(レンブラント「ベルシャザルの酒宴(壁の言葉)(Belshazzar's Feast)」1635年頃 167.5×209cm)
『呪文の4択問題』。どれを選びましたか?
さて、簡単に、解答・解説です。
1.『メネ・メネ・テケル・ウ・パルシン』
時は紀元前(B.C.)539年の頃。バビロン(場所は、今のイラク)のペルシャツァル王の元で、大宴会が行われていたとき、不思議な手が壁に字を書き始めた。
ユダヤからの捕囚のひとり、すでに老人となったダニエルがそれを解読・解釈するために呼び出された。この言葉は、「数える」「量る」「分ける」であるといい、これは『王の治世が数えられ、はかりで測られて「目方が足りない」とされ、国が分割されて、メディヤとペルシャとに与えられる』という意味だと、伝えた。
そして、その夜、バビロン人たちが彼らの神々の祭りを行っている最中、難攻不落と言われたバビロンは攻め落とされる。(旧約聖書・ダニエル書5章、他)
2.『アナテマ』
時は移って、A.D(西暦)に入る。
イエス・キリストの十字架刑ののち、しばらくの間、キリスト教徒たちを迫害したサウロ(のちのパウロ)が、一転、キリスト教徒となる。そのパウロが後に、獄中から、あちらこちらの教会にあてて手紙を書いた。
その書簡のひとつ、「コリント人への手紙 第一」の最後に書かれた言葉、『主(しゅ)を愛さない者はだれでも、呪われよ』。このギリシャ語『ανάθεμα(アナテマ)』は、呪いの言葉である。そう言い切るほど、パウロは、神を、イエスを、愛した。
が、この呪文(言葉)だけは、マネしてはいけない。
3.『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
では、パウロがそれほどまで慕ったイエス・キリストは、どんなことばを言ったのか。数多いが、ある意味、有名なことばの一つはこれ、エリ・エリ・レマ・サバクタニ。「わが神、わが神、どうして、わたしをお見捨てになったのですか」(マタイ27:46)。
手足を釘づけられ、全体重がそこにのしかかり、激痛を覚え、見世物にされながら、彼はそう言った。人々は、「他人は救ったが、自分は救えない」とあざけった。そして、息を引き取ったとき、この一部始終を見ていたローマの百人隊長はこう言った、「この方は、まことに神の子であった」。
4.『リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール』
最後になりました。幼いシータに、おばあちゃんが教えたおまじない。「我を助けよ、光よ甦れ」
4択問題のうち、これだけが別出典。その物語の「滅びの呪文」は、現在、日本のサーバーを落とす(滅ぼす)ということで有名ですね(゜_゜
というわけで、正解(仲間外れ)は4でした。