ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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Black Eyed Peas, Where Is the Love

2018-09-22 22:32:19 | 音楽批評
最近このブログでは、2001年の同時多発テロ以後のアメリカに関する記事をいくつか書いてきました。
音楽関連記事でも、そこにリンクしていこう……ということで、ブラック・アイド・ピーズの Where Is the Love という曲を紹介します。

ブラック・アイド・ピーズがジャスティン・ティンバーレイクをフィーチャーして発表した曲ですね。
たしか、ファーギーが加入して最初に出したのもこの曲じゃなかったでしょうか。




マイケル・ムーア監督が『華氏911』という映画を撮ってますが、この映画を作るにあたって監督がインスピレーションを受けた曲を集めたアルバムというのが出ています。そのアルバムも、この曲が収録されていました。
私は、この方面の音楽のことはあまりよく知らないんですが、この Where Is the Love はなかなか名曲だと思ってます。
以下に、歌詞の拙訳を載せておきましょう。若者言葉というのかヒップホップのスラングなのか、ちょっと解釈に戸惑うところもあって、間違った訳になってしまってる部分もあるかもしれませんが……


  ママ、どうしちまったんだこの世界
  まるでみんな ママなんかいないみたいだ
  この世界はドラマ中毒
  トラウマを生み出すことばかりにひきつけられて
  海の向こうじゃテロを止めようなんていってるけど
  テロリストはまだこのアメリカにいる
  CIA、ブラッド&クリプス、KKK
  自分の民族だけを愛するということは
  差別の余地を生む
  差別は憎悪を生み出し
  憎悪は苛立ちにつながる
  これがお前たちのやってることさ
  そいつをただすために愛が必要だ
  心をコントロールし、瞑想して
  魂を愛に引き寄せるんだ

  殺す人たち 死んでいく人たち
  傷つく子どもたち その泣く声が聞こえる
  教わったことを実行できるかい
  もう片方の頬を差し出して 
  神よ 私たちを助け
  天上から導いてください
  この世界をみていると 問わずにいられないのです
  愛はどこにあるの――と 

  まったく変わっちまった
  新しい世界はどこか奇妙だ
  世界は狂っちまってる
  もしラブ&ピースが強力だっていうなら
  どうして愛のかけらもないんだ
  国は爆弾を落としてるし
  化学ガスが子どもたちの肺を満たし
  苦しみとともに若者は死んでいく
  愛はどこへいってしまったんだ
  いったいなにが起きたんだ
  俺たちの住むこの世界 人々はあきらめてばかり
  誤った決断をくだし 分断されるばかり
  互いを敬うことなく 否定ばかりして
  戦争は続いてもその理由は知らされない
  真実は秘密のまま 覆い隠されている
  真実を知らないってことは
  愛も知らないということさ
  愛はどこへいったんだ――わからない
  真実はどこへいったんだ――わからない
  愛はどこにあるんだ?
  
  殺す人たち 死んでいく人たち
  傷つく子どもたち その泣く声が聞こえる
  教わったことを実行できるかい
  もう片方の頬を差し出して 
  神よ 私たちを助け
  天上から導いてください
  この世界をみていると 問わずにいられないのです
  愛はどこにあるの――と 

  世界の重みを肩に感じる
  年を重ねるにつれて人の心は冷たくなっていって
  考えるのはカネもうけのことばかり
  利己心だけが人を動かす
  メディアは間違った情報ばかり
  ネガティブなイメージばかりが選びだされ
  若者の心にバクテリアみたいに感染して
  キッズたちは映画のマネをする
  人の尊厳はどうなったんだ
  公正と平等はどうなったんだ
  愛ではなく憎しみが広まり
  無理解が連帯を遠ざける
  だから俺はときどき落ち込んでしまう
  無理もないことさ
  ただ俺は自分の信念を貫くだけ

  殺す人たち 死んでいく人たち
  傷つく子どもたち その泣く声が聞こえる
  教わったことを実行できるかい
  もう片方の頬を差し出して 
  神よ 私たちを助け
  天上から導いてください
  この世界をみていると 問わずにいられないのです
  愛はどこにあるの――と 


これは同時多発テロの直後に発表された歌なんですが、そこに書かれていることは、その後のアメリカだけでなく世界全体の空気にあてはまっているように思えます。
“〇〇ファースト”というようなフレーズはその象徴でしょう。〇〇ファーストという言い方は、裏を返せば、その〇〇にあてはまるもの以外は軽視したり場合によっては排除するということを暗にいっているのであって、差別や排除といった攻撃性をうちに秘めた言葉だと思うんですね。そういう言葉を政治家が口にし、それを支持する人が少なからずいるという状況……どこかで舵を切らないと、世の中ますますおかしくなっていくばかりなんじゃないでしょうか。

