ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

ゆかたの日 2023

2023-07-07 22:01:53 | 3DCG

前回に続き、3DCG記事です。

7月7日は、「ゆかたの日」……ということで、去年も記事をアップしました。
今年は、その改良版を。



改良といっても、基本そんなに変わっていません。
ぱっと見でわかるのは、ゆかたの柄を変えたのと、あとは両手が自作のものになったぐらいでしょう。ただこれも指のあたりがきちんとできてませんが……
そのことともからみますが、実は外見ではわからないところで結構大きな変化があります。
ミラーモディファイア―というものを使って、左右対称の造形をしているのです。
ミラーモディファイア―を使って左右対称にモデリングする技法自体はだいぶ前から知っていましたが、アーマチュアとの関係が私の中で難しい問題になっていました。しかし、案外簡単にその問題を解決できるということに最近気づき、それを応用したのが二日前にアップした動画です。
ただ、そのためにアーマチュアの設定を全体的に見直すことになり……まだ調整しきれていない部分があるのです。
今回も動画にしようと思ってたんですが、このアーマチュア調整の問題があり、今回は断念。動画にするのは、またいずれ別の機会にしようと思います。




3DCGで人物モデリング 2023年ビキニスタイルの日

2023-07-05 23:12:36 | 3DCG

ひさびさに、3DCGの記事をアップします。

最近ブログには載せてませんでしたが、blender はたまにいじってます。
今日7月5日は「ビキニスタイルの日」ということで……去年も載せた自キャラ「真理奈」に、今年も登場してもらいましょう。



今回は、動画も作ってみました。

3DCGで人物モデリング 2023年ビキニスタイルの日

水着がきっちりフィットしてないんですが……こういうのをぴったり合わせてアニメーションさせるのは、結構難しいのです。現時点での私のスキルではこのあたりが限界でした。

しかしとにかく、blenderは奥が深い。
今回も、新たに習得した技術をいくつか取り入れ、以前にあげた画像・動画に比べてクオリティはだいぶ上がったと思います。

今回の動画も、不満な点は多々ありますが、そのあたりはまた今後改善していこうと思います。



Jethro Tull, A Passion Play

2023-07-02 23:08:30 | 音楽批評


今回は、音楽記事です。

依然として、プログレ系かつ、“今年で50周年を迎える名盤”ということでやっていこうと思うんですが……さすがにそろそろネタ切れな感じになってきたので、ここでぎりぎりなところをついていきます。
ジェスロ・タルの『パッション・プレイ』です。

 

ぎりぎりなのは、『パッション・プレイ』が名盤かということよりも、ジェスロ・タルがプログレなのかというところ。
一般的にはどうかわかりませんが、私の場合、ジェスロ・タルは果たしてプログレといえるのだろうかと思ってしまう部分も個人的にはあります。

たしかに、形式的なところをみれば、プログレの要素はいろいろあります。
ジェスロ・タルの大きな特徴はなんといってもフルートが入っていることですが、フルートが入っているといえば初期のキング・クリムゾンがそうだったわけで……これが、どこか幻想的な雰囲気を醸し出したり、クラシック風の格調をもたせたりする、プログレ要素の一つでしょう。

そして、アルバム『パッション・プレイ』は、組曲形式になっていて、アルバム全体で一曲という構成。こういうのは、クリムゾンもピンク・フロイドもイエスもELPもやっていました。まさにプログレの流儀といえます。ついでにいうと、“パッション・プレイ”とはイエス・キリストの受難劇のことで、そういう題材を取り扱うところも、ELPの「聖地エルサレム」のようで、プログレ感があります。
そのオーディオ動画を載せておきましょう。

A Passion Play (Pt. 1) (2003 Remaster)

A Passion Play (Pt. 2) (2003 Remaster)

A面がパートⅠで、B面がパートⅡとなっており、アルバム全体で一曲となっています。
クリムゾンやピンクフロイドなどもレコードの片面丸ごと一曲というのはやってましたが、アルバム全体で一曲というのはなかったんじゃないでしょうか。
となると、ジェスロ・タルはよりプログレしてるといえるかもしれません。

しかし……これだけプログレ要素がそろっていても、やはり私はジェスロ・タルを“プログレのバンド”と呼ぶのには違和感をぬぐえないのです。
この人たちの場合、どっちかというともう少し前の世代のロックンロールの影響が強いように感じられ、そのあたりで、プログレというカテゴライズを躊躇してしまうのかもしれません。
前に一度書きましたが、ジェスロ・タルには、ブラックサバスの一員としてデビューする前のトニー・アイオミが一時的なサポートというかたちで参加していたことがあります。
そして、そのアイオミのギターで、ジェスロ・タルは『ロックンロールサーカス』に出演していました。
このロックンロールサーカスというのは、ローリングストーンズが中心となり、フーやビートルズの面々が参加するという伝説のショー。こういうところに出演しているというのも、やはりジェスロ・タルが一世代前のバンドと感じさせるところなのです。
サバスの『血まみれの安息日』にはイエスのリック・ウェイクマンが参加していたという話も前に書きましたが、そんなふうに、1970年頃にはまだジャンル分けが不分明でした。ハードロック、ヘヴィメタル、プログレというふうにはっきり枝分かれしていないわけです。そんななかで、後のプログレにつながる要素をもっていたバンドがいくつか存在していました。ユーライア・ヒープがその代表で、ジェスロ・タルと同じレコード会社に所属していたプロコル・ハルムや、あるいは初期のディープ・パープルなんかもそこに含めていいでしょう。ジェスロ・タルも、そんなバンドの一つととらえられるんじゃないでしょうか。
プロコル・ハルムはサイケデリックの方向を深化させ、逆にディープ・パープルは、サイケデリックとかアートロックみたいな部分をそぎ落としてハードロックのひな形のようなバンドになっていくわけですが、ジェスロ・タルの場合は、ごった煮状態を70年代以降も続けていったように思えます。ただ、UKのメンバーだったエディ・ジョブソンとともにアルバムを制作したりもしていて、プログレ界の住人という認識はあったようです。そしてそれゆえに、プログレというジャンルが80年代に入ったぐらいで方向性を見失い、迷走していくというあのおなじみの流れにもまきこまれてしまった感はあります。解散こそしていませんが、新作はもう二十年にわたって発表しておらず、現在は活動休止状態。ジェスロ・タルは、プログレというジャンルがはっきりかたちをとる前から活動していたがゆえに、プログレが直面した挫折をより鮮明に映し出しているのかもしれません。


最後に余談ですが……忌野清志郎が生前に描いた絵本に「ジェスロ・タル助」なる人物が登場しているものがありました。テレビで紹介されていたもので、残念ながらその絵本を実際に見たことはないんですが(たしか、きわめて個人的なかたちで制作されたものだったのではないかと思います)。キヨシローが認めたものはロックの折り紙付きだというのが私の立場。したがって、ジャンルがなんであれ、ジェスロ・タルはやはり“本物”ということになるなのです。