一昨日、観劇のために東京へ行って来た。
①劇団☆新感線『鉈切り丸』
②ABC-Tokyoバレエ団10周年記念公演
①の会場は、渋谷の東急シアターオーブ。
観易くて音響のいい会場。
観劇中は気付かなかったが、生演奏だったのも驚き。
舞台の上手・下手ソデの上部に紗幕がかかり
その奥で奏者が演奏していたのでした。
文献から消し去られた歴史…
為政者の都合で存在を消された人間は
いつの世にもいたことだろう。
現在だって同じこと…
今起きているたくさんの出来事も
歴史の一ページに刻まれることなんてごく僅か。
殆どが時と共に消え去って行く…
源氏と平氏が権力を握ろうと躍起になっていた時代
主役は、源頼朝の異母弟・範頼…別名を「鉈切り丸」
歴史をざっくり読んだだけでは思いつかない
奇想天外なフィクションだった。
確かにね。
有名なのは、頼朝と義経。
範頼は、頼朝の弟であり、義経の兄。
母親は違うのだが…
歴史では、異母兄・頼朝に謀反の疑いをかけられ
流罪になり謀殺されたという記述がある。
その範頼を
「出生を憎み、生い立ちを憎む、恨みの心に支配された男」
として表出。
権力を手に入れ、上に昇り詰めることで
存在意義を見い出そうする悪路王…
リチャード三世と源範頼を重ね合わせて創作した作品。
リチャード三世が残忍で極悪非道であるという前提がある。
要するに何を描き何を提出したいか次第なんだよね。
鉈切り丸が狂気の世界に入り込んでいく過程と悲惨な結末…
壮絶な最期に思わず涙がこぼれた。
全体として、殺陣の見応え度は抜群。
さすが新感線という感じ。
主役の範頼役・森田剛君は、醜悪なせむし男のイメージ。
片足をひきずりながらも身のこなしが軽かった。
最初のうち発声に違和感を感じたが
後半に向かうに連れ、悪声が良い感じに
人物とリンクし始めたように思う。
好みは分かれるところだろうけど
生瀬さん、麻美さん、若村さんなどの芸達者な脇役が
しっかりと主役を支え、見応えのある舞台だった。
舞台美術、音楽も効果的に使用され
シーン数は多めだったが、スムーズな転換で
違和感を感じることなく観ることが出来た。
現在、残忍さの追及と表現手法について考察中。
②のバレエ会場は、目黒パーシモンホールの大ホール。
セットは何もなく、若干の吊りモノと照明のみ。
ある意味、新鮮だった。
ダンサーの身体性が勝負の舞台。
第一部は、チャイコフスキー「眠れる森の美女」の
オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥ
J君が王子役。
J君がプロの世界に入って8年の時が過ぎ
なかなか舞台を観に行く機会が作れず
ようやく観に行くことができた。
二人の呼吸が合い、とても美しいパ・ド・ドゥ。
数年前に観た時より、J君がとても大きく見えた。
最後は創作舞踊「雪女」
これもかなり見応えがあった。
音楽はね、驚きの組みあわせだった。
久石譲さんの「もののけ姫」が核になっていたが
突然「ルパン三世」が流れてスパイ風のダンスになったり
ファミコン風の音色になったり、和風になったり
現代と雪女の世界が交錯する斬新な創り。
大勢でのマイムもユニークだった。
目と耳にいろんな刺激をもらえて
クラッシックバレエを観たことがない人でも
楽しめる内容だったように思う。
風をはらんでなびく衣装がとても美しく
特に雪女の手下(?)の群舞は
時に激しく時にコミカルで面白かった。
ナント言うか…台詞はないが
声、叫びが聞こえるような踊りだった。
雪女役のダンサーのレベルも高く
しなかやで非常に美しかった。
美しさ、力強さ、激しさ、はかなさ…
身体表現への興味がさらに増していく。
地道な基礎の積み重ねがあって出来る技
内面を磨き続けるからこそ出来る技…
2本の舞台からたくさんの刺激を頂きました。
感謝!!
