新型コロナ ワクチン先進国のシンガポール、感染急増 接種8割なのに行動制限再び
新型コロナウイルスワクチンの接種を必要回数終えた人が約8割のシンガポールで、感染者が急増している。政府は3人以上の集まりを禁じるなど、行動制限の再強化に乗り出しているが、収束の兆しは見えない。
人口約569万人のシンガポールは29日、新型コロナの1日の新規感染者数が2268人となり、過去最多を記録した。8月中旬は同100人以下で推移していたため政府は規制緩和に踏み切ったが、その後、感染力の強いデルタ株の流行で、増加に転じた。陽性反応が出た人の約98%は軽症か無症状とされるが、9月の死者は38人にのぼり、コロナによる累計死者数を93人に押し上げている。
政府は8月19日以降、通常の会合については最大5人、店内飲食を伴う会合も、必要回数のワクチン接種完了を条件に5人まで認めていたが、9月27日から1カ月はこれらを2人までに制限した。またオフィスでの業務についても、従来5割の人員の出社を許可していたのを、在宅勤務を基本とする措置に変更した。