SS(ドイツ親衛隊)のハンス大佐(クリストフ・ヴァルツ)は、アメリカ軍の秘密組織バスターズのアルド隊長(ブラッド・ビット)に言う。
「ヒトラー、ゲッベルス、ゲーリング、ボルマンの四人がいなければ、この戦争は終る。その鍵は私が握っている。この電話で連絡しなければね。分かるだろ?」
後ろ手に縛られているアルドには選択の余地はなかった。本国との連絡に手を貸す。言わずと知れたヒトラーは、アドルフ・ヒトラー。ナチ党党首狂信者。ゲッベルス、ヨーゼフ・ゲッベルス「プロパガンダの天才」「小さなドクトル」などと称され、ヒトラーの政権掌握とナチ党(国家社会主義ドイツ労働者党)政権下のドイツの体制維持に辣腕を振るった。ゲーリング、ベルマン・ヴィルヘルム・ゲーリング、ナチ党で政権下のドイツにおいて、ヒトラーの後継者に指名されるほど高い政治的地位を占めた。閣下元帥。ボルマン、マルティン・ルートヴィヒ・ボルマン、ナチ党官房長でヒトラーの側近・個人秘書を長らく務めた。親衛隊大将。ウィキペディアから拾った簡単な四人の経歴だが、なるほどこの四人がいなくなれば戦争が終るのは確かだろう。
この場面は終盤になるが、町の小さな劇場で上映される「国の誇り」というアメリカ兵150人を殺した狙撃兵の話し。そのプレミア上映にこの四人が集まった。しかも、この映画館主はハンス大佐がかつてフランス人農家にかくまわれていたユダヤ人の一人の逃げる女に狙いを定めたピストルを「まあ、いいか」と降ろした相手だった。
可燃性の高い映画フィルム350本がこの劇場を木っ端微塵にする。いずれにしても娯楽性の高い面白い映画だった。この映画でアカデミー助演男優賞をハンス大佐役のクリストフ・ヴァルツが獲得している。確かに微笑みの裏側の残忍さを巧みに演じていた。
監督
クェンティン・タランティーノ1963年3月テネシー州ノックスヴィル生まれ。’94「パルプ・フィクション」でカンヌ映画祭でグランプリを受賞。
キャスト
ブラッド・ビッド1963年12月オクラホマ州生まれ。’10「食べて、祈って、恋をして」など製作総指揮の面でも忙しい。この映画を久しぶりに劇場で観たが、あまり印象に残らなかった。
メラニー・ロラン1983年2月フランス、パリ生まれ。劇場館主を演じた。
クリストフ・ヴァルツ1956年10月オーストリア、ウィーン生まれ。