蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

2018年を振り返って・・・②2018信州総文祭

2019年01月01日 19時53分44秒 | 日記

2018信州総文祭の公式名称は・・・

『第42回全国高等学校総合文化祭 2018信州総文祭』

これは高校文化部のインターハイ
2018年は長野県が主催県として
総文祭総合開会式を開催するということを
主催者である長野県の総文祭推進室ご担当者から伺ったのが
2017年の3月だった。

オリンピックの開会式のようなイメージかな。

この総文祭には全国から2万人の高校生が集うという。

そもそも「総文祭」という名称すら、私は聞いたことがなかった。

推進室からご依頼をいただいたのは総合プロデューサーと言う大任。

私は劇団を立ち上げて以来、自分ではそれと知らずに
総合プロデューサーの役割を果たしていたということに気づいたのが
これを遡ること数か月前だった。

私は本来演出家だけど、スタッフ&キャスト総勢100名が携わる
ナガノオープンエアシアターにおいては
芝居だけでなく、制作・広報・大道具・小道具・衣装・音楽・振付に至るまで
全てが私が司令塔となって進行する。

つまり、全てを統括し、円滑に進めていくための司令塔がプロデューサー。

しかし信州総文祭は関わる人数が、オープンエアの比ではない。

しかも高校と言う教育現場で行われる祭典。

「私にできるのだろうか・・・」と悩んだ。

演劇を広めることを目標に掲げていた私にとって
高校生に何らかの形で演劇に携わってもらえる機会になるとすれば
進んでお引き受けすべきなのではないか・・・という結論に達し
お引き受けすることを決意したのが
一昨年のことだった。

その後、生徒実行委員会に出席して
生徒たちが総合開会式でやりたいことに耳を傾け
彼らの希望を私なりに最大限取り入れた台本を執筆。

総文祭推進室、諸先生方、演劇専門部の皆さんのご協力をいただき
2017年10月にプレ大会総合開架式を無事に終えた・・・

あ、本大会の前年度に行うのがプレ大会
簡単に言えば本番のリハーサル。

全国総合開会式には都道府県の生徒代表と
文化専門部の代表が集い
式典と生徒発表が行われる。

第1部が式典、休憩をはさんで第2部が生徒発表となっており
生徒発表は、構成劇かアラカルトというスタイルが主流。

何か面白いことを・・・というご要望をいただいき
第1部と第2部の間の休憩を取らずに繋げてみては?
とご担当の方々とご相談。

構成劇ではなく、ストーリーのある生徒発表にしたいという
ご要望に応えるべく、創意工夫を凝らしたプレ大会だったが
演劇要素が強すぎたというご意見があり
本大会は、より生徒の意見を尊重した生徒発表を!ということで
2017年12月にシナリオ委員会が発足。
以来数回の会議を重ね、台本の骨格が出来たのが3月末。

私は劇団本公演の稽古と会議が被ったり
公演日と会議が被ったりして2度ほど欠席したが
演劇専門部の顧問の先生方の多大なご尽力で
生徒の意見が反映された台本が仕上がった。

プレ大会の時は、先生方との距離が今一つ縮まらなかったが
このシナリオ委員会のおかげで
先生方とコミュニケーションをとれるようになった。

生徒たちもプレ大会の時より何倍も成長し
自分の意見を述べつつも他者の意見に耳を傾けるようになり
実行委員としての自覚も強くなって
みんなで総合開会式を成功させよう!という団結が育まれ・・・

本大会の生徒発表は長野県独自のハイブリッド方式。

これは、文化専門部と演劇の2つが同じウエイトで紡がれていく方式。

しかも本大会は、世界4か国からも代表生徒が参加して
それぞれパフォーマンスを披露することになっている。

これらをすべて組み合わせつつ、全てが相乗効果となり
感動のストーリーが浮かび上がる・・・

この難しいご要望に、演劇部の顧問の先生方とご相談しながら進めていく。

本番は8月7日(火)

その直前には生徒実行委員会の合宿があり
本番5日前から会場であるまつもと市民芸術館入り。

この時期は、野外劇の稽古が佳境で通し稽古に入らねばならない。

このお仕事をお引き受けする時、劇団員に相談したところ
青木さんがいないときは、自分たちが稽古を進行する、と約束してくれた。

その言葉通り、劇団員たちが稽古を順調に進行してくれたおかげで
昨年の野外劇も滞りなく好評のうちに幕を閉じることができた。

支えてくれた劇団員たちに感謝!