自民党総裁選

2018-09-20 16:11:55 | 時事
自民党の総裁選が行われました。
結果は事前に想定されていたとおりで、まあ別に自民党員でもない私には直接関係のない話なんですが……今回の総裁選では、突然“薩長同盟”という言葉がクローズアップされたりもしてましたね。

大河ドラマにひっかけてということなんでしょうが、安倍総理が鹿児島で薩長同盟という言葉を使いました。そこで引用した歌がピントはずれじゃないかというツッコミも入ってるわけですが。

どうも私は、“薩長同盟”という言葉にあまりいい印象を持ってません。

というか、それ以前に、私は明治維新というものをあまり偉業だという風には思っていないほうの人間です。

尊王攘夷派は、外国人出て行けという思想の持ち主のはずなのに、イギリスと手を組んでるわけです。
当初の目的とはまったく正反対のことをして、いつの間にか倒幕が目的みたいになってしまってます。見ようによっては、本末転倒なんです。(もっとも、近年の研究によれば、薩長同盟というのは必ずしも軍事同盟ではないという見方もあるようですが)

まあ、たいてい革命なんてのはそんなものでしょうが……それよりも問題だと思うのは、薩長同盟というのが、後の藩閥政府につながっているということですね。

維新後、薩長閥が力を持つようになり、その状態は、少なくとも明治の間ずっと続いていました。

ごく一部の人間だけが意思決定に関与していて、議会を導入してもそれは形ばかりのものでしかないという体制が作られました。そして、私が思うところ、それによって醸成された政治風土は、現代にいたるまで日本に根をはりつづけています。
それはすなわち、“中心”とその“対抗勢力”という構図があって、多極性がないという状態です。野党は一応存在するけれど、政権交代が起きる可能性は実質的にゼロ。“選択”は事実上できないため、結果として有権者は能動的に政治に関与することがなく、政治のことは政治に携わる一部の人たちにおまかせになってしまう……

これを日本は相克しなければいけないと思うんですね。

今回の自民党総裁選でも、結局見えたのは、自民党の内部にも「中心と対抗勢力」の構図が根強くあるということでしょう。
小選挙区制の導入が党内の中央集権体制を強化していることは以前から指摘されているところですが、小選挙区制導入から20余年が経ち、その効力も極まってきたというわけです。これは非常に危なっかしい状態だと思いますね。

歌姫といえば

2018-09-18 17:09:25 | 『ホテル・カリフォルニアの殺人』
先日、安室奈美恵さん引退についての記事を書きました。

安室さんは“歌姫”とも呼ばれるシンガーですが、歌姫といえば……ということで、便乗で拙著をPRしてしまいます。

『ホテル・カリフォルニアの殺人』あらすじ・その2 謎のメッセージ 
前回に引き続き、テレビドラマの番宣ふうに『ホテル・カリフォルニアの殺人』のあらすじを紹介していきます。刑事の捜査に協力することになったトミーですが、謎解きは、思うように進みませ......


安室奈美恵さん、引退

2018-09-16 20:56:46 | 日記
安室奈美恵さんが、とうとう引退の日を迎えました。

長らくファイナルツアーが続いていましたが、今日いよいよ、その日がやってきたのです。

私は、安室さんの活動をデビュー当初からみてきた世代です。

それ以後ずっとフォローしてきたというわけではありませんが、引退というのは、やはり感慨があります。
  
同時に、彼女の出身地である沖縄のことも考えます。

思えば安室さんは、沖縄サミットの歌も歌ったりしてましたね。  

あのサミットの時に2000円札なんてものが作られましたが……“癒し”のイメージを背負わされ、その一方で米軍基地を押し付けられている沖縄……その矛盾が、いま本土ではほとんど見ることのない2000円札に象徴されていたのかとも思います。
安室さんが亡くなった翁長知事を悼む発言をしたら、“反日”扱いされるという……本土の沖縄に対する扱いは、ますますひどくなってるなと感じます。

安室さん引退の記事でしたが、やはり沖縄について書くとこんな話になってしまいました。

とにかく今日は、安室さんおつかれです、というところで記事を終えておきましょう。

『ホテル・カリフォルニアの殺人』内容紹介をもう一度

2018-09-15 19:48:29 | 過去記事
gooブログの振り返り機能で、去年の記事をもう一度。

拙著『ホテル・カリフォルニアの殺人』の内容を紹介する記事です。

『ホテル・カリフォルニアの殺人』は、こんな話。
今回は、テレビドラマの番宣ふうに、『ホテル・カリフォルニアの殺人』の中身をもう少し詳しく紹介します。前回も書きましたが、砂漠をさすらっていたトミーとジミーがたどり着いたのが、ホ......