99年から2014年まで、ものすごいデフレ経済だったのです。しかも、日本だけです。
根本的な原因は「デフレ」だったからです。さらに「デフレスパイラル」に陥ってしまったからなのです。
わたしは、ずっと自分たちのやり方に原因があるのだと思い込んでいました。そして、心が沈みました。
今、やっと心が開放された気がします。
この15年間にどれだけの犠牲が出たかを思うとやりきれません。毎年、3万人以上が自殺する時代でした。
まるで戦争しているときのような犠牲です。45万人以上も犠牲になったのですから。
デフレを良いものだと思っていた元日銀総裁や官僚の皆さんには、考え直してほしいものです。
そして、デフレから救ってくれた黒田日銀総裁、安倍政権には、よくやったと言いたいです。
主に原材料を調達する仕事です。海外からの輸入も多く、半分くらいは輸入品を担当しました。
仕事の要点は、「より良いものを世界一安く、欲しい時に手に入れる」ということです。賢く「買う」仕事です。
業界としては、半導体と液晶の素材産業になります。特殊なガラスとかシリコン単結晶の分野です。
入社当初から、業界全体にものすごい価格競争が起きていて、値下げの圧力が強烈にありました。
販売価格が値下げされると、製造原価も下げなければならず、仕入原価も下げる、の繰り返しです。
製造原価の60%が仕入原価です。その他は、30%が人件費だったと記憶しています。
わたしは、仕入原価を担当していたのですが、毎年20%から30%の値下げをしなければならない状況になっていました。
物によっては50%の値下げもありました。
値下げ要求を仕入先に行うのですが、相手もだんだん強硬な態度になっていきます。
ものすごく抵抗されますし、恨まれますし、憎まれます。でも、
交渉相手によっては、倒産寸前にまで追い込むような値下げを要求していきました。
また、値下げができないなら取引をやめることもどんどん増えていきました。
倒産する企業もどんどん増えていきました。
毎日がピリピリした雰囲気で、全く休憩もなく、昼食も取れないほどで、ひたすら精神をすり減らす戦いです。
1年や2年なら、まだ耐えられるのですが、
5年以上も続くと、本当に、精神がやられます。
この仕事は終わりなき消耗戦だったのです。自分も相手も、消耗させ続ける戦いです。
結局、どちらかが死ぬまで戦います。
そして、いくら戦っても勝ちがありません。勝っても、リストラされたり、給料を減らされたり、ボーナスカットも、もちろん日常です。
どれだけ努力しても、成果がないのです。成功しても、給料は下がるのです。
そして、毎年、この繰り返しです。
結果的に、会社として、業界全体として、生産量は増えても、値下げがあるので、販売額は減ります。
毎年、この繰り返しです。
なぜ、このような堕ちる無限ループになったのでしょうか?
わたしも、会社の関係者も、技術革新に追いつけないから、とか、生産性が上がらないから、と考えていました。(努力が足りないという人もいました)
でも、最近、マクロ経済の本を読み続けていて、やっと確信が持てたのです。25冊ほど読みました。(読んだ本の著者、浜田宏一、岩田規久男、若田部昌澄、勝間和代、田中秀臣、飯田泰之、高橋洋一、安達誠司、ポール・クルーグマン、ジョセフ・スティグリッツ)
99年から2014年まで、ものすごいデフレ経済だったのです。しかも、日本だけです。
根本的な原因は「デフレ」だったからです。さらに「デフレスパイラル」に陥ってしまったからなのです。
わたしは、ずっと自分たちのやり方に原因があるのだと思い込んでいました。そして、心が沈みました。
今、やっと心が開放された気がします。
この15年間にどれだけの犠牲が出たかを思うとやりきれません。毎年、3万人以上が自殺する時代でした。
まるで戦争しているときのような犠牲です。45万人以上も犠牲になったのですから。
デフレを良いものだと思っていた元日銀総裁や官僚の皆さんには、考え直してほしいものです。
そして、デフレから救ってくれた黒田日銀総裁、安倍政権には、よくやったと言いたいです。