総文祭は高校生の祭典だが、その裏側では
多くのプロフェッショナルな大人たちが支えている。

長野舞台さん、セレスポさん、共立プランニングさんの献身的な動きを見て
私もたくさん学ばせていただいた。

●オファーを受けた仕事に対する姿勢
●主催者の真意をくみ取る度量
●ご要望を最大限実現させるための創意工夫
●無茶な要望があった場合、相手を説得するためのポイント

言葉の選び方一つでボタンの掛け違いが起き
いつしか暗雲が発生し、時には雷が落ちる。

早い段階で掛け違いであることに気づくことが肝要。

人はそれぞれ大切に思うことが違う。
好みも違う。

本当は、自分の物差しは置いておいて
その企画に最適な物差しを持つことができればいいんだけど
これがなかなか難しい。

推進室のご担当者も専門部の先生方も
舞台スタッフさんも、業者さんも
誰もが総合開会式の成功を願っている。

思いが強ければ強いほど
意見のバトルがあるのは普通のこと。

大切なのは生徒たちの意見と心意気を尊重し
総合開会式を大成功で終えることであり
そのために必要なことであれば
自分の意見は飲み込み、他者の意見を理解する・・・

これが総文祭を通じて私が学んだことの筆頭だ。

実際に会場入りしてからは演出家としての働きも行ったけど
本大会に向かう過程での私の任務はパイプ役、だったかと。

先生方、推進室、舞台スタッフ、業者を繋げるパイプ役。

これって非常に大切な役割・・・だったと今になって改めて思う。

仕事を成功させるか否かは、コミュニケーションの良否で決まる。

以前から思っていたし、就職支援講座でも話していたことだけど
身をもって痛感したのが総文祭だった。

演劇は他者と関わりながら創り上げていくモノ。

ギクシャクしながら、不平不満を言いながらでも
台本と演出が良ければ、そして役者に力量があれば
お客様に感動していただくことは可能だが
みんなが気持ちよく、もっとやりたい、もっと頑張りたいと思えば
それ以上に凄い舞台が出来上がるに違いない。

8/7の総合開会式は、秋篠宮殿下、紀子様をお迎えして晴れやかに開催され
お天気にも恵まれ、プレ大会で雨天中心になったパレードも無事行われた。

本番は圧巻だった。
式典も素晴らしかったし、生徒発表もスムーズに流れ
世界4か国のパフォーマンスも素晴らしく
長野県高校生の文化専門部発表もクオリティが高くて
間を紡いだ演劇部の生徒さんたちも落ち着いて演技をしている。
染谷丘のダンス班の演劇的パフォーマンスも言うことなし♪
観ていて心地よく、とても楽しめた。
(あ、一か所音響ミスがあった!お客様は気づかなかったようだけど)

発表最後のシーン、式典音楽隊と大合唱団による「第九」~
グランドフィナーレの全員ダンスの大迫力は
皆さんにもお見せしたかったなぁー

生徒実行委員に志願した生徒たちは
ナニモノに代えがたい経験が出来たことでしょう。

この記憶は一生消えることがないでしょう。

どんなに大変でも辛くても
諦めずに最後までやり抜いた総文祭は
まさにみんなの「たからもの」

あとで聞いた話によりますと
全員ダンスのシーンで紀子さまがご一緒に踊ってくださったとか・・・
秋篠宮殿下、皇室関係者も非常に評価してくださったそうです。

生徒の皆さんの頑張りと、関係者の皆様のご尽力で
無事総合開会式を終えることが出来ました。
ご関係の皆様に心から御礼申し上げます。

誠にありがとうございました!

高校生との交流を通して

 日本の未来は捨てたもんじゃない
 未来を明るくするか暗くするかは教育次第

改めて教育・・・子どもたちに対する大人の導き方が重要だと痛感。

だって、生徒たちは・・・子どもたちは能力がある。
けど、その能力は機会がなければ埋没してしまう。
いや、能力があることに気づけないまま
大人になってしまう可能性もある。

私が須坂☆キッズシアタープロジェクトの内容を
少し高度に設定している理由がコレ。

総文祭に携わることができた高校生の皆さんへ

この経験で培ったことを糧として
明るい未来を自分たちの手で掴みとろう。

皆さんの今後の活躍を楽しみにしています(*^▽^*)


2018年を振り返って・・・①劇団本公演2018「白とかげ」

2019年01月01日 17時05分54秒 | 日記

新年のご挨拶をしているうちに、あっという間に夕方になってしまった。。

仕事もあるが、先に2019年の振り返りを行うことにしよう。

昨年は例年以上にたくさんの舞台や出来事があり
全てを書き込むことはできそうにない。

あーずく出して日々記載しておけばよかった。。

なので、今年はできるだけBlogを更新しようと思っている。

 

さて・・・

 

昨年の最初の舞台は2月~3月の劇団本公演

開場は長野市のNAGANO CLUB JUNK BOXと
東京池袋のシアターグリーンベースシアター

夢幻初の東京公演!

