『君戀しやと、呟けど。。。』

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『愛しい想い』 Vol.1

2005-11-03 21:12:53 | 小説『愛しい想い』
 また一日が過ぎてゆく。
 貴方と何ヶ月、話をしていないのだろう。
 最初は、小さな小さな口喧嘩。なのに、貴方は許してくれなかった。

 何が、いけなかったの?
 私の言ったこと、間違っていたの?
 なら、どうして、それを言ってくれないの?

 黙って背中を向けた貴方のこと、追わなかった私。
 意地を張った私。
 でも、決して怒ったわけじゃなかったのに。
 いつものように、私を置いてゆく筈がないと思い込んだ私。

 ごめんなさい。
 どうしたら許してもらえるの?
 それまで喧嘩をしても、いつも貴方が謝ってくれたから、私、どうしたらいいのか、分からない。
 もう遅いの?
 もう元通りにはならないの?!
 もう、以前の二人に戻ることは出来ないの

 毎日、毎日。
 貴方のことを、こんなに好きだったと気付く日々。
 今頃、気付いても遅いのね。
 もう許してもらえない。。。

 きっと、私が悪いのだ。
 そんな簡単なこと気付くのに、いったい何日かかったのだろう。

 ―お母さん、センスないね―

 貴方の着ていたセーターを、そんな風に言った私。
 後に、友達から聞いた。
 あのセーターは、お母さんが編んだものだったと。貴方の選んだ毛糸を使い、何ヶ月もかかって編んだものだった、と。
 そして、人の優しさを持たない私とは、やってゆけないと話した、と。。。

 恋を失うのは簡単。
 想いが届いた時の嬉しさを、忘れてしまった私。
 晩秋、恋を失くした私は、ただ泣くしかなかった。
 枯れることを知らぬ涙は、今日も私の瞳から零れ落ちている。。。

            To be continued
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