さすらうキャベツの見聞記

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恋なすび

2010-01-16 18:43:36 | 日々の雑感
(写真:マンドレークの花)

 先日、創世記29章―30章を読み、初めて、恋なすび=mandrake、と知る。(これまで、「恋なすび?なんだ、それ??」と思いつつ、読み飛ばしてきたものの一つ。)



 ん?





         マンドレーク?



 それは、根が二又の、人のような、悲鳴をあげる植物じゃなかったっけ・・・(そりゃ、ゲームや小説の世界だけか?)・・・と思いつつ、英語辞書を引くと、


 mandrake
   -マンドレーク(ナス科の草本;二又に分かれた人体に似た大根は有毒。かつて、媚薬・麻薬・下剤・懐妊促進剤とされた)

 他の植物辞典では、

     地中海一帯に野生するナス科の茎のない、多年草で、卵形から長楕円形の縮れた大きな根生葉がロゼット状に生える。冬から早春にかけてブルーのベル状の花を花茎の上につける。
     梅の実大の実は春に実り、時には初夏まで野原にある。現地の人は青い時には毒性が強くて食べられないが、黄色く熟すと良い香りを放ち美味しくなるといっていた。
   ・・・(中略)・・・日本で始めて華岡清洲が乳癌の手術の麻酔に使ったチョウセンアサガオも同じナス科の植物で、ヒヨスチアミンやスコポラミンを含む。この麻酔作用と根を抜いたときに人間のような股のような形のものがあるところから、地中海沿岸の国々では催淫作用のあるあやしげな植物としていろいろいわれてきた。
     ギリシアでは根をぶどう酒につけたものは、恋を誘発する効き目があると思われ、ラブ・アップルと呼ばれてきた。彼らは不妊の女性に子どもが授かるとさえ信じていた。アラブ人にも悪魔のロウソクといわれるほどあやしまれていた。  ・・・(以下略)・・・ 



 なるほど、なるほど。
 だから、ラケル Rachel は、姉であり恋敵?のレア Leah にそれを欲しがったのか、と合点がやっといく。




        *************


  During wheat harvest, Reuben went out into the fields and found some mandrake plants, which he brought to his mother Leah. Rachel said to Leah, "Please give me some of your son's mandorakes,"


  (さて、ルベンは麦刈りのころ、野に出て行って、恋なすびを見つけ
、それを自分の母レアのところに持ってきた。するとラケルはレアに、「どうか、あなたの息子の恋なすびを少し私にください」と言った。)


  But she said to her, "Wasn't it enough that you took away my hasband? Will you take my son's mandrakes too?"
"Very well," Rachel said, "he can sleep with you tonight in return for your son's mandrakes."

   (レアはラケルに言った。
    「あなたは私の夫を取っても、まだ足りないのですか。私の息子の恋なすびもまた取り上げようとするのですか。」
    ラケルは答えた。
    「では、あなたの息子の恋なすびと引き換えに、今夜、あの人があなたと一緒に寝ればいいでしょう」




 

【参考・引用文献】
・バイリンガル聖書(英語:NIV、日本語:新改訳第3版・・・って言うのが少々・・・残念ではあるが)、いのちのことば社、2009

・電子辞書内にある「リーダース英和辞典 第2版」、研究社、1999
・廣部千恵子著:新聖書植物図鑑、教文館、1999


【おまけ】
・医学(麻酔)の歴史、マンドレークあり(ハリポタ記述も)。
 http://www.anesth.hama-med.ac.jp/Anedepartment/art-body.asp 
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