私は千葉出身。
結婚前まで東京で演劇活動を行っていたため
知人や友人はいるが、長野に引っ越してきて
そろそろ30年、関東の友人ともすっかり疎遠になっていて
東京で公演すると決めたまでは良かったが
果たしてお客様が足を運んでくださるのか・・・
何よりも動員が心配だった。

作品は岸田國士さんの三作品をコロスが紡いでいく「白とかげ」

 

初の東京公演ということもあり
劇団として最大限の力を出し切れるよう
早めに稽古に取り組もうとしていたのだが
岸田氏の作品を紡ぐコロス役のイメージが定まりきらず
台本が遅れた上に、劇団員ケンジが
小池博史さんの舞台に出演することになり
12月~2月上旬まで稽古のため東京の兄の家に・・・

2030世界漂流 トレーラー2

彼は長野に一週間一回帰省し
小池作品と夢幻作品を交互に稽古。

2012年までの劇団本公演は
劇団員、研修生、キッズ全員が出演していたが
2011年の本公演をご覧になったお客様から
大変厳しいご感想をいただき
演劇専門集団としての在り方を考えるきっかけをいただいた。

そして、質の高い舞台を目指すために
2012年以降、出演者は劇団員とセミプロのみとして
2016年までの4年間、研修生は出演せず
裏方を手伝ってもらってきた。

研修生の稽古は週一回とMAのみ
MAは演劇学校で行っている内容に準じているため
継続できれば役者としての力量も上がっていくはずだが
日曜日の夜ということもあり、欠席せずに続けるのは大変のようで・・・

それでもずっと継続してきた研修生たちは
徐々に身体能力がアップし、役者としてのスキルが上昇。

そこで、2018年の劇団本公演に関しては
研修生から出演希望を募り
希望者全員に参加してもらうことに決めた。

なので、猶更早くスタートを切らねばならかったはずが
上記の事情で予定がずれ込み
みんなに大変苦労を掛ける結果となってしまった。

ただ、小池さんの演出を受けたケンジは
またプロフェッショナルな方々と
共演をさせていただいたこともあり
様々なことを学んで帰って来た。

自分の力量をみつめ、出来ないことを自覚し
目標を明確に定め、やるべき稽古内容を精査して
ひたすら真摯に取り組む・・・

単純なことのようだけど・・・
実はこの姿勢が何よりも大切なんだよね。

どんな分野でもこの姿勢がなければ
何かを成し遂げることはできない。

小池さん、共演者の皆さま
本当にありがとうございましたm(__)m

小池さんの舞台終演後、本公演初日までの2週間は
みんな死に物狂いで稽古を重ねた。
そして、何とか長野公演の初日を迎えた。

岸田さんの3作品を演じ分ける劇団員たちは
大道具・小道具・衣装・広報・製作など
たくさんの仕事をこなしながらも
一定ラインを越える演技でお客様を楽しませてくれた。

メンターさんに作っていただいたラップ交じりの曲で
役者が歌い踊るシーンも好評。

北村さんに製作していただいたレトロなマントがかっこいいと評判で
牧さんのバイオリンの選曲も良かったと好評だった。

JUNKでの公演も久しぶりだったが
陣谷さん始めスタッフさんのご協力で
無事長野公演を終えることができた。

  

JUNKスタッフの皆さま、ありがとうございましたm(__)m

が、しかし・・・

団員たちは皆やり残したことがある様子。

だよねー

もっと出来ることがある…私もそう思った。

彼らの悔しそうな表情は今でも時々思い出す。

本番を経て、自分が出来ていること、出来ていないことが
それぞれ明確になったせいか
東京公演までの2週間の稽古で
団員全員が見る見る伸びるのがわかった。

「自分を知る」

これ、大事なポイント(^.^)