『鉈切り丸』の戯曲を購入したので
昨日の稽古で引用し、台詞練習に使ってみた。
うふふ…
面白い発見がありました♪
この他に、シェークスピアの『マクベス』から
長台詞を抜粋して稽古に使用中。
実際の舞台で長台詞を言う機会は殆どないけど
長い台詞を自分なりに咀嚼して
他者の心に響く言葉にすることができれば
短い台詞は、おちゃのこさいさいになるんじゃないかと。
シェークスピアの台詞は、ただ読んだだけでは伝わらない。
想像力が鈍った現代人には、とても良いテキストかも…
と思っている。
①劇団☆新感線『鉈切り丸』
②ABC-Tokyoバレエ団10周年記念公演
①の会場は、渋谷の東急シアターオーブ。
観易くて音響のいい会場。
観劇中は気付かなかったが、生演奏だったのも驚き。
舞台の上手・下手ソデの上部に紗幕がかかり
その奥で奏者が演奏していたのでした。
文献から消し去られた歴史…
為政者の都合で存在を消された人間は
いつの世にもいたことだろう。
現在だって同じこと…
今起きているたくさんの出来事も
歴史の一ページに刻まれることなんてごく僅か。
殆どが時と共に消え去って行く…
源氏と平氏が権力を握ろうと躍起になっていた時代
主役は、源頼朝の異母弟・範頼…別名を「鉈切り丸」
歴史をざっくり読んだだけでは思いつかない
奇想天外なフィクションだった。
確かにね。
有名なのは、頼朝と義経。
範頼は、頼朝の弟であり、義経の兄。
母親は違うのだが…
歴史では、異母兄・頼朝に謀反の疑いをかけられ
流罪になり謀殺されたという記述がある。
その範頼を
「出生を憎み、生い立ちを憎む、恨みの心に支配された男」
として表出。
権力を手に入れ、上に昇り詰めることで
存在意義を見い出そうする悪路王…
リチャード三世と源範頼を重ね合わせて創作した作品。
リチャード三世が残忍で極悪非道であるという前提がある。
要するに何を描き何を提出したいか次第なんだよね。
鉈切り丸が狂気の世界に入り込んでいく過程と悲惨な結末…
壮絶な最期に思わず涙がこぼれた。
全体として、殺陣の見応え度は抜群。
さすが新感線という感じ。
主役の範頼役・森田剛君は、醜悪なせむし男のイメージ。
片足をひきずりながらも身のこなしが軽かった。
最初のうち発声に違和感を感じたが
後半に向かうに連れ、悪声が良い感じに
人物とリンクし始めたように思う。
好みは分かれるところだろうけど
生瀬さん、麻美さん、若村さんなどの芸達者な脇役が
しっかりと主役を支え、見応えのある舞台だった。
舞台美術、音楽も効果的に使用され
シーン数は多めだったが、スムーズな転換で
違和感を感じることなく観ることが出来た。
現在、残忍さの追及と表現手法について考察中。
②のバレエ会場は、目黒パーシモンホールの大ホール。
セットは何もなく、若干の吊りモノと照明のみ。
ある意味、新鮮だった。
ダンサーの身体性が勝負の舞台。
第一部は、チャイコフスキー「眠れる森の美女」の
オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥ
J君が王子役。
J君がプロの世界に入って8年の時が過ぎ
なかなか舞台を観に行く機会が作れず
ようやく観に行くことができた。
二人の呼吸が合い、とても美しいパ・ド・ドゥ。
数年前に観た時より、J君がとても大きく見えた。
最後は創作舞踊「雪女」
これもかなり見応えがあった。
音楽はね、驚きの組みあわせだった。
久石譲さんの「もののけ姫」が核になっていたが
突然「ルパン三世」が流れてスパイ風のダンスになったり
ファミコン風の音色になったり、和風になったり
現代と雪女の世界が交錯する斬新な創り。
大勢でのマイムもユニークだった。
目と耳にいろんな刺激をもらえて
クラッシックバレエを観たことがない人でも
楽しめる内容だったように思う。
風をはらんでなびく衣装がとても美しく
特に雪女の手下(?)の群舞は
時に激しく時にコミカルで面白かった。
ナント言うか…台詞はないが
声、叫びが聞こえるような踊りだった。
雪女役のダンサーのレベルも高く
しなかやで非常に美しかった。
美しさ、力強さ、激しさ、はかなさ…
身体表現への興味がさらに増していく。
地道な基礎の積み重ねがあって出来る技
内面を磨き続けるからこそ出来る技…
2本の舞台からたくさんの刺激を頂きました。
感謝!!
『鉈切り丸』の戯曲を購入したので
昨日の稽古で引用し、台詞練習に使ってみた。
うふふ…
面白い発見がありました♪
この他に、シェークスピアの『マクベス』から
長台詞を抜粋して稽古に使用中。
実際の舞台で長台詞を言う機会は殆どないけど
長い台詞を自分なりに咀嚼して
他者の心に響く言葉にすることができれば
短い台詞は、おちゃのこさいさいになるんじゃないかと。
シェークスピアの台詞は、ただ読んだだけでは伝わらない。
想像力が鈍った現代人には、とても良いテキストかも…
と思っている。