かつては、似たり寄ったりのツアーを催行してたんですよね、あの旅行社
ご冥福をお祈りせずにはいられません、
楽しい旅行が一転、悲劇の旅行に
北海道・知床半島沖のオホーツク海で23日、乗員乗客26人を乗せた観光船が安否不明となり、翌24日に知床岬沖で10人が発見されたものの、全員の死亡が確認され、残る16人の捜索が続いている。船は昨年も事故を2度起こし、当日は悪天候の中での出港。
なぜ無謀なツアーに出発したのか? 専門家からは運営会社の責任と救助態勢の不備が指摘されている。
事故を起こしたのは乗員2人、乗客24人を乗せた観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」で、23日午前10時ごろ、知床半島の斜里町ウトロの港を出て、3時間後の午後1時13分ごろに、港から27キロほどのカシュニの滝近辺で「浸水している」と第1管区海上保安本部に救助要請していた。
カズワンの運航会社「知床遊覧船」のホームページには「知床半島は車では半分までしかいけません。秘境知床が神秘のヴェールを脱ぐのは船の上だけです」のコピーが躍る。
今回のツアーは約3時間で、知床半島のウトロ側を周遊するコースだったとみられ、 1人8800円(小学生半額)の料金だった。
防災アナリストで一般社団法人日本民間防衛連合会の金子富夫代表理事は「明らかに無謀な遊覧。売り上げ優先で、業界ルール無視の会社の体質が招いた事故だったのでは」と指摘する。
カズワンは昨年、浮遊物と衝突し、乗客3人がケガをした。さらに浅瀬で座礁と2度の事故を起こしていた。今月20日の船舶検査ではパスしていたというが、今年2月に撮影された同船の右舷船腹には、縦に亀裂が入っている痕がみられ、他の船員からも指摘されていたという。
出航当日は波が荒く、漁船も帰港していたほどの悪条件だったが、ツアーを単独で強行していた。同社は他社に先駆け、この日がシーズン初日。昨年までコロナ禍で観光客が激減していたが、客足が回復し、書き入れ時となるゴールデンウイークに向け、いち早く弾みを付けたかったとみられる。
定員65人の船は屋根で覆われた船内席の造りで「しぶきや雨に濡れたくない、でも間近で景色、野生動物が見たいというお客様にお薦め」とされ、多少の悪天候でも無理をして運航していた。そのため同業者からは〝潜水艦〟とも揶揄されていたという。
そのうえ小型船の強みを生かし、この時期は冬眠明けのヒグマをより近くでウオッチできるよう、岩場や滝に近づくことをウリにしており、暗礁で船体を破損した可能性がある。
同社は2隻を保有しているが、船長の離職が相次ぎ、遺体で発見された豊田徳幸船長(54)のワンオペ態勢だった。豊田船長は3週間前、自身のSNSに、北海道での仕事について「ブラック企業で右往左往です」とも記していた。
救助態勢も遅れた。他の船も出航していれば、場所の特定も早かったが、単独での航行。海上保安庁の回転翼機が現場付近に到着したのは午後4時半と約3時間もたった後で、巡視船、航空機での捜索も見つからなかった。午後7時40分には航空自衛隊に災害派遣要請したが、時すでに遅し。深夜の捜索は難航し、行方不明者の発見は翌24日にずれ込んだ。
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