そして、東京公演の二日前に小屋入り。

会場は池袋駅近くのシアターグリーンさん。

東京公演には長野三光スタッフさんに同行していただいた。

キャスト・スタッフ全員の交通費・宿泊費を
負担するのは正直きつかったけど
完成度の高い舞台を提出するためには
信頼できるスタッフに携わっていただくことが必要不可欠なのだ。

三光スタッフさんのおかげで、無事仕込みが完了。

ベースシアターのステージはJUNKのステージと大きさが異なるため
若干演出を変えた部分もあり、場当たりに時間がかかったが
何とか無事初日の幕をあけることができた。

 

東京公演はダンサー青木淳くんが出演し
ステージに華を添えてくれた。
稽古に合流したのは僅か2日とリハーサルのみ。
少々心配だったが、そこは流石プロ。
本番では見事なダンスでお客様を魅了してくれた。

牧さんのバイオリンも素晴らしく
長野公演と同様、選曲を誉めて下さるお客様が多かった。

長野公演を経た役者陣は堂々としていて
とても頼もしく輝いていた。

心配していた動員は・・・

東京在住の元夢幻関係者や
知人の演劇人を通してご紹介いただいた演劇関係者のご協力と
私の古巣劇団東俳のF社長始めスタッフの皆様のご協力をいただき
4回公演のうち3回がほぼ満席となった。

ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございましたm(__)m

この東京公演を通じて、疎遠になっていた友人や
東京で女優として活躍中の栗生みなちゃんと
嬉しい再会があった。

かわいかったみなちゃんが、美しい女性に変貌を遂げていてビックリ!
彼女が出演する舞台が、同じシアターグリーンで上演されていたことも
何かの引き合わせであったに違いない。

以前オープンエアに出演したことがあるさくらさんと楓ちゃんは
周知活動と受付を手伝ってくれて感謝!

随分前になるが、高崎バレエ団から演劇WSのご依頼をいただき
2年間、講師として通っていたことがあり
その時の教え子・Rちゃんが受付を手伝ってくれた。

また東京に転勤となった須坂直虎公演に出演したメンバーも
受付のお手伝いにきてくれて・・・

本当に有難かった。

皆さんに深く感謝!

東京公演の成功は、ご縁を大切にしてきた結果かもしれない。

これからもいただいたご縁を大切にしながら
より良い舞台を創っていこう!と
改めて決意した2018年の本公演でした。

☆大切なキーワード

 感謝/ご縁/真摯な姿勢/自分を知る


新年のご挨拶♡

2019年01月01日 16時41分18秒 | 日記

昨年中に2018年の振り返りと総括をしようと思っていたが
年末稽古とQ入り台本製作で全く時間が取れずじまい(^-^;

そしてついに平成最後の年、2019年が幕をあけた(*^▽^*)

ということで、新年のご挨拶を・・・

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

謹んで謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年も大勢の皆様のご支援ご協力を賜りまして
いくつもの舞台を好評のうちに終えることが出来ました。
携わってくださいました全ての皆さまに
心より御礼を申し上げます。

誠にありがとうございました。

本年は「進化の年」と位置づけ
劇団も私も進化を遂げることができるよう
虚心坦懐の心持で取り組んでまいります!

本年も変わらぬご支援とご協力を賜りますよう
お願い申し上げます。

皆さまのご多幸を心よりお祈り申し上げます。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

年賀状のイラストは研修生のシンヤが
描いてくれた(*^▽^*)
 
かわいらしい猪たち♪
シンヤ、ありがとうm(__)m
 
猪の色は、劇団員4人のイメージカラーだとか・・・
私はオレンジかなー? 

今年の干支は“猪”
 
すぐに思い浮かぶ四字熟語は「猪突猛進」
目標に向かって一直線に突き進むという意味。
 
私は目標を定め、達成するために必要な寄り道したり
周囲の状況を見渡したりできるくらいの太い道を
一歩一歩着実に歩んでいきたいと思う。

健康第一で!!!
  
夢幻工房は2019年を「進化の年」と名付けた。
 
これまでのご縁を大切にしてより良い関係を築き
団員たちの意見に耳を傾けながら
自分自身が出来ることの幅を広げつつ
劇団も自分も進化を遂げる一年にしたい。

新年1本目の舞台は1/6(日)メセナホール小ホール
須坂☆キッズシアタープロジェクトの発表会。
 
そして、その2週間後は劇団本公演の初日!
1月20日(日)上土劇場♪
 
今年も演劇三昧の年になりそう~~♡

今年もお客様の笑顔を想像しながら
感動の舞台を提出できるよう最善を尽くしてまいります!

皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします!!!