昨夜テレビの『しくじり先生』を観ていたら、武田真治さんの回でした。
そこで、ひきこもり状態に陥っていた武田さんを救ってくれた恩人として、忌野清志郎の名前が出てきて、驚かされました。
このブログではたびたび名前が出てきて、つい最近も井上陽水さんとのデュエット曲「愛を謳おう」を紹介したばかりでした。
武田真治さんが時々キヨシローのバックでサックスを吹いているのは知っていましたが、今回のしくじり先生で、はじめてその経緯を知りました。
完璧主義で自分を追い詰めてしまい、芸能界も引退しようとしていた武田真治さん……そこへ、竹中直人さんの紹介で、キヨシローの前でサックスを吹くことになります。そこから、キヨシローのバックバンドのメンバーとなるのです。
1999年ごろ、ちょうどRUFFY TUFFY をやってた時期ですね。
「君が代」をパンクバージョンにして歌ったりして物議をかもしていました。かつての東京FM事件もそうですが、そういうことをやって、しかもその後も干されたりしないというのが清志郎のすごいところです。そして、そんなキヨシローだから、人を救ってしまうわけです。
武田真治さんは、忌野清志郎との思い出の曲として、「トランジスタ・ラジオ」を挙げていました。
RC時代から歌い続けていた名曲ですね。
授業をサボって屋上でラジオを聴いている――そんな主人公の姿に、武田さんはいったんドロップアウトした状態にあった自分を重ね合わせていたそうです。
“ひきこもり”ということでいうと、津原泰水さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』に通ずるものがあるかもしれません。そう考えると、「トランジスタ・ラジオ」で歌われるモチーフは、ビートルズの
I'm Only Sleeping
と似ているようでもあります。この歌は、かつてNHKの若者番組にも使われていましたが、やはりそういうフィーリングなんでしょう。
ドロップアウトしているけれど、それは本当は、いつか輝くときのために眠っているだけなのかもしれない……そして、そんな“ヒッキー”に寄り添うのが忌野清志郎なんだなあと思